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生まれ変わった悪魔
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乗馬は昔から好きだった。
剣術と同じくらい得意だった。
そこら辺の下級騎士よりも剣術と乗馬は上手いだろう。
男ならばきっと良い騎士になれたと思う。
この立場でなかったら女騎士になっていたかもしれない。
私の先行きを案ずるように、空はどんよりとしてきたかと思えば、ポツポツと雨が降り出しあっという間にザァーっと大雨になった。
ワンピースは体に張り付き、髪からもポタポタと雫が落ちる。
まるで天から罰を与えられている気分だ。
私がいたら人を不幸にする。
私はきっと皇妃の生まれ変わりなのね‥
皇妃に一目惚れをした皇帝の人生を狂わせ、皇后を嫉妬に狂わせ国を崩壊した女‥‥。
皇妃が他国からやってきたのも今の私と同じだ。
私が以前見た夢は前世の皇妃の記憶‥‥
ならば、その王国が戦争を仕掛けたのも聖女であった皇妃のせい‥‥
聖女どころか本当に悪魔ね‥‥
走り続けると大きな川が見える。
川の流れは速い。
もっと川の近くへ‥もっと側まで‥あともう少し‥
馬はブルッと体を大きく揺らし私を振り落とした。
「キャッ、痛っ!」
突然落とされ足首を少し捻ったようだ。
馬はあっという間に去ってしまい、川の前でポツンと取り残された。
知らない人間が乗ったのに、ここまで連れてきてくれただけでも感謝しなければね‥
少し捻った足を引きずりながら歩く。
たいしたことはないが少しだけ痛む。
ベルラードとヨハンさんを見てまた父を思い出した。
父は母を溺愛していた。
執着していた。
父も母に狂わされた一人なのかもしれない。
皇妃に似たこの顔は人を惑わし、母に似たこの顔は執着を生むのかもしれない。
だからもうどうでもいい。
このまま川が私を飲み込んでくれるから。
私が死ねばライナも関わった者を処罰しないだろう。
目的は私なのだから‥‥
皆が元の生活に戻ってくれればいいわ‥‥
「ルリア!!ルリア!!」
大雨で姿が霞んで見えるがベルラードだった。
「来ないで!!」
「やめろ!!ルリア!待ってくれ、俺が間違っていたんだ!許してくれ、正直に何も伝えることができなかった俺のせいだ!そこで待ってろ、今行く!」
「来ないで!!」
来ないで‥もう誰も来ないで‥
私が皆を不幸にしてしまうのなら誰にも会いたくない。
川に向かうが重心を崩し倒れてしまう。
後を追ってベルラードが走って来るのが見える。
ベルラード‥
あなたは王太子なのよ‥
こんな所に来てはいけないわ‥
「ルリア!ルリア!」
「殿下ー!殿下ー!川の側は危険です。早くこちらに戻って下さい!」
座り込んでる私をベルラードは思い切り抱きしめた。
「俺が追い込んだんだ。本当にすまない。
最初から正直にただそなたに惚れたと言えば良かった。
人質をとるような卑怯なやり方で断れないようにした俺が悪かったんだ。
皇妃に似ていたからではない。
ルリア自身に惚れたんだ。
自分でも初めての感情で理由を見つけたかった。
皇妃に似ているからなのだと。でも違う!
誰の代わりでもなく、生まれ変わりなどどうでもいいんだ!
ただ好きになった。本当だ!」
大雨で声が消されないようにベルラードは耳元で叫んでいる。
「そなたの思うようにしよう!
約束の夜会が終わったらそなたは自由だ。好きにしていい。
関わっていた者達は必ず守ると約束しよう。
だから‥‥もう‥自分の事は傷つけないでくれ。
頼む‥‥こんな事‥‥しないでくれ」
彼は私の肩に頭を乗せた。
泣いてるようだった。
私は‥誰か他の人に殺されるまで自分では死ねないのだろうか‥ふとそう思った。
生まれ変わりの悪魔を殺すのは、天使なのか神なのか‥‥
どうして私は生まれ変わったのだろう‥‥
剣術と同じくらい得意だった。
そこら辺の下級騎士よりも剣術と乗馬は上手いだろう。
男ならばきっと良い騎士になれたと思う。
この立場でなかったら女騎士になっていたかもしれない。
私の先行きを案ずるように、空はどんよりとしてきたかと思えば、ポツポツと雨が降り出しあっという間にザァーっと大雨になった。
ワンピースは体に張り付き、髪からもポタポタと雫が落ちる。
まるで天から罰を与えられている気分だ。
私がいたら人を不幸にする。
私はきっと皇妃の生まれ変わりなのね‥
皇妃に一目惚れをした皇帝の人生を狂わせ、皇后を嫉妬に狂わせ国を崩壊した女‥‥。
皇妃が他国からやってきたのも今の私と同じだ。
私が以前見た夢は前世の皇妃の記憶‥‥
ならば、その王国が戦争を仕掛けたのも聖女であった皇妃のせい‥‥
聖女どころか本当に悪魔ね‥‥
走り続けると大きな川が見える。
川の流れは速い。
もっと川の近くへ‥もっと側まで‥あともう少し‥
馬はブルッと体を大きく揺らし私を振り落とした。
「キャッ、痛っ!」
突然落とされ足首を少し捻ったようだ。
馬はあっという間に去ってしまい、川の前でポツンと取り残された。
知らない人間が乗ったのに、ここまで連れてきてくれただけでも感謝しなければね‥
少し捻った足を引きずりながら歩く。
たいしたことはないが少しだけ痛む。
ベルラードとヨハンさんを見てまた父を思い出した。
父は母を溺愛していた。
執着していた。
父も母に狂わされた一人なのかもしれない。
皇妃に似たこの顔は人を惑わし、母に似たこの顔は執着を生むのかもしれない。
だからもうどうでもいい。
このまま川が私を飲み込んでくれるから。
私が死ねばライナも関わった者を処罰しないだろう。
目的は私なのだから‥‥
皆が元の生活に戻ってくれればいいわ‥‥
「ルリア!!ルリア!!」
大雨で姿が霞んで見えるがベルラードだった。
「来ないで!!」
「やめろ!!ルリア!待ってくれ、俺が間違っていたんだ!許してくれ、正直に何も伝えることができなかった俺のせいだ!そこで待ってろ、今行く!」
「来ないで!!」
来ないで‥もう誰も来ないで‥
私が皆を不幸にしてしまうのなら誰にも会いたくない。
川に向かうが重心を崩し倒れてしまう。
後を追ってベルラードが走って来るのが見える。
ベルラード‥
あなたは王太子なのよ‥
こんな所に来てはいけないわ‥
「ルリア!ルリア!」
「殿下ー!殿下ー!川の側は危険です。早くこちらに戻って下さい!」
座り込んでる私をベルラードは思い切り抱きしめた。
「俺が追い込んだんだ。本当にすまない。
最初から正直にただそなたに惚れたと言えば良かった。
人質をとるような卑怯なやり方で断れないようにした俺が悪かったんだ。
皇妃に似ていたからではない。
ルリア自身に惚れたんだ。
自分でも初めての感情で理由を見つけたかった。
皇妃に似ているからなのだと。でも違う!
誰の代わりでもなく、生まれ変わりなどどうでもいいんだ!
ただ好きになった。本当だ!」
大雨で声が消されないようにベルラードは耳元で叫んでいる。
「そなたの思うようにしよう!
約束の夜会が終わったらそなたは自由だ。好きにしていい。
関わっていた者達は必ず守ると約束しよう。
だから‥‥もう‥自分の事は傷つけないでくれ。
頼む‥‥こんな事‥‥しないでくれ」
彼は私の肩に頭を乗せた。
泣いてるようだった。
私は‥誰か他の人に殺されるまで自分では死ねないのだろうか‥ふとそう思った。
生まれ変わりの悪魔を殺すのは、天使なのか神なのか‥‥
どうして私は生まれ変わったのだろう‥‥
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