【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される

風子

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サリーの思い

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サリーはいつも思っていた
アリーは驚くほどに美人だ
肌は白く滑らかで瞳は綺麗な紫色
鼻筋も通って唇だって形が良い
まるで人形のような顔立ちで、女性なら誰もが憧れる容姿をしている
男達が会いたがるのもわかる
でも当の本人は全く自覚が無いようだ
いつも控えめで鼻にかけることも無い
それどころか自己評価が低いのだ
過去に辛い事が何かあったせいだと思うが、あまり聞かないようにしている
突然やって来たのだから何か理由があるはずだ
アリーのしぐさや立ち振る舞いは貴族のものだ
こんなに美人なのに勿体ない
ドレスを着ればどこぞの国のお姫様だと言われてもおかしくないのに
毎日洗濯と皿洗い、汚い床を掃除しているのだ
よほど複雑な事情があるのだろう

「ねぇアリー、今日俺と一緒に夕食どう?」
「おい!抜け駆けすんなよ」
「お前こそ邪魔するなよ」
「ちょっと待て!俺もアリーと食事したい」
「二人で食べたいんだよ」
「何言ってんだよ」
「そんなの許さねーぞ」

「ちょっとあんた達!」

サリーと皆んなが睨み合っている

私はこんな時、いつもどうしたらいいのかわからない
人との関わりが今までなかったせいでうまく対応することができないのだ
サリーはそんな私をいつも気遣ってくれて、よく間に入ってくれる

「アリーを困らせないで」

「サリーこそ何でいつも邪魔ばかりしてくるんだよ」

声が大きくなったところで
パンッパンッと手を叩く音が響く

「さぁ仕事仕事!今日の仕込みは大変なんだ」

コックのダンの一言で静まりまた作業に取り掛かる
こんなに賑やかな生活は初めてで、私はこの生活に慣れ始めてきていた
もう王女だった頃のことは忘れようと努力していたのだ
けれど昨日、忘れようと諦めようとしていた人に会ってしまった
昨夜のことを思い出すと胸が苦しくなる
もう隣に立つことなどできなくなった私は会う資格さえないのに
なかったのに‥
会ってしまった‥

今日ヴィルドルフ様は来られるのかしら
来られなかったらどうしよう‥
来られたらどうしたらいいの‥

何とも複雑な心境のまま時間だけが過ぎて行った
夜になるにつれ胸の高鳴りが抑えられなくなっていった

「アリーやっぱり風邪?顔赤いよ」

レイに覗き込まれる

「違うの、大丈夫よ」

「熱があるんじゃない?」

「アリーが熱!?」
周りが騒ぎ出す

「今日はもう休んだ方がいいよ!」
「俺が部屋に連れて行くよ」
「何でだよ、俺が送るよ」
「待てよ、俺の方が安全だ」
「どーいうことだよ」

なぜか私の嘘の風邪で揉め事になってしまった
全く熱は無いのに申し訳なくなる

「ちょっと!一人で部屋に行く方がずっと安全よ。アリー大丈夫?」

「ありがとうサリー、心配かけてごめんなさい。
今日はもう休ませてもらうわ
ゆっくり寝れば治ると思うから皆んな心配かけてごめんなさい」

頭を下げると皆んなが心配そうに声を掛けてくれる

「アリーきっと疲れが出たのよ
ゆっくり休んで」

嘘が居た堪れないが仕事が手につかないようでは迷惑を掛けてしまうだけ

今日は時間まで部屋でヴィルドルフ様と会う心の準備でもしよう

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