逃げ出した王女は隣国の王太子妃に熱望される

風子

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真相が明らかに‥2

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「その後、あなた達はどうしてこの国へ?」

「公爵様が橋が落ちたのはお前達のせいだと言ったんです。反論すると家族を人質に取られ、余計なことを言えば殺すと言われました‥‥」

「俺達がこのダルトタナードで暮らしたら家族を解放してやるというので」

「このことを話したら、鉱山の連中の皆も殺すと言われ‥‥。それで俺達この国に来るしかなくて」

「領民達にも誰かに話せば俺ら四人の命がないと言って脅しているそうです」

なんて卑怯な‥‥

「俺、妻も子供もあの領地にいるんです!」

「俺も妻と病気の親がいて」

「うちは兄貴と二人暮らしでした」

「そう‥‥可哀想に」

「俺は独り者なんでいいんですが、こいつらが可哀想で‥‥。家に帰してやりたいんですが‥‥」

ジオンはやはり四人の中でもリーダーのようで皆の心配をしている。

「あなた達は公爵に騙されたのね。あなた達も領民も被害者だわ」

何度も頭を下げている四人が哀れだ。
こんな理不尽なこと、絶対許さないわ。

「ねぇ、何故公爵はこのように私の両親を急いで消す必要があったか思い当たることはある?」

四人は顔を上げ首を傾げながら顔を見合わせる。

「知ってるか?」
「いや‥何かあるか?」
「思いつくことなんてなぁ‥」
「橋の付け替えも急な話で驚いたしな‥理由なんて‥なぁ‥」

「王家との関わりなんて無いしな」

「そういえば、関係ないかもしれないけど、フリックさんの兄貴が王家の騎士団長になるって聞いたよな?」

「おお!聞いた!すごい出世だよな?」

「公爵家の護衛騎士になった時も驚いたけどな」

「今度は王家だろ?」

「自慢してたもんなー」

「こんなの関係ねぇか」

「ないだろ、そんなの」

新しい騎士団長?
確か長い間仕えていた団長のシルヴィオは父の側近キーラの父親だった。
父と共にキーラが亡くなったことでシルヴィオも団長を降りたと聞いたわね‥‥

「ねぇ、その騎士団長について知りたいわ。ご兄弟があなた達の知り合いなの?」

「はい。兄弟っていうか、フリックさんとその騎士団長になったエリックさんは双子なんです」

「双子?」

「あの双子、とにかくうちの田舎じゃ良い男で有名で、俺達の10歳くらい上かな?」

「エリックさんは男前なんで公爵様に気に入られて、若い時に公爵家の使用人になったんですよ」

「フリックさんは今も鉱山で働いてますよ!な?」

「フリックさんの息子も15くらいになったよな?」

頷き合う。

「その騎士団長の歳は分かる?」

「確か10コ上だったはずだから、今は42ですかね」

「見た目は?」

「双子だけど、エリックさんの方が男前で。髪は少しクセのある濃い茶色で体格もよくて目が深い緑‥ってことかな」

「‥‥」

双子で茶色のクセ毛‥深い緑の瞳‥‥

「ルリア?その騎士団長が絡んでるのか?」

「エリックさんが何なんですか?エリックさんは良い人です!フリックさんも優しい人だし、なぁ?」

「俺ら子供の時からあの双子の兄さん達には可愛がってもらってて」

四人は知り合いであるエリックを庇うように焦っている。

「その方達は双子が多い家系かしら?」

「んー‥‥あぁ、確か父親の弟は双子ですよ。その子供も双子です」

「そう、珍しい家系ね」

「まぁ、そうかな?」
「他もいたよな?鉱山が何か影響するのかな?」
「関係ないだろ」
「はははっ、そっか」

四人は少し気が緩んだのか笑顔も見える。

「ルリア?何かあるのか?」

「‥‥ようやく真相がみえたわ」



床に座り込んだままの四人は私の言葉に固まってしまった。

「あなた達のお陰でアルンフォルトの王家は救われるわ。どうもありがとう。感謝します」

「どういう‥ことですか?」

「ジオン、あなた達四人はしばらくここで暮らしてちょうだい。そのかわり、必ず私があなた達をアルンフォルトの故郷に戻すと約束するわ。
家族に会えるまでもう少し我慢してね」

「帰れるんですか?」
「本当ですか?」
「皆に会えるんですか?」

「ええ。アルンフォルトの王女として約束するわ」

「ありがとうございます。王女様」

「本当に申し訳ありませんでした!」

男達はうずくまり泣いている。
きっと辛かっただろう。

彼らは知らずに罪を背負わされた。
国王を事故死させてしまった罪を背負い、家族と離れ人質として取られ、国を追い出された。

こんな理不尽な事‥‥許されないわ。
これを解決する為には、国に戻る必要があるわね‥‥













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