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#24 憎悪
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焼けるような痛みで目が覚めた。
体中が熱くてたまらない。
見ると、裸の胸に、鞭の痕とは明らかに違う大きな手形がついていた。
屈辱で、震え出しそうになった。
フランだ。
フランが、眠った後、私の身体をもてあそんだのに違いない。
おそるおそる、パンティの切れ端をめくってみる。
私は安堵の息を吐いた。
幸い、陰部には異常がないようだ。
でも、と思う。
それも時間の問題だろう。
これに味を占めたあのゲス野郎は、次は必ず私をレイプするに決まっている。
そうなる前に、逃げなきゃ。
なんとか、ここから。
視界の片隅に、食事のトレイが見えた。
フランが置いていったのだ。
胃をしぼり上げるような空腹を覚え、ベッドから転げ落ち、床を這った。
手を伸ばす。
スープ皿に指がかかる。
あっと思った瞬間、指に力が入りすぎ、皿が傾き、冷たいスープが床にこぼれた。
「ううっ」
悔し涙がこみあげてきた。
パンをつかみ、こぼれたスープにつけて口にねじ込んだ。
砂が舌の裏側に入り込み、ざらざらする。
どうして、私が、こんな目に…。
涙で視界がかすむ。
この時、私は生まれて初めて、憎悪という感情を知った。
でも、誰を憎めばいいのか、それがわからなかった…。
体中が熱くてたまらない。
見ると、裸の胸に、鞭の痕とは明らかに違う大きな手形がついていた。
屈辱で、震え出しそうになった。
フランだ。
フランが、眠った後、私の身体をもてあそんだのに違いない。
おそるおそる、パンティの切れ端をめくってみる。
私は安堵の息を吐いた。
幸い、陰部には異常がないようだ。
でも、と思う。
それも時間の問題だろう。
これに味を占めたあのゲス野郎は、次は必ず私をレイプするに決まっている。
そうなる前に、逃げなきゃ。
なんとか、ここから。
視界の片隅に、食事のトレイが見えた。
フランが置いていったのだ。
胃をしぼり上げるような空腹を覚え、ベッドから転げ落ち、床を這った。
手を伸ばす。
スープ皿に指がかかる。
あっと思った瞬間、指に力が入りすぎ、皿が傾き、冷たいスープが床にこぼれた。
「ううっ」
悔し涙がこみあげてきた。
パンをつかみ、こぼれたスープにつけて口にねじ込んだ。
砂が舌の裏側に入り込み、ざらざらする。
どうして、私が、こんな目に…。
涙で視界がかすむ。
この時、私は生まれて初めて、憎悪という感情を知った。
でも、誰を憎めばいいのか、それがわからなかった…。
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