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夢か幻か現実か?
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「私の声が聞こえる?」
誰?何処にいるの?
声のする方を見ると一人の女性が立っている
「百人目の血を継ぐ者ね」
何の事?
私は真っ白い空間を漂っているようだった
その女性は目の前まで来ていた
髪は銀色、目の色も銀色、肌は透き通るように白く、折れそうなほど華奢な姿をしている
それはまるで人では無いような、人々が神や女神だと表現するような姿だった
「あなたは気を失って、まだ目覚めるのに時間がかかりそう。私と少し話が出来そうね」
優しく微笑んでいる
「私、生きているのですか?」
「ええ、今回はドルが助けてくれたみたいね」
ドル‥?
「ルドルフよ」
「ルドルフ様ですか?」
「ええ、彼はかつての私の護衛騎士よ」
「護衛騎士ですか?」
「私ね、ある国で神殿に住み、聖女として神の言葉を伝える役目をしていたの。こんな見た目だから恐れる人もいたのよ。その反面、この能力を自分の物にしようと襲う者達も多くいた。それで時の王は私に護衛騎士を付けたの。最初の騎士は二人。シルヴィーとドルフよ。私はヴィとドルと呼んでいたわ」
「ヴィとドル‥」
「あなたの側に居るわ。ヴィルとルドルフよ」
「最初というのは、次がいるのですか?」
「そうなの。ヴィとドルは、良家の跡取り息子で見目も良かったから縁談が絶えなかったようで、彼らの父親は護衛騎士を辞めさせて家の跡継ぎの為、妻を娶らせたかったようなの。当たり前よね。それで、父親の願いを王は受け入れ、新たに二人の護衛騎士が選ばれたのよ。それが、スペンとマーフォートだった。
フフフッ面白いでしょ?今のスペンサーとサマフォートよ」
「え?父と伯父様?」
「そうよ。でもね、後任のスペンとマーフォートが神殿にやって来ても、ヴィとドルは辞めなかった。父親が連れ戻しに来ても断ってしまって、私の護衛を続けたのよ。四人とも穏やかで優しくて楽しい人だったわ。私、こんな見た目で不思議な能力があるせいで、人と深く関わる事が無かったの。だから四人が私を一人の人間として接してくれることが本当に嬉しかったのよ。毎日がとても楽しかったわ本当に」
「はぁ‥そうなのですね‥」
「ごめんなさい。私、人と話すのは久しぶりで嬉しくて。自分の話ばかりでごめんなさい」
「いえ、そんな大丈夫です。初めて聞いて驚きました」
「そうよね」
姿は女神のように神々しく美しい人なのに、とても可愛らしくて何だか‥母のようだと思った
「でも、ここからが聞いて欲しい事なの」
「私にですか?」
「ええ、覚えていられるか分からないけど、今の貴女にしか出来ない事だから」
「私に出来る事があるのですか?」
言うと同時に真っ白い空間に大きな映像が映し出された
そこには目の前の聖女が神殿に立ち、その前に跪く四人の騎士が居た
手に剣を持ち、騎士の誓いを立てているようだ
「彼ら四人は、私に騎士の誓いを立てた。未来永劫、聖女の魂がこの世にある限り必ず側でお守りすると神に誓ったの」
「未来永劫ですか?」
「ええ、そうなの。彼らは自分の人生を犠牲にして私の側で護衛する事を選んだ。あなたで私の血を継ぐ百人目。私の血を受け継ぐ者が生まれる限り、彼らは必ず私を見つけ出し側を離れない。彼らをもう解放してあげて欲しいの。そして私も天に帰りたいわ」
「天に帰る‥ですか?」
「私ね、天の使いだったのよ。この世には時々、神の使いが人の姿形をして現れる事があるの。私は神の言葉を伝える役目を終えたら神の元へ戻らなければいけなかったのよ。なのに私はそれを忘れてしまった。そして、隣国の大帝国の皇帝のもとへ連れて行かれてしまった。四人の私の護衛騎士達は殺され、私は皇帝の妾となり子を産んだのよ。その瞬間、銀色の髪は黒くなり、銀色の目は紫色に変わった。神の怒りを買ってしまったのね。神の声は二度と聞こえなくなったわ。人の子を産んではいけなかったのよ。見た目が変わった私を皆は悪魔だと言い出した。でも、皇帝だけは、変わらずに私を深く愛してくれていたわ‥」
「天使だったあなたが人間になったという事ですか?」
「知らずに罪を犯してしまったの」
「どうしたらあなたは天に戻れるのですか?」
「あなたは私と一体よ。あなたがもう子を産まないこと。私の血を受け継ぐ者を出さない事よ。そうすれば、四人の騎士も私も皇帝も永い呪縛から解放されるわ。でもね‥私何度も騎士や皇帝から離れようとするのだけど、どうしても見つかってしまうのよ。そして記憶の無い私は彼らの愛を受け入れ、彼らの子を産んでしまう。私の子は必ず娘で、私と同じ紫色の目を継いでいる」
「待ってください、ラリー伯父様は母の兄です。男の子が生まれたのではないですか?」
「いいえ、ラリーは私の息子では無いのよ。マリアとは兄妹では無い。ベルラードの前妻の子よ。でもレイラは息子として育ててその事は一切伝えなかった。ラリーは知らないままよ」
「そうなのですね‥」
「彼の子を産まないように、無意識に教えなかったのかもしれないわ。でも、スペンの側妃になってしまったものね」
と少し笑った
「彼らの愛は深いわ。人間とは何に対しても執着というものが強いの。天の者達には理解出来ない程にね。私は永い間、人間を見てきて思ったの。物への執着、お金への執着、地位への執着、人への執着、何故か何かに執着しているわ。手放せないのが人間のようね。あなたには、彼らの愛を終わらせる事が出来るかしら?でもきっと、目覚めると私の事は忘れてしまうわ。その全ての話も‥人間には覚えていられないでしょうね」
「あの、あなたのお名前を教えていただいても?」
「ルリアースレイサー、神がくれた名よ。この星はルリの色だそうよ。そしてアースは星の名だと。レイサーとは色々な星を乗り継ぎ神の声を届ける役目の私の名よ」
「ルリアースレイサー‥」
「私の騎士達四人は、騎士の誓いで私の名を欲しいと言ったわ。シルヴィーとドルフは、頭文字のルを二人の間に挟んで、ヴィル・ルドルフと改名し、スペンとマーフォートは、最後の一文字のサを間に挟み、スペンサー・サマフォートと改名した。私達がいつもひとつである事を誓ったの」
「あの、あなたが最初の子を産んだ皇帝の名は‥」
「ベルラードよ」
「ベルラード?」
「あなたの祖父として生まれ変わっていた。ベルラードもまた、私を永遠に愛すると誓いを立てた。私は皇帝の妻である女性に酷く恨まれて毒を盛られて殺されてしまったけれどね。人の嫉妬とは恐ろしいものね。この世は執着と嫉妬だらけよ。私はもう、天に戻りたいわ」
「私はこの事を覚えていられるでしょうか?」
「いいえ、たぶん人の意識を取り戻すと私の存在は忘れてしまうでしょうね。今までもずっとその繰り返しですもの」
「そうなのですね‥」
「この世界の愛は美しくて素晴らしい、けれど愛とは重くて天に帰してくれないものなのよ」
周りが突然光り出す
真っ白い空間が金の光で包まれる
「目覚めの時間ね‥」
え?
冷たい‥
何か冷たい感覚がした
誰?何処にいるの?
声のする方を見ると一人の女性が立っている
「百人目の血を継ぐ者ね」
何の事?
私は真っ白い空間を漂っているようだった
その女性は目の前まで来ていた
髪は銀色、目の色も銀色、肌は透き通るように白く、折れそうなほど華奢な姿をしている
それはまるで人では無いような、人々が神や女神だと表現するような姿だった
「あなたは気を失って、まだ目覚めるのに時間がかかりそう。私と少し話が出来そうね」
優しく微笑んでいる
「私、生きているのですか?」
「ええ、今回はドルが助けてくれたみたいね」
ドル‥?
「ルドルフよ」
「ルドルフ様ですか?」
「ええ、彼はかつての私の護衛騎士よ」
「護衛騎士ですか?」
「私ね、ある国で神殿に住み、聖女として神の言葉を伝える役目をしていたの。こんな見た目だから恐れる人もいたのよ。その反面、この能力を自分の物にしようと襲う者達も多くいた。それで時の王は私に護衛騎士を付けたの。最初の騎士は二人。シルヴィーとドルフよ。私はヴィとドルと呼んでいたわ」
「ヴィとドル‥」
「あなたの側に居るわ。ヴィルとルドルフよ」
「最初というのは、次がいるのですか?」
「そうなの。ヴィとドルは、良家の跡取り息子で見目も良かったから縁談が絶えなかったようで、彼らの父親は護衛騎士を辞めさせて家の跡継ぎの為、妻を娶らせたかったようなの。当たり前よね。それで、父親の願いを王は受け入れ、新たに二人の護衛騎士が選ばれたのよ。それが、スペンとマーフォートだった。
フフフッ面白いでしょ?今のスペンサーとサマフォートよ」
「え?父と伯父様?」
「そうよ。でもね、後任のスペンとマーフォートが神殿にやって来ても、ヴィとドルは辞めなかった。父親が連れ戻しに来ても断ってしまって、私の護衛を続けたのよ。四人とも穏やかで優しくて楽しい人だったわ。私、こんな見た目で不思議な能力があるせいで、人と深く関わる事が無かったの。だから四人が私を一人の人間として接してくれることが本当に嬉しかったのよ。毎日がとても楽しかったわ本当に」
「はぁ‥そうなのですね‥」
「ごめんなさい。私、人と話すのは久しぶりで嬉しくて。自分の話ばかりでごめんなさい」
「いえ、そんな大丈夫です。初めて聞いて驚きました」
「そうよね」
姿は女神のように神々しく美しい人なのに、とても可愛らしくて何だか‥母のようだと思った
「でも、ここからが聞いて欲しい事なの」
「私にですか?」
「ええ、覚えていられるか分からないけど、今の貴女にしか出来ない事だから」
「私に出来る事があるのですか?」
言うと同時に真っ白い空間に大きな映像が映し出された
そこには目の前の聖女が神殿に立ち、その前に跪く四人の騎士が居た
手に剣を持ち、騎士の誓いを立てているようだ
「彼ら四人は、私に騎士の誓いを立てた。未来永劫、聖女の魂がこの世にある限り必ず側でお守りすると神に誓ったの」
「未来永劫ですか?」
「ええ、そうなの。彼らは自分の人生を犠牲にして私の側で護衛する事を選んだ。あなたで私の血を継ぐ百人目。私の血を受け継ぐ者が生まれる限り、彼らは必ず私を見つけ出し側を離れない。彼らをもう解放してあげて欲しいの。そして私も天に帰りたいわ」
「天に帰る‥ですか?」
「私ね、天の使いだったのよ。この世には時々、神の使いが人の姿形をして現れる事があるの。私は神の言葉を伝える役目を終えたら神の元へ戻らなければいけなかったのよ。なのに私はそれを忘れてしまった。そして、隣国の大帝国の皇帝のもとへ連れて行かれてしまった。四人の私の護衛騎士達は殺され、私は皇帝の妾となり子を産んだのよ。その瞬間、銀色の髪は黒くなり、銀色の目は紫色に変わった。神の怒りを買ってしまったのね。神の声は二度と聞こえなくなったわ。人の子を産んではいけなかったのよ。見た目が変わった私を皆は悪魔だと言い出した。でも、皇帝だけは、変わらずに私を深く愛してくれていたわ‥」
「天使だったあなたが人間になったという事ですか?」
「知らずに罪を犯してしまったの」
「どうしたらあなたは天に戻れるのですか?」
「あなたは私と一体よ。あなたがもう子を産まないこと。私の血を受け継ぐ者を出さない事よ。そうすれば、四人の騎士も私も皇帝も永い呪縛から解放されるわ。でもね‥私何度も騎士や皇帝から離れようとするのだけど、どうしても見つかってしまうのよ。そして記憶の無い私は彼らの愛を受け入れ、彼らの子を産んでしまう。私の子は必ず娘で、私と同じ紫色の目を継いでいる」
「待ってください、ラリー伯父様は母の兄です。男の子が生まれたのではないですか?」
「いいえ、ラリーは私の息子では無いのよ。マリアとは兄妹では無い。ベルラードの前妻の子よ。でもレイラは息子として育ててその事は一切伝えなかった。ラリーは知らないままよ」
「そうなのですね‥」
「彼の子を産まないように、無意識に教えなかったのかもしれないわ。でも、スペンの側妃になってしまったものね」
と少し笑った
「彼らの愛は深いわ。人間とは何に対しても執着というものが強いの。天の者達には理解出来ない程にね。私は永い間、人間を見てきて思ったの。物への執着、お金への執着、地位への執着、人への執着、何故か何かに執着しているわ。手放せないのが人間のようね。あなたには、彼らの愛を終わらせる事が出来るかしら?でもきっと、目覚めると私の事は忘れてしまうわ。その全ての話も‥人間には覚えていられないでしょうね」
「あの、あなたのお名前を教えていただいても?」
「ルリアースレイサー、神がくれた名よ。この星はルリの色だそうよ。そしてアースは星の名だと。レイサーとは色々な星を乗り継ぎ神の声を届ける役目の私の名よ」
「ルリアースレイサー‥」
「私の騎士達四人は、騎士の誓いで私の名を欲しいと言ったわ。シルヴィーとドルフは、頭文字のルを二人の間に挟んで、ヴィル・ルドルフと改名し、スペンとマーフォートは、最後の一文字のサを間に挟み、スペンサー・サマフォートと改名した。私達がいつもひとつである事を誓ったの」
「あの、あなたが最初の子を産んだ皇帝の名は‥」
「ベルラードよ」
「ベルラード?」
「あなたの祖父として生まれ変わっていた。ベルラードもまた、私を永遠に愛すると誓いを立てた。私は皇帝の妻である女性に酷く恨まれて毒を盛られて殺されてしまったけれどね。人の嫉妬とは恐ろしいものね。この世は執着と嫉妬だらけよ。私はもう、天に戻りたいわ」
「私はこの事を覚えていられるでしょうか?」
「いいえ、たぶん人の意識を取り戻すと私の存在は忘れてしまうでしょうね。今までもずっとその繰り返しですもの」
「そうなのですね‥」
「この世界の愛は美しくて素晴らしい、けれど愛とは重くて天に帰してくれないものなのよ」
周りが突然光り出す
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「目覚めの時間ね‥」
え?
冷たい‥
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