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幸せにする覚悟
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「さぁ、このネックレスもヴィルドルフ殿下の愛を感じますね」
そう言うと、首に重みを感じるエメラルドの豪華なネックレスを付けられた
「お支度が整いましたよ。今日からは、新しい人生の始まりだと思って、自分の信じた道を歩んでください。私はこれからもずっと、お側でお支えします。私のお嬢様」
サアラがまた涙目になっている
「ありがとう。迷惑ばかり掛ける私を許してね、サアラ」
私はサアラの手を取りギュッと強く握った
涙が零れそうになる私に
「駄目です!お化粧が崩れますから、我慢してください!」
と涙を流しながら言うサアラに笑ってしまった
コンコン
扉を叩く音がした
サアラが慌てて涙を拭いている
「いらっしゃいましたね!」
サアラは私を見ると、ちょっと肩を浮かせてニヤッと笑った
「はい、どうぞ」
ガチャ
扉を開けたヴィル様は、何故か動きが止まった
息を呑む音が聞こえるようだ
いつまでも動かないヴィル様に、少し不安になった私は立ち上がった
「あの、ヴィル様?」
ドレスが揺れてキラキラと輝く
「なんて‥‥綺麗なんだ」
目が大きく見開かれ、その美しいエメラルドの瞳もキラキラと輝いた
「女神だ」
真っ直ぐ私の所に歩いて来る
右手で、頬をするりと撫でると
「天から私への贈り物だ」
そう言って跪いた
「アリアン、あなたを愛しています。どうか私の妃になって貰いたい」
手を差し出した
「はい。私もヴィルドルフ殿下を心から愛しております」
その手に自分の手を重ねた
やっと勇気を出して言葉に出来た
手の甲に口付けをしたヴィルドルフは、立ち上がるとまたアリアンの陶器のような滑らかな肌を撫でた
「俺を愛してくれるの?」
覗き込むように目線を合わせてくる
確認されると少し恥ずかしくて、視線を彷徨わせてしまう
「はい‥‥愛しています」
「アリー、一生離さないけれどいい?」
なおも詰め寄るヴィル様に、顔が赤らむのを感じながらもはっきりと応えた
「私も離れたくないです」
ああ‥‥とヴィル様は顔を手で覆った
「アリーは責任取ってくれるのかな?そんなに可愛いと理性を保つことは出来ないけどいいかい?」
「‥‥え?」
「もぅそんなに可愛い顔を誰にも見せないで、アリー」
髪や化粧を崩さないように、そっと抱きしめた
「約束してアリー。もう二度と俺の側を離れないと言って。俺だけのアリーになると言って欲しい」
お願いだ‥‥と苦しそうに縋るような声で
囁いた
それは、とても甘くて熱いお願いだった
「ええ、もちろん。ヴィル様のアリーになります」
そう応えると、さっと体を離し軽く頬に触れるだけの口付けをした
「ありがとう。約束だよ。さぁ行こう」
私の右手を腕に絡めた
歩きながら何度も立ち止まり、ドレス姿を見ては、
「よく似合ってるよ。とても綺麗だ」
と褒めてくれる
「ヴィル様、こんな素敵なドレスをどうもありがとうございます。お礼が遅くなってしまって‥‥」
「俺がアリーに着て欲しかったんだ。エメラルドのドレスを着る君を皆に見て貰いたかったんだ。でも、あまりに綺麗で見せるのが勿体ないな‥‥」
眉を下げて少し悔しそうに微笑むヴィル様に、私は思わず
「ヴィル様こそ」
と言葉を返した
「ヴィル様の方こそ、今日のテールコートのお姿が素敵です。私の紫色を取り入れてくださったのですね」
「あぁもちろん。俺はアリーのものだからね」
ヴィル様は襟元に紫の刺繍が品良く入っている
ポケットチーフも紫色である
「ヴィル様が素敵なので、見惚れてしまいますわ」
「アリーはまた可愛いことを言って、俺を喜ばせる天才だな」
お世辞ではなく、本当に素敵なのだ
絵に描いたような王子様そのものだ
背が高くて金髪の見目麗しい美貌の王子様
そんな大国の王太子が、自分の事を好きになってくれるなんて今も夢みたいだ
ヴィル様を見上げると目が合う
「今日のアリーの髪は、夜空が降ってきたようだね」
私の髪は濃紺の夜空の色だ
「今日は、サアラが真珠を散りばめてくれました」
「まるで星が輝いているようだよ」
ヴィル様の方こそ、私を幸せにしてくれる天才だ
ヴィル様は立ち止まって、私を正面に立たせると真っ直ぐ見つめた
「アリー。民が安心して暮らせなければ国は成り立たない。民が生活出来る力が無ければ国は滅びる。国が滅びれば王など必要ない。だからこそ、次期国王として民を守る為に、民の暮らしをよく知る必要がある。君は平民として生活していた。アリーとなら同じ思いで民を守っていけると信じている。俺の隣に立って、王妃として支えて欲しい。いいよね?」
それはまるで確認するようだった
常識的に考えれば、この話を受けるのはおかしいと思う
ヴィル様を愛しているというだけで、許される立場では無いのだ
愛し愛されるだけでは上手くいかない事を、誰よりも側妃の娘である私がよく知っている
「いいよね?アリー?」
ヴィル様が強く手を握る
側妃の娘として育った私は、どろどろとした憎悪が渦巻く世界だということを嫌と言う程、身をもって知っている
何処の国であろうとも、きっとこの渦はあるのだと思う‥‥
「アリー?‥‥返事を‥して?」
「私は何年もの長い間、離宮に閉じ籠った生活をして参りました。自分からは行動を起こす事も出来ず、ただ流されるように生きてきて、平民になった事も守って貰っただけのこと‥‥。そんな私が、王妃だなんて、おこがましい話だと思います」
「アリー!待って!そんな事を言わないでくれ!」
両肩をギュッと掴まれる
焦ったように瞳は揺れた
何処の国でもあるだろうその渦の中心に、飛び込む勇気が私にはあるのだろうか‥‥と何度も考えた
王妃になる覚悟‥‥
ヴィル様を愛するということは、そういうことなのだと‥‥
私には王妃の覚悟が足りないかもしれない‥‥‥けれど
「おこがましい話だと十分理解した上で、それでも‥‥ヴィル様のお力になれるのなら、共に生きていきたいと思っております。微力ながらお支えします」
「アリー!」
ホッとしたように、掴んだ肩から指先まで手を滑らせると両手を握った
「俺はアリーが側に居てくれないと生きていけない。アリーが居なければ死んだも同然の情けない男だ。けれど、君が隣に居てくれるのなら何でもやれる自信がある。二度とアリーと離れる事が出来ないんだ。重い男だと思うだろうが‥‥‥
君に見つめられ、触れていないと気が狂ってしまいそうな程に君の事が好きなんだ‥‥許して欲しい」
「ヴィル様」
きっと私よりも辛かったのは彼の方だ
婚約者が突然居なくなり、ブルボマーナまで探しに来て、何処に居るかも分からないまま何ヶ月も探し回った彼の方がずっと辛くて悔しかった筈だ
国の為を思うのなら、私など辞退した方が良いことは解っている
それでも、私はこの真っ直ぐな人を幸せにしたい
彼を失いたくないと思っている
私に使命があるのならば、この人を幸せにする事なのかもしれない
私が持たなければいけない覚悟は、彼を幸せにする覚悟なのだと思っている
「私の想いも、きっと重いと思います」
「いや、まだ軽すぎるよ!もっと重くなってもらわないと困るな。俺には永遠に敵わないと思うけどね!」
ニッコリと嬉しそうに笑うと、何だかすっきりしたような顔をしてまた手を腕に絡めた
歩き出したその表情はとても幸せそうだったので、私も思わず笑ってしまった
これから断罪劇が待っているとは思えない二人だけの時間だった
そう言うと、首に重みを感じるエメラルドの豪華なネックレスを付けられた
「お支度が整いましたよ。今日からは、新しい人生の始まりだと思って、自分の信じた道を歩んでください。私はこれからもずっと、お側でお支えします。私のお嬢様」
サアラがまた涙目になっている
「ありがとう。迷惑ばかり掛ける私を許してね、サアラ」
私はサアラの手を取りギュッと強く握った
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「駄目です!お化粧が崩れますから、我慢してください!」
と涙を流しながら言うサアラに笑ってしまった
コンコン
扉を叩く音がした
サアラが慌てて涙を拭いている
「いらっしゃいましたね!」
サアラは私を見ると、ちょっと肩を浮かせてニヤッと笑った
「はい、どうぞ」
ガチャ
扉を開けたヴィル様は、何故か動きが止まった
息を呑む音が聞こえるようだ
いつまでも動かないヴィル様に、少し不安になった私は立ち上がった
「あの、ヴィル様?」
ドレスが揺れてキラキラと輝く
「なんて‥‥綺麗なんだ」
目が大きく見開かれ、その美しいエメラルドの瞳もキラキラと輝いた
「女神だ」
真っ直ぐ私の所に歩いて来る
右手で、頬をするりと撫でると
「天から私への贈り物だ」
そう言って跪いた
「アリアン、あなたを愛しています。どうか私の妃になって貰いたい」
手を差し出した
「はい。私もヴィルドルフ殿下を心から愛しております」
その手に自分の手を重ねた
やっと勇気を出して言葉に出来た
手の甲に口付けをしたヴィルドルフは、立ち上がるとまたアリアンの陶器のような滑らかな肌を撫でた
「俺を愛してくれるの?」
覗き込むように目線を合わせてくる
確認されると少し恥ずかしくて、視線を彷徨わせてしまう
「はい‥‥愛しています」
「アリー、一生離さないけれどいい?」
なおも詰め寄るヴィル様に、顔が赤らむのを感じながらもはっきりと応えた
「私も離れたくないです」
ああ‥‥とヴィル様は顔を手で覆った
「アリーは責任取ってくれるのかな?そんなに可愛いと理性を保つことは出来ないけどいいかい?」
「‥‥え?」
「もぅそんなに可愛い顔を誰にも見せないで、アリー」
髪や化粧を崩さないように、そっと抱きしめた
「約束してアリー。もう二度と俺の側を離れないと言って。俺だけのアリーになると言って欲しい」
お願いだ‥‥と苦しそうに縋るような声で
囁いた
それは、とても甘くて熱いお願いだった
「ええ、もちろん。ヴィル様のアリーになります」
そう応えると、さっと体を離し軽く頬に触れるだけの口付けをした
「ありがとう。約束だよ。さぁ行こう」
私の右手を腕に絡めた
歩きながら何度も立ち止まり、ドレス姿を見ては、
「よく似合ってるよ。とても綺麗だ」
と褒めてくれる
「ヴィル様、こんな素敵なドレスをどうもありがとうございます。お礼が遅くなってしまって‥‥」
「俺がアリーに着て欲しかったんだ。エメラルドのドレスを着る君を皆に見て貰いたかったんだ。でも、あまりに綺麗で見せるのが勿体ないな‥‥」
眉を下げて少し悔しそうに微笑むヴィル様に、私は思わず
「ヴィル様こそ」
と言葉を返した
「ヴィル様の方こそ、今日のテールコートのお姿が素敵です。私の紫色を取り入れてくださったのですね」
「あぁもちろん。俺はアリーのものだからね」
ヴィル様は襟元に紫の刺繍が品良く入っている
ポケットチーフも紫色である
「ヴィル様が素敵なので、見惚れてしまいますわ」
「アリーはまた可愛いことを言って、俺を喜ばせる天才だな」
お世辞ではなく、本当に素敵なのだ
絵に描いたような王子様そのものだ
背が高くて金髪の見目麗しい美貌の王子様
そんな大国の王太子が、自分の事を好きになってくれるなんて今も夢みたいだ
ヴィル様を見上げると目が合う
「今日のアリーの髪は、夜空が降ってきたようだね」
私の髪は濃紺の夜空の色だ
「今日は、サアラが真珠を散りばめてくれました」
「まるで星が輝いているようだよ」
ヴィル様の方こそ、私を幸せにしてくれる天才だ
ヴィル様は立ち止まって、私を正面に立たせると真っ直ぐ見つめた
「アリー。民が安心して暮らせなければ国は成り立たない。民が生活出来る力が無ければ国は滅びる。国が滅びれば王など必要ない。だからこそ、次期国王として民を守る為に、民の暮らしをよく知る必要がある。君は平民として生活していた。アリーとなら同じ思いで民を守っていけると信じている。俺の隣に立って、王妃として支えて欲しい。いいよね?」
それはまるで確認するようだった
常識的に考えれば、この話を受けるのはおかしいと思う
ヴィル様を愛しているというだけで、許される立場では無いのだ
愛し愛されるだけでは上手くいかない事を、誰よりも側妃の娘である私がよく知っている
「いいよね?アリー?」
ヴィル様が強く手を握る
側妃の娘として育った私は、どろどろとした憎悪が渦巻く世界だということを嫌と言う程、身をもって知っている
何処の国であろうとも、きっとこの渦はあるのだと思う‥‥
「アリー?‥‥返事を‥して?」
「私は何年もの長い間、離宮に閉じ籠った生活をして参りました。自分からは行動を起こす事も出来ず、ただ流されるように生きてきて、平民になった事も守って貰っただけのこと‥‥。そんな私が、王妃だなんて、おこがましい話だと思います」
「アリー!待って!そんな事を言わないでくれ!」
両肩をギュッと掴まれる
焦ったように瞳は揺れた
何処の国でもあるだろうその渦の中心に、飛び込む勇気が私にはあるのだろうか‥‥と何度も考えた
王妃になる覚悟‥‥
ヴィル様を愛するということは、そういうことなのだと‥‥
私には王妃の覚悟が足りないかもしれない‥‥‥けれど
「おこがましい話だと十分理解した上で、それでも‥‥ヴィル様のお力になれるのなら、共に生きていきたいと思っております。微力ながらお支えします」
「アリー!」
ホッとしたように、掴んだ肩から指先まで手を滑らせると両手を握った
「俺はアリーが側に居てくれないと生きていけない。アリーが居なければ死んだも同然の情けない男だ。けれど、君が隣に居てくれるのなら何でもやれる自信がある。二度とアリーと離れる事が出来ないんだ。重い男だと思うだろうが‥‥‥
君に見つめられ、触れていないと気が狂ってしまいそうな程に君の事が好きなんだ‥‥許して欲しい」
「ヴィル様」
きっと私よりも辛かったのは彼の方だ
婚約者が突然居なくなり、ブルボマーナまで探しに来て、何処に居るかも分からないまま何ヶ月も探し回った彼の方がずっと辛くて悔しかった筈だ
国の為を思うのなら、私など辞退した方が良いことは解っている
それでも、私はこの真っ直ぐな人を幸せにしたい
彼を失いたくないと思っている
私に使命があるのならば、この人を幸せにする事なのかもしれない
私が持たなければいけない覚悟は、彼を幸せにする覚悟なのだと思っている
「私の想いも、きっと重いと思います」
「いや、まだ軽すぎるよ!もっと重くなってもらわないと困るな。俺には永遠に敵わないと思うけどね!」
ニッコリと嬉しそうに笑うと、何だかすっきりしたような顔をしてまた手を腕に絡めた
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