余生尽きるまで愛して

猫又

文字の大きさ
上 下
5 / 7

5

しおりを挟む
うわぁぁぁぁあ!!忘れてたァァ!!

今、母とデパートにある服屋の前に立っています。

「さぁ、行くわよ。母さん、久々に張り切っちゃうんだから!!」

母さんは僕か逃げられないように方をがっしり掴んで服屋の中へと連れていく。


1着...3着...7着...。


「母さん!もう1時だよ。夢中になりすぎ!!」

時間を忘れ服を選ぶ母さんに声をかける。

「あ、あらあらもうそんな時間?」

「うん!そうだよ。流石に僕お腹すいちゃったよ...」

「そうね。お昼の時間ね。」

お腹がすいたと伝えると母さんは一旦服選びをやめて気に入った服を会計しに言った。

その間、僕は服屋の入口隅で待っていた。母が会計してる間暇だったので髪の毛を弄りながら待っていた。

すると、目の前を通った男の人3人組に声をかけられる。皆、身長が高くて整った顔をしていたけど僕は怖くて仕方がなかった。

「ねえ、そこのかわい子ちゃん」

「ひぃ...」

怖がる僕を見ても尚話しかけてくる。

「暇なら僕たちとデートしに行かない?」

人とまともに話したことの無い僕は怖くてプルプルと震える。

「あぁ、怖がらないで、俺ら悪い人じゃないよ。ただ、とっても可愛くてつい声をかけちゃったんだ。」

この人たちは僕が女の子に見えているようだ。

「あ...えと...ぁう...」


コミュ障が発動する。
上手く喋れなくて恥ずかしくてボンッ!と顔が赤くなる。そして怖くって目尻に溜まっていた涙がポロッと流れる。

ちゃんと言わなきゃ...断らないと...と思った僕は顔を上げようとしたが上手く行かず逆に俯いてしまう。

「え、大丈夫!?」

突然泣き出した僕にオロオロとする3人に気付かず何か言葉を発しないとと頭を巡らせてる僕はボソッと喋る。

「......り...す...」

「りす?」

「ぁ...あの...こ、困りま...す。」

男の人の目を見て言おうとした結果どうしても上目遣いになってしまう。

もじもじしながらも男の人の目を見て困りますと言えた自分を褒める。

赤い顔に涙ともじもじ上目遣いの扇情的な顔に男の人たちは普通でいられるはずもなくそれを見ていた男の人も周りの人も一瞬固まったかと思うと胸を押えて崩れ落ちた。

男の人たちはそれぞれ「グハッ」「ヴ...」「尊い...」

と呻いていて大丈夫かなと思い不安になったが逃げるならこのタイミングだと思って涙を袖で拭いて母の元へ急いで戻った。

母の元へ行くとちょうど会計が終わったらしく母はニコニコ顔で手を引く。

「さ、フードコート行きましょうね!!」

コクっと頷く。
店の外を出た時にまだ男の人はいるのだろうかとドキドキしたけど既に居なくなっており安心する。

その後フードコートで好きな物を食べた僕はその後も母の買い物に付き合い香水やら保湿クリームなどを買ってもらった。

帰る頃には既に外は暗くなっていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

捨てられ子供は愛される

やらぎはら響
BL
奴隷のリッカはある日富豪のセルフィルトに出会い買われた。 リッカの愛され生活が始まる。 タイトルを【奴隷の子供は愛される】から改題しました。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

俺のまったり生活はどこへ?

グランラババー
BL
   異世界に転生したリューイは、前世での死因を鑑みて、今世は若いうちだけ頑張って仕事をして、不労所得獲得を目指し、20代後半からはのんびり、まったり生活することにする。  しかし、次代の王となる第一王子に気に入られたり、伝説のドラゴンを倒したりと、今世も仕事からは逃れられそうにない。    さて、リューイは無事に不労所得獲得と、のんびり、まったり生活を実現できるのか? 「俺と第一王子との婚約なんて聞いてない!!」   BLではありますが、軽い恋愛要素があるぐらいで、R18には至りません。  以前は別の名前で投稿してたのですが、小説の内容がどうしても題名に沿わなくなってしまったため、題名を変更しました。    題名変更に伴い、小説の内容を少しずつ変更していきます。  小説の修正が終わりましたら、新章を投稿していきたいと思っています。

台風の目はどこだ

あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。 政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。 そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。 ✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台 ✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました) ✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様 ✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様 ✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様 ✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様 ✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。 ✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)

異世界で、初めて恋を知りました。(仮)

青樹蓮華
BL
 カフェ&レストランで料理人として働く葉山直人(はやまなおと)24歳はある日突然異世界へ転生される。  異世界からの転生者は、付与された能力で国を救うとされているが...。自分の能力もわからない中、心の支えになったのは第二王子クリスと、第一騎士団団長アルベルト。  2人と共に行動をすることで徐々に互いに惹かれあっていく。だが、以前失恋したカフェ&レストランのオーナーがちらつき一歩踏み出せずにいる。 ♯異世界溺愛系BLストーリー ⭐︎少しでも性的描写が含まれる場合タイトルに『※』がつきます。 読まなくてもストーリーが繋がるよう努めますので苦手な方はご遠慮ください。

どうやら生まれる世界を間違えた~異世界で人生やり直し?~

黒飴細工
BL
京 凛太郎は突然異世界に飛ばされたと思ったら、そこで出会った超絶イケメンに「この世界は本来、君が生まれるべき世界だ」と言われ……?どうやら生まれる世界を間違えたらしい。幼い頃よりあまりいい人生を歩んでこれなかった凛太郎は心機一転。人生やり直し、自分探しの旅に出てみることに。しかし、次から次に出会う人々は一癖も二癖もある人物ばかり、それが見た目が良いほど変わった人物が多いのだから困りもの。「でたよ!ファンタジー!」が口癖になってしまう凛太郎がこれまでと違った濃ゆい人生を送っていくことに。 ※こちらの作品第10回BL小説大賞にエントリーしてます。応援していただけましたら幸いです。 ※こちらの作品は小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しております。

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

処理中です...