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お出掛け2
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「そこで休憩しよう」
ケーキの看板が付いている店に入ると女性客が大勢座っている。
ひとつだけ空いたテーブルに通されるとベルラードと二人で座った。
ヘイルズ達は外で待機させられている。
「ここで人気の物は何だ?」
「うちはパンケーキが人気の店で、中でもチョコレートと生クリームがたっぷりの物が一番人気です」
「そうか、ならそれをくれ」
可愛らしい店内にベルラードと二人でいるのは何だか落ち着かないような不思議な感じがする。
少し待つと厚みのあるパンケーキが運ばれてきた。
「まぁ、こんなに高さがあるなんて」
ふっくらと厚みのあるパンケーキを思わずフォークで触るとフワフワしている。
上には大好きなチョコレートと生クリーム。
パクリと食べれば客が多いのも納得できる美味しさだった。
「とても美味しいわ!」
ベルラードを見れば一口食べて眉間にしわを寄せている。
⁈
「甘すぎる」
そんなベルラードの姿がおかしくて笑ってしまった。
「ふふふっ、そんなに甘くないわよ」
「いいや、甘すぎる!歯が全部溶けそうだ!」
ふふっあはははっ
「それは言い過ぎです」
おかしくて笑いが止まらない。
困った顔をしてそんなことを言うものだから可愛く見えてしまう‥‥
「そんなに笑うことか?」
ちょっとムスッとしているが余計におかしい‥‥
「ごめんなさい‥ふふっ」
「まぁ、ルリアの笑い顔が見れたから許そう」
そう言って私のずり落ちた眼鏡を直してくれる。
その自然な仕草にドキッとしてしまう‥
赤く染まる顔を隠すようにパンケーキを食べ、結局ベルラードの分も食べてしまった‥‥。
「美味しそうに食べるな」
「美味しいからです」
いつの間にかベルラードとのやり取りは自然で、何故か楽しく感じていた。
「市井はどう感じた?」
「民がいきいきとしていて、自分達の仕事に熱心であることが分かりました」
「そなたは市井に降りて、野菜作りでも学ぶのか?それとも野菜の売り方を学ぶのか?小物作りの修行でも始めるか?ケーキ作りで雇ってもらうつもりか?
民は生きる為に仕事に必要な知識や技術を持っている。
市井は逃げ道にするような甘いところではない」
「‥‥」
ベルラードの言うことは正しい。
確かにその通りだ。
安易に市井で暮らすと言った私はあまりにも無知だ。
「俺はその民を守る為、国の王となる。
それが俺の仕事だ。そなたの仕事は何だ?
アルンフォルトほどの大国で王女として育ちながら、両親が守ってきた国を飛び出して、ルリアのしたいことは何なのだ?」
「‥‥」
私が生きる為に身につけてきたことは、市井の暮らしでは何ひとつ役に立たないだろう。
七カ国語を話せることなど、ここでは必要ない。
剣術を得意としてもここでは何にもならない。
淑女としてのマナーも関係ない。
私には‥‥何もない。
「さあ、今日はもう帰ろう。
夜会が終わるまでに考えれば良いことだ」
チクリと胸が痛んだ‥‥
夜会を終えたら、私は何をするのだろう。
何がしたかったのだろう。
何ができるのだろう。
あんなに早く終われば良いと思っていた夜会のカウントダウンが私の首をゆっくり絞めていくようで‥‥恐ろしく感じた。
ケーキの看板が付いている店に入ると女性客が大勢座っている。
ひとつだけ空いたテーブルに通されるとベルラードと二人で座った。
ヘイルズ達は外で待機させられている。
「ここで人気の物は何だ?」
「うちはパンケーキが人気の店で、中でもチョコレートと生クリームがたっぷりの物が一番人気です」
「そうか、ならそれをくれ」
可愛らしい店内にベルラードと二人でいるのは何だか落ち着かないような不思議な感じがする。
少し待つと厚みのあるパンケーキが運ばれてきた。
「まぁ、こんなに高さがあるなんて」
ふっくらと厚みのあるパンケーキを思わずフォークで触るとフワフワしている。
上には大好きなチョコレートと生クリーム。
パクリと食べれば客が多いのも納得できる美味しさだった。
「とても美味しいわ!」
ベルラードを見れば一口食べて眉間にしわを寄せている。
⁈
「甘すぎる」
そんなベルラードの姿がおかしくて笑ってしまった。
「ふふふっ、そんなに甘くないわよ」
「いいや、甘すぎる!歯が全部溶けそうだ!」
ふふっあはははっ
「それは言い過ぎです」
おかしくて笑いが止まらない。
困った顔をしてそんなことを言うものだから可愛く見えてしまう‥‥
「そんなに笑うことか?」
ちょっとムスッとしているが余計におかしい‥‥
「ごめんなさい‥ふふっ」
「まぁ、ルリアの笑い顔が見れたから許そう」
そう言って私のずり落ちた眼鏡を直してくれる。
その自然な仕草にドキッとしてしまう‥
赤く染まる顔を隠すようにパンケーキを食べ、結局ベルラードの分も食べてしまった‥‥。
「美味しそうに食べるな」
「美味しいからです」
いつの間にかベルラードとのやり取りは自然で、何故か楽しく感じていた。
「市井はどう感じた?」
「民がいきいきとしていて、自分達の仕事に熱心であることが分かりました」
「そなたは市井に降りて、野菜作りでも学ぶのか?それとも野菜の売り方を学ぶのか?小物作りの修行でも始めるか?ケーキ作りで雇ってもらうつもりか?
民は生きる為に仕事に必要な知識や技術を持っている。
市井は逃げ道にするような甘いところではない」
「‥‥」
ベルラードの言うことは正しい。
確かにその通りだ。
安易に市井で暮らすと言った私はあまりにも無知だ。
「俺はその民を守る為、国の王となる。
それが俺の仕事だ。そなたの仕事は何だ?
アルンフォルトほどの大国で王女として育ちながら、両親が守ってきた国を飛び出して、ルリアのしたいことは何なのだ?」
「‥‥」
私が生きる為に身につけてきたことは、市井の暮らしでは何ひとつ役に立たないだろう。
七カ国語を話せることなど、ここでは必要ない。
剣術を得意としてもここでは何にもならない。
淑女としてのマナーも関係ない。
私には‥‥何もない。
「さあ、今日はもう帰ろう。
夜会が終わるまでに考えれば良いことだ」
チクリと胸が痛んだ‥‥
夜会を終えたら、私は何をするのだろう。
何がしたかったのだろう。
何ができるのだろう。
あんなに早く終われば良いと思っていた夜会のカウントダウンが私の首をゆっくり絞めていくようで‥‥恐ろしく感じた。
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