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番外編 5人の子供達(前)
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クリスマス編から3年後。
今回は第三者視点です。
会話は『』は英語「」は日本語で話しています。
ーーーーーーーーーー
がやがやと朝のHRが始まる前の廊下を教室に向かい4人で歩いていく。
『おはよう!今日もユーリとツバキは朝からお熱いね』
『もちろん、番になったし毎日が幸せだよ』
にっこりと返事をする有理にからかいの口笛を吹かれるのも何のその、気にせず椿の頬にキスする有理は良規に似た美貌で人気がある生徒の1人だ。
というか有理と伊月コピーの椿、瀬名に似た藤、大してどちらにも似なかった美少女の麗羅は学校で美形カルテットと呼ばれている存在だ。
4人が日本から越して入学した学校は、奨学金で通う事がNGで、ある程度資産が無いと入れないほどのバカ高い授業料と、毎年安くはない金額の寄付をしなければいけない所謂セレブ校だ。
そして「椿と同じ学年で通うんだ!」と騒いだ3人が飛び級で椿と同じ学年で入学、理由は藤と有理は「椿が心配だから」で麗羅は「これ以上飛び級したら早く馬車馬のように働かなきゃいけなくなるから」だ。
実は4人の中で一番頭が良い麗羅は、13歳の時点で大学へ飛び級できたのだが、「早く働きたくない」と言って今に至る。しかし、幼い頃からプログラムなどを自分で組み上げたりと腕前はかなりのもので数年前から時々良規の会社「TONOセキュリティ」でホワイトハッカーとして仕事をしている。
結局働いているのだが、本人曰く「趣味」らしい。
そして椿が18になり先日の発情期で番になった有理は浮かれていた。ずっと椿と番になりたいと思っていてやっと両親の許可が出て番ったからだ。
但し、浮かれた有理の機嫌を急降下させる人物がいる。それがΩの生徒だ。
椿の場合番が出来た時点で、誰とも番えないので言い寄って来ていた生徒も諦めて誘われなくなったのだが、αは複数のΩと番えるとあって有理に擦り寄るΩは減らなかったのだ。
学校の中でも金持ちのヒエラルキーというものがあり、上位のΩはその気が無いのが分かると時間の無駄だと別のαに目を付けたりするのだが、ギリギリ通えるくらいの家庭のΩは良い家柄のαに番ってもらおうとしつこく寄ってくるのだ。そのαに番がいようと気にせず2番目3番目を狙いグイグイ来るのでたちが悪い。
αは上位になればなるほど番を大事にするので相手にしないのだが、「1人の番を大事にする」という意味を「複数でも番になったら大事にされる」と勘違いしているのでさらにたちが悪い。
藤は今のところ恋人を作るつもりが無いらしく、発情期は絶対付き合わないと決めて遊んでいるからかワンチャン狙いのΩはいても本気で番になろうとするΩは殆ど寄って来ない。
麗羅に至っては「仕事に生きるから番も子供を作らない」と宣言し周りに意識を向けていなかったが、1人だけ条件に合うからと囲い始めている。
そうなると一途な有理に群がるのは必然で、椿が隣にいない時を見計らって突撃してくるのだ。
なかでも3年前から突撃してきていたミアはアピールが凄かったが、最近他のαに追いかけられているので来なくなった。
『あなた達の場所分かり易くていいわぁ』
そう言って話しかけてくるのは麗羅の友人のミシェル。βで気さくな彼女は、αやΩといった色メガネで見ない貴重な人物だ。
『ミシェルが話しかけてくるって事はレポートでしょ』
『正解♪今回の物理のレポート難しくてぇ。レイラ得意じゃない。ランチ奢るからさ』
仕方ないと教室に入り鞄からパソコンを出し開き、レポートを見せると物凄い勢いで打っていく。バレないようにニュアンスを変え提出する器用さはいつ見ても感心する。
『ところでレイラ達は日本の大学に行くの?』
『私は行かないわよ』
打ちながら聞いてくるミシェルに返事をする。
『日本は飛び級制度が無いから16だと通えないのよ』
『へえ、そうなんだ』
『椿は1年遅らせて有理と日本で大学に行くみたい。それに合わせてうちの両親も本社に戻るんだって』
実は有理と麗羅の父親である良規は、中高と海外に住んでいて日本に帰って大学に通っていた。息子である有理も両親と同じ大学に行き、産科医を目指し医学部に入ろうとしている。
それを聞いて瀬名が「なんかヤダなぁ」とボヤいていたとかいないとか。
『藤は?』
『藤はこっちで経済系の学部に進むって』
既に数社会社を任されている藤は大学卒業後に帰国し、伊月に付いて仕事を覚える予定になっている。
『カルテットもバラバラになっちゃうのね。寂しいわ』
『そんなもんよ』
ずっと兄妹のように育ってきたから来年から少し寂しくなるが、ハトコ同士なので縁が切れるわけでもないので麗羅はあまり気にしていない。むしろ何かあったら日本からでも飛んで来そうなので、迂闊な事を報告出来ないなとは思っている。
『まあ、うちらは大丈夫よ。問題は末っ子よね……』
ボソッとひとりごちついたため息は誰にも見られる事はなかった。
◇◇◇◇◇
麗羅のため息の原因、末っ子桜花はスクールから帰宅する車の中からぷりぷり怒っていた。
「もうやんなっちゃう!」
3年前よりはすっきりしたが、まだ丸みがある頬をぷっくり膨らませている。
「桜花、可愛い顔が台無しだぞ。……でも困ったなぁ」
ーーーーーーーーーー
☆子供達情報☆
もしかしたら気づかれた方もいるかもしれませんが、藤と有理は上位α、麗羅は希少種αです。
麗羅めっちゃ頭がいいです。
友人のミシェルはレポートを見せてといつもせがんでいますが、麗羅の高レベルなレポートを理解できるくらい頭が良いです。
藤は将来αの女性と結婚するという幻の設定。
今回は第三者視点です。
会話は『』は英語「」は日本語で話しています。
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がやがやと朝のHRが始まる前の廊下を教室に向かい4人で歩いていく。
『おはよう!今日もユーリとツバキは朝からお熱いね』
『もちろん、番になったし毎日が幸せだよ』
にっこりと返事をする有理にからかいの口笛を吹かれるのも何のその、気にせず椿の頬にキスする有理は良規に似た美貌で人気がある生徒の1人だ。
というか有理と伊月コピーの椿、瀬名に似た藤、大してどちらにも似なかった美少女の麗羅は学校で美形カルテットと呼ばれている存在だ。
4人が日本から越して入学した学校は、奨学金で通う事がNGで、ある程度資産が無いと入れないほどのバカ高い授業料と、毎年安くはない金額の寄付をしなければいけない所謂セレブ校だ。
そして「椿と同じ学年で通うんだ!」と騒いだ3人が飛び級で椿と同じ学年で入学、理由は藤と有理は「椿が心配だから」で麗羅は「これ以上飛び級したら早く馬車馬のように働かなきゃいけなくなるから」だ。
実は4人の中で一番頭が良い麗羅は、13歳の時点で大学へ飛び級できたのだが、「早く働きたくない」と言って今に至る。しかし、幼い頃からプログラムなどを自分で組み上げたりと腕前はかなりのもので数年前から時々良規の会社「TONOセキュリティ」でホワイトハッカーとして仕事をしている。
結局働いているのだが、本人曰く「趣味」らしい。
そして椿が18になり先日の発情期で番になった有理は浮かれていた。ずっと椿と番になりたいと思っていてやっと両親の許可が出て番ったからだ。
但し、浮かれた有理の機嫌を急降下させる人物がいる。それがΩの生徒だ。
椿の場合番が出来た時点で、誰とも番えないので言い寄って来ていた生徒も諦めて誘われなくなったのだが、αは複数のΩと番えるとあって有理に擦り寄るΩは減らなかったのだ。
学校の中でも金持ちのヒエラルキーというものがあり、上位のΩはその気が無いのが分かると時間の無駄だと別のαに目を付けたりするのだが、ギリギリ通えるくらいの家庭のΩは良い家柄のαに番ってもらおうとしつこく寄ってくるのだ。そのαに番がいようと気にせず2番目3番目を狙いグイグイ来るのでたちが悪い。
αは上位になればなるほど番を大事にするので相手にしないのだが、「1人の番を大事にする」という意味を「複数でも番になったら大事にされる」と勘違いしているのでさらにたちが悪い。
藤は今のところ恋人を作るつもりが無いらしく、発情期は絶対付き合わないと決めて遊んでいるからかワンチャン狙いのΩはいても本気で番になろうとするΩは殆ど寄って来ない。
麗羅に至っては「仕事に生きるから番も子供を作らない」と宣言し周りに意識を向けていなかったが、1人だけ条件に合うからと囲い始めている。
そうなると一途な有理に群がるのは必然で、椿が隣にいない時を見計らって突撃してくるのだ。
なかでも3年前から突撃してきていたミアはアピールが凄かったが、最近他のαに追いかけられているので来なくなった。
『あなた達の場所分かり易くていいわぁ』
そう言って話しかけてくるのは麗羅の友人のミシェル。βで気さくな彼女は、αやΩといった色メガネで見ない貴重な人物だ。
『ミシェルが話しかけてくるって事はレポートでしょ』
『正解♪今回の物理のレポート難しくてぇ。レイラ得意じゃない。ランチ奢るからさ』
仕方ないと教室に入り鞄からパソコンを出し開き、レポートを見せると物凄い勢いで打っていく。バレないようにニュアンスを変え提出する器用さはいつ見ても感心する。
『ところでレイラ達は日本の大学に行くの?』
『私は行かないわよ』
打ちながら聞いてくるミシェルに返事をする。
『日本は飛び級制度が無いから16だと通えないのよ』
『へえ、そうなんだ』
『椿は1年遅らせて有理と日本で大学に行くみたい。それに合わせてうちの両親も本社に戻るんだって』
実は有理と麗羅の父親である良規は、中高と海外に住んでいて日本に帰って大学に通っていた。息子である有理も両親と同じ大学に行き、産科医を目指し医学部に入ろうとしている。
それを聞いて瀬名が「なんかヤダなぁ」とボヤいていたとかいないとか。
『藤は?』
『藤はこっちで経済系の学部に進むって』
既に数社会社を任されている藤は大学卒業後に帰国し、伊月に付いて仕事を覚える予定になっている。
『カルテットもバラバラになっちゃうのね。寂しいわ』
『そんなもんよ』
ずっと兄妹のように育ってきたから来年から少し寂しくなるが、ハトコ同士なので縁が切れるわけでもないので麗羅はあまり気にしていない。むしろ何かあったら日本からでも飛んで来そうなので、迂闊な事を報告出来ないなとは思っている。
『まあ、うちらは大丈夫よ。問題は末っ子よね……』
ボソッとひとりごちついたため息は誰にも見られる事はなかった。
◇◇◇◇◇
麗羅のため息の原因、末っ子桜花はスクールから帰宅する車の中からぷりぷり怒っていた。
「もうやんなっちゃう!」
3年前よりはすっきりしたが、まだ丸みがある頬をぷっくり膨らませている。
「桜花、可愛い顔が台無しだぞ。……でも困ったなぁ」
ーーーーーーーーーー
☆子供達情報☆
もしかしたら気づかれた方もいるかもしれませんが、藤と有理は上位α、麗羅は希少種αです。
麗羅めっちゃ頭がいいです。
友人のミシェルはレポートを見せてといつもせがんでいますが、麗羅の高レベルなレポートを理解できるくらい頭が良いです。
藤は将来αの女性と結婚するという幻の設定。
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