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ルドルフside1
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ルドルフは、バルヘルムの屋敷へ馬車を走らせていた
父と姉には、予定通りアリアンが亡くなったという事にしておかなければならない
こんなにもアリアンと母のマリアを嫌う理由は何だ?
離宮に通っていた私は、二人が穏やかで優しく美しい女性だということはよく知っていた
人に嫌われるようなところはひとつも無い
父と姉こそ、愚かで醜い生き物に見えていた
けれど、それが私の家族なのだ
切り捨てる事の出来ない家族
筆頭公爵家であり、王族の血を引くバルヘルム家
その跡継ぎである息子の私が絶やすことの出来ない家なのだ
子供の頃から言われ続けてきた
我がバルヘルム家こそ王家に相応しい者だと‥
お前が本当は王に相応しい人物なのだと父に言われていた
王の地位など全く興味が無かった
公爵のこの立場でさえ、手放してしまいたかった
周りに寄って来る者は皆、私の肩書きを見ているようで吐き気がした
15歳の時、父に婚約者を決められた
広大な領地を持つ、財政事情の豊かな侯爵家の娘だった
5歳年下で、気が強く我儘で品の無い娘だった
顔も好みではなかった
こんな女と結婚などしたくない
けれど逃げられない現実だった
18歳になり、父の王宮の仕事に付き添うようになった
父には、仕事を覚えるまでは結婚を待って欲しいと願い出ていた
渋々父は理解してくれたようだ
何とか結婚を引き延ばす事ばかり考えていた
一生あんな女と暮らすのかと思うと頭がおかしくなりそうだった
父と王宮に行くと必ず離宮には近付くなと言われていた
理由も教えてくれないまま、とにかく離宮には行くなと言われ続け、言う通りにしていた
20歳になった時、父と別行動で先に帰るように言われた私はふらっと王宮の庭園を通り抜けてみた
後ろには、白地に金の装飾で品の良い離宮が建っていた
誰も居ない事を確認しながら、離宮の前まで来ていた
離宮には、沢山の花が飾られていた
笑い声がして、離宮の脇から裏に続く庭を歩いた
裏には水色のドレスを着た少女が侍女と何かを話していた
吸い寄せられるように近付くと、少女が白い薔薇を持ったままこちらを振り返った
まるで、一枚の完成された絵のように美しい光景だった
濃紺の夜空のような髪に、白く透き通るような肌、小さく赤い唇、何よりぱっちりとした大きい紫色の綺麗な瞳がキラキラと輝いている
息を呑むとはこのことなのか‥?
何の言葉も出てこない
ただ幼い少女から目が離せないのだ
驚いたように瞳を潤ませ、時折銀色が紫と混じるようにキラキラと輝いて見えるその瞳は私の心を奪ってしまった
「どちら様でございますか?」
侍女は慌てたように少女を背で庇う
侍女は私と同じくらいの歳に見えた
少女は、私の胸ほどの背丈しかない
「驚かせてすまない。宰相の息子のルドルフといいます」
頭を下げると
「宰相様ですって!?」
侍女が余計に少女に体を近付けて守っている
何でこんなに警戒されている?
父は何かこの少女に対して酷い事をしているのか?
「すまない。今の私は父と無関係で、今ここに来ている。話し声が楽しそうだったもので庭が見たくなったんだ。少し庭を見たら帰るよ」
そう言うと、少しだけホッとしたように二人は顔を見合わせた
「アリアン・カスティーヌと申します」
少女は綺麗なカーテシーをしてみせた
その仕草も美しかった
「アリアン様は、おいくつでいらっしゃるのですか?」
「私は10歳でございます」
「そうか‥私と10歳違うのだね」
「ルドルフ様は、20歳なのですね?」
「あぁ、先日なったばかりだよ」
「では、これをお祝いに差し上げますわ。少しお待ちください」
そう言って手に持っていた白い薔薇に、小さなピンクの薔薇や違う花をいくつも合わせて花束を作ってくれた
花に詳しくない私は何の種類かも分からないがとても綺麗だった
「綺麗に育ちましたので、どうぞ」
「いいのかい?」
「ええどうぞ。花は沢山咲いておりますので」
にっこりと微笑んでくれた彼女は、まるで天使のように見えた
大袈裟だと言われたとしても、私にはその時、天使か女神にしか見えなかった
「器用だね!こんなに素敵な花束を作るなんて」
「花は好きですから」
と笑い、可愛らしい幼さと整った顔立ちの美しさを両方兼ねた彼女の姿に私は惚けてしまったのだ
「あの‥お茶をいただいても良いかな?あちらにガゼボが見えるもので、休息させていただいても?」
「‥‥え?‥‥え‥えぇ‥サアラ‥お茶を」
動揺しながらも受け入れてくれた
侍女はお茶の用意に中へ入って行った
突然来て、お茶をねだる者などいないだろう‥
ねだった自分自身が一番驚いていた
でも、もっと話したかった
離れてしまうのが惜しくなったのだ
ガゼボから見る庭は綺麗だった
侍女が自慢の紅茶を淹れてくれ、甘い焼き菓子も出してくれた
アリアンは、その焼き菓子を何個も口に運んでは幸せそうな表情をした
「甘い物が好きなのかな?」
「ええ、大好きです。甘いお菓子なら何個でも食べられます」
なんて可愛らしいんだ
それなら‥
「ねぇ、今度私が街で人気の美味しいお菓子を持ってきてあげるよ。花のお礼だよ」
「本当ですか?」
「あぁ、沢山持って来るから、また来てもいいかな?」
「ええ、お待ちしております」
侍女は嫌そうな顔をした
断りたがっているようだった
でもアリアンは、ただ素直に喜んでいた
アリアンに忘れられないうちに、すぐに街に買いに行こう
今人気の菓子店を探さなくてはいけないな‥
父と姉には、予定通りアリアンが亡くなったという事にしておかなければならない
こんなにもアリアンと母のマリアを嫌う理由は何だ?
離宮に通っていた私は、二人が穏やかで優しく美しい女性だということはよく知っていた
人に嫌われるようなところはひとつも無い
父と姉こそ、愚かで醜い生き物に見えていた
けれど、それが私の家族なのだ
切り捨てる事の出来ない家族
筆頭公爵家であり、王族の血を引くバルヘルム家
その跡継ぎである息子の私が絶やすことの出来ない家なのだ
子供の頃から言われ続けてきた
我がバルヘルム家こそ王家に相応しい者だと‥
お前が本当は王に相応しい人物なのだと父に言われていた
王の地位など全く興味が無かった
公爵のこの立場でさえ、手放してしまいたかった
周りに寄って来る者は皆、私の肩書きを見ているようで吐き気がした
15歳の時、父に婚約者を決められた
広大な領地を持つ、財政事情の豊かな侯爵家の娘だった
5歳年下で、気が強く我儘で品の無い娘だった
顔も好みではなかった
こんな女と結婚などしたくない
けれど逃げられない現実だった
18歳になり、父の王宮の仕事に付き添うようになった
父には、仕事を覚えるまでは結婚を待って欲しいと願い出ていた
渋々父は理解してくれたようだ
何とか結婚を引き延ばす事ばかり考えていた
一生あんな女と暮らすのかと思うと頭がおかしくなりそうだった
父と王宮に行くと必ず離宮には近付くなと言われていた
理由も教えてくれないまま、とにかく離宮には行くなと言われ続け、言う通りにしていた
20歳になった時、父と別行動で先に帰るように言われた私はふらっと王宮の庭園を通り抜けてみた
後ろには、白地に金の装飾で品の良い離宮が建っていた
誰も居ない事を確認しながら、離宮の前まで来ていた
離宮には、沢山の花が飾られていた
笑い声がして、離宮の脇から裏に続く庭を歩いた
裏には水色のドレスを着た少女が侍女と何かを話していた
吸い寄せられるように近付くと、少女が白い薔薇を持ったままこちらを振り返った
まるで、一枚の完成された絵のように美しい光景だった
濃紺の夜空のような髪に、白く透き通るような肌、小さく赤い唇、何よりぱっちりとした大きい紫色の綺麗な瞳がキラキラと輝いている
息を呑むとはこのことなのか‥?
何の言葉も出てこない
ただ幼い少女から目が離せないのだ
驚いたように瞳を潤ませ、時折銀色が紫と混じるようにキラキラと輝いて見えるその瞳は私の心を奪ってしまった
「どちら様でございますか?」
侍女は慌てたように少女を背で庇う
侍女は私と同じくらいの歳に見えた
少女は、私の胸ほどの背丈しかない
「驚かせてすまない。宰相の息子のルドルフといいます」
頭を下げると
「宰相様ですって!?」
侍女が余計に少女に体を近付けて守っている
何でこんなに警戒されている?
父は何かこの少女に対して酷い事をしているのか?
「すまない。今の私は父と無関係で、今ここに来ている。話し声が楽しそうだったもので庭が見たくなったんだ。少し庭を見たら帰るよ」
そう言うと、少しだけホッとしたように二人は顔を見合わせた
「アリアン・カスティーヌと申します」
少女は綺麗なカーテシーをしてみせた
その仕草も美しかった
「アリアン様は、おいくつでいらっしゃるのですか?」
「私は10歳でございます」
「そうか‥私と10歳違うのだね」
「ルドルフ様は、20歳なのですね?」
「あぁ、先日なったばかりだよ」
「では、これをお祝いに差し上げますわ。少しお待ちください」
そう言って手に持っていた白い薔薇に、小さなピンクの薔薇や違う花をいくつも合わせて花束を作ってくれた
花に詳しくない私は何の種類かも分からないがとても綺麗だった
「綺麗に育ちましたので、どうぞ」
「いいのかい?」
「ええどうぞ。花は沢山咲いておりますので」
にっこりと微笑んでくれた彼女は、まるで天使のように見えた
大袈裟だと言われたとしても、私にはその時、天使か女神にしか見えなかった
「器用だね!こんなに素敵な花束を作るなんて」
「花は好きですから」
と笑い、可愛らしい幼さと整った顔立ちの美しさを両方兼ねた彼女の姿に私は惚けてしまったのだ
「あの‥お茶をいただいても良いかな?あちらにガゼボが見えるもので、休息させていただいても?」
「‥‥え?‥‥え‥えぇ‥サアラ‥お茶を」
動揺しながらも受け入れてくれた
侍女はお茶の用意に中へ入って行った
突然来て、お茶をねだる者などいないだろう‥
ねだった自分自身が一番驚いていた
でも、もっと話したかった
離れてしまうのが惜しくなったのだ
ガゼボから見る庭は綺麗だった
侍女が自慢の紅茶を淹れてくれ、甘い焼き菓子も出してくれた
アリアンは、その焼き菓子を何個も口に運んでは幸せそうな表情をした
「甘い物が好きなのかな?」
「ええ、大好きです。甘いお菓子なら何個でも食べられます」
なんて可愛らしいんだ
それなら‥
「ねぇ、今度私が街で人気の美味しいお菓子を持ってきてあげるよ。花のお礼だよ」
「本当ですか?」
「あぁ、沢山持って来るから、また来てもいいかな?」
「ええ、お待ちしております」
侍女は嫌そうな顔をした
断りたがっているようだった
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