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戴冠の間6
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「新たな王は、ルリア・アルンフォルト王女とする!」
!!!!
「そんな馬鹿な!!」
「女が王などありえない!!」
「女で務まるはずがない!!」
一人、また一人とたまらず貴族達が次々と大声を上げる。
「継承権が無いはずです!!」
宰相も口を開く。
だが、皆の声に返答することなくリベール陛下は段を下り、そして私に玉座に座るよう促した。
私は震える足に力を入れ、意を決して段を上がり玉座に座る姿を皆に見せた。
「何でその小娘が王位に就くのです!!
属国の血を引く女ですよ!!
何故マルクスじゃないのです!!」
ライナの声に皆もさらに声を上げる。
「女の継承権などないはずです!!」
「そうだ!女が国を治められるわけがない」
「今すぐ撤回してください!!」
次から次へとあちこちから不満をぶつけられる。
‥‥まぁ‥‥そうでしょうね。
ベルラードを見れば、心配そうに顔を歪め両手の拳を握り締めているのが見える。
隣国の人間が今ここで口出しすることはできない。
私よりずっと辛そうに見えるその姿に、私はまた力をもらった。
しっかりしなきゃ‥‥決めたのは自分だ。
さぁ、腹から声を出さなきゃ!
「黙りなさい!!」
思いきり出した声は、父のように通る声で自分でも少し驚いた。
罵詈雑言を吐いている者達がキョトンとしたように黙る。
‥‥意外と私の声って後ろまで通るのね‥‥
玉座から立ち上がると、皆に向けて一枚の紙を高々と掲げる。
「ここには、ヴィルドルフ国王とリベール国王の玉璽があります。
二代続けての玉璽がある場合、法は改正されます!
女性の王位継承権を認め、王女である私が王位に就くことがこの書状で承認されています!
今この時より、私はこの国の王と認められたのですから、その様に蔑む態度を改めなければ即刻処罰します!!」
「!!!!」
意気揚々と文句を言い出していた者達の顔がひきつる。
「新たな女王陛下のご即位に心よりお祝い申し上げます。
ダルトタナードの国王名代として、我が国とアルンフォルトとの繋がりがより一層強固なものになることをお約束し、女王陛下の戴冠式には我が国を挙げて共に祝うことをお誓い申し上げます」
私が冷たい視線を向けられているなか、ベルラードは歩み出てそう言った。
祝いの言葉を述べながらも、その黒い瞳は悲しそうに見えた。
彼の目にも私は悲しそうに見えていたかもしれない。
これでベルラードの隣に立つことはもうできない。
私はこの国初の女王となったのだから。
あの漆黒の美しい髪に触れることもない。
抱きしめてもらえることも、市井に買い物に行くことも、ラベンダー畑で寄り添うこともできない。
ベルラード‥‥
あなたとの思い出だけ‥‥もらっておくわね‥‥
ベルラードは片膝をつき頭を下げた。
ベルラードに続くようにマリーも前に出る。
「ダルトタナードの王女として、女王陛下にご挨拶申し上げます。
この度のご即位、誠に喜ばしいことでございます。
心よりお祝い申し上げます。
女王陛下がこの国を治められる間は、我が王家がいついかなる時も女王陛下のお力になることをお約束いたします」
深く膝を曲げ腰を低くし敬意を示したその姿に、周りの貴族達は青ざめていく。
隣国の王子、王女がこのように敬意を表しているなかで、私を認めない発言をすればダルトタナードも敵に回すことになる。
ベルラード‥‥マリー‥‥ありがとう。
いつも助けてもらってばかりね‥‥
ベルラードとマリーの後ろには、ヘイルズもスタンリーもヨハンさんもジオンも‥‥皆が同じように跪く。
「な‥によ‥‥これは何なのよ!!
国王になるのはマルクスでしょう!!
リベール様、マルクスはあなたの子なのですよ!
何故そのような属国の卑しい血の者が王位に就くのですか!!」
「属国とは何ですか?
母の故郷であるブルボマーナは我が国でも豊かな経済力のある我が国土。
属国ではなく我が国です!」
「もともとブルボマーナなど小国じゃないの!
この国の属国よ!
あんな小国の娘がヴィルドルフ様の妃になるなんて身の程知らずも甚だしい。
あんな女、私からヴィルドルフ様を奪った悪女じゃないの!」
「いいえ!父は母と会うよりずっと前にあなたに出会っているけれど、それでも父はあなたを選ばなかった。
奪ったなどとあなたこそ思い違いも甚だしい、母を恨むのは筋違いよ!」
「偉そうに言うのはやめなさい!!
あんたに何が分かるのよ!」
「あなたこそ、私が王になったことが分からないようね。
あなたはもう王妃でも何でもないわ。
あなたは王の命を奪った罪人として裁かれるだけよ」
「何ですって!!あんたなんか相応しくないわ、すぐに引き摺り下ろしてやるからみてなさい!
ルリアの分際でこの私に歯向かうなんて許さないわよ!」
今だにライナだけは悪あがきをやめない。
これ以上話し合うことも無駄ね‥‥
ここにはこの国の貴族の当主が集まっている。
誰が見てもライナの子はリベール叔父様の子ではなかったことが分かったはず。
マルクスが王位を継げないことは承知したはずだ。
ただ私が王位に就くことには反対の者がほとんどだろうけど、マルクスを王位に就かせたいと思う者はもういないだろう。
それでも認めないライナの態度。
自分の非を認めさせるのはもう無理なようね‥‥
強制的に牢へ入れるしかないかしら‥‥
!!!!
「そんな馬鹿な!!」
「女が王などありえない!!」
「女で務まるはずがない!!」
一人、また一人とたまらず貴族達が次々と大声を上げる。
「継承権が無いはずです!!」
宰相も口を開く。
だが、皆の声に返答することなくリベール陛下は段を下り、そして私に玉座に座るよう促した。
私は震える足に力を入れ、意を決して段を上がり玉座に座る姿を皆に見せた。
「何でその小娘が王位に就くのです!!
属国の血を引く女ですよ!!
何故マルクスじゃないのです!!」
ライナの声に皆もさらに声を上げる。
「女の継承権などないはずです!!」
「そうだ!女が国を治められるわけがない」
「今すぐ撤回してください!!」
次から次へとあちこちから不満をぶつけられる。
‥‥まぁ‥‥そうでしょうね。
ベルラードを見れば、心配そうに顔を歪め両手の拳を握り締めているのが見える。
隣国の人間が今ここで口出しすることはできない。
私よりずっと辛そうに見えるその姿に、私はまた力をもらった。
しっかりしなきゃ‥‥決めたのは自分だ。
さぁ、腹から声を出さなきゃ!
「黙りなさい!!」
思いきり出した声は、父のように通る声で自分でも少し驚いた。
罵詈雑言を吐いている者達がキョトンとしたように黙る。
‥‥意外と私の声って後ろまで通るのね‥‥
玉座から立ち上がると、皆に向けて一枚の紙を高々と掲げる。
「ここには、ヴィルドルフ国王とリベール国王の玉璽があります。
二代続けての玉璽がある場合、法は改正されます!
女性の王位継承権を認め、王女である私が王位に就くことがこの書状で承認されています!
今この時より、私はこの国の王と認められたのですから、その様に蔑む態度を改めなければ即刻処罰します!!」
「!!!!」
意気揚々と文句を言い出していた者達の顔がひきつる。
「新たな女王陛下のご即位に心よりお祝い申し上げます。
ダルトタナードの国王名代として、我が国とアルンフォルトとの繋がりがより一層強固なものになることをお約束し、女王陛下の戴冠式には我が国を挙げて共に祝うことをお誓い申し上げます」
私が冷たい視線を向けられているなか、ベルラードは歩み出てそう言った。
祝いの言葉を述べながらも、その黒い瞳は悲しそうに見えた。
彼の目にも私は悲しそうに見えていたかもしれない。
これでベルラードの隣に立つことはもうできない。
私はこの国初の女王となったのだから。
あの漆黒の美しい髪に触れることもない。
抱きしめてもらえることも、市井に買い物に行くことも、ラベンダー畑で寄り添うこともできない。
ベルラード‥‥
あなたとの思い出だけ‥‥もらっておくわね‥‥
ベルラードは片膝をつき頭を下げた。
ベルラードに続くようにマリーも前に出る。
「ダルトタナードの王女として、女王陛下にご挨拶申し上げます。
この度のご即位、誠に喜ばしいことでございます。
心よりお祝い申し上げます。
女王陛下がこの国を治められる間は、我が王家がいついかなる時も女王陛下のお力になることをお約束いたします」
深く膝を曲げ腰を低くし敬意を示したその姿に、周りの貴族達は青ざめていく。
隣国の王子、王女がこのように敬意を表しているなかで、私を認めない発言をすればダルトタナードも敵に回すことになる。
ベルラード‥‥マリー‥‥ありがとう。
いつも助けてもらってばかりね‥‥
ベルラードとマリーの後ろには、ヘイルズもスタンリーもヨハンさんもジオンも‥‥皆が同じように跪く。
「な‥によ‥‥これは何なのよ!!
国王になるのはマルクスでしょう!!
リベール様、マルクスはあなたの子なのですよ!
何故そのような属国の卑しい血の者が王位に就くのですか!!」
「属国とは何ですか?
母の故郷であるブルボマーナは我が国でも豊かな経済力のある我が国土。
属国ではなく我が国です!」
「もともとブルボマーナなど小国じゃないの!
この国の属国よ!
あんな小国の娘がヴィルドルフ様の妃になるなんて身の程知らずも甚だしい。
あんな女、私からヴィルドルフ様を奪った悪女じゃないの!」
「いいえ!父は母と会うよりずっと前にあなたに出会っているけれど、それでも父はあなたを選ばなかった。
奪ったなどとあなたこそ思い違いも甚だしい、母を恨むのは筋違いよ!」
「偉そうに言うのはやめなさい!!
あんたに何が分かるのよ!」
「あなたこそ、私が王になったことが分からないようね。
あなたはもう王妃でも何でもないわ。
あなたは王の命を奪った罪人として裁かれるだけよ」
「何ですって!!あんたなんか相応しくないわ、すぐに引き摺り下ろしてやるからみてなさい!
ルリアの分際でこの私に歯向かうなんて許さないわよ!」
今だにライナだけは悪あがきをやめない。
これ以上話し合うことも無駄ね‥‥
ここにはこの国の貴族の当主が集まっている。
誰が見てもライナの子はリベール叔父様の子ではなかったことが分かったはず。
マルクスが王位を継げないことは承知したはずだ。
ただ私が王位に就くことには反対の者がほとんどだろうけど、マルクスを王位に就かせたいと思う者はもういないだろう。
それでも認めないライナの態度。
自分の非を認めさせるのはもう無理なようね‥‥
強制的に牢へ入れるしかないかしら‥‥
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