37 / 66
確信犯
しおりを挟む
「ちょっと待っててね」
ぼんやりとした中伊月さんの声が聞こえ気配が消えると、キスとフェロモンでぼやけていた意識が段々とはっきりしてくる。手に触れている部分がやけにふかふかで起き上がり見るとやたら大きなベッドだった。
キングサイズくらいありそうなベッドがあまりにも弾力があるのからつい両手で押してふかふか具合を確認してしまう。
ぎゅっ
ふかっ
ぎゅっ
ふかっ
ぎゅっぎゅっ
ふかかっ
(やばい、これ癖になりそう)
ぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっふかふかふかふか……
「なーに可愛い事してるの」
つい夢中でふかふかしているとドアの所に伊月さんが立っていた。
「つい」
触り心地が良くてつい夢中になってしまったのが気まずい。が、何でこんな所に連れてこられたのか問い質さないと!
や、嘘です。気付いてました。セックスする為に連れてこられたんだよな。恥ずかしすぎてベッドの触り心地に逃げてたよ。
かーっと赤くなったであろう俺の手を引かれ隣の部屋に連れて行かれると、そこは大きなベッドだけがやけに目立つ先ほどの部屋とは違い、シャンデリアが垂れ下がる豪華だが品のあるリビングの様な所だった。
「すご……」
一般ピーポーなご家庭の子の第一声はこんなもんよ。キラキラと陽の光に反射するシャンデリア、本皮でワイン色したそこでも寝れそうなくらい大きなソファー、足先がクルンとなっている重厚なテーブル、その下の大理石の床に毛足が長い薄いブルーグレイの絨毯、壁側にはバーカウンター、そしてグランドピアノまで置いてある。入り口らしき扉の他にさっきの部屋も入れてドアが4つあるのは風呂トイレ以外の部屋もあるという事だろう。
こんな凄いトコ急に行って空いてるもんなのか?
―――――否、確信犯か。
伊月さんは初めから研究所の帰りに此処へ来るつもりだったんだな。俺の運命の番の話の勢いで来たけど性格的にもっとスマートに誘導したかっただろうに動揺のあまり……ってとこか?失敗したなーって思ってるんだろな。ずっと眉尻が下がってるし。
「ごめんね、つい勢いで連れて来ちゃった」
大きな弾力のあるソファーに隣同士で座ると頭を撫でながら謝ってくる。
「驚いたけど別にいいよ」
「本当にごめん。瀬名の運命の番がいるって突き付けられて動揺した。よく考えれば僕にいるんだもん瀬名にもいるよね。でもまさか既に近くにいるとは思わなくて」
確かに。俺も自分の運命の番が百夢とは思わなんだ。それに親兄弟で運命とか全く聞いた事が無かった。
「俺も百夢がそうだとは知らなかったし親兄弟でそんな事があるってのも知らなかった」
「そうそう無い事だから。知識が無い人が知ると混乱を招くし、奇異の目で見られかねないからね。僕は産科医志望だから詳しく習ったよ」
驚いた、イメージ的に一番縁遠そうな感じなのに。どっちかというと外科や整形外科とか似合いそう。あと美容整形外科。
(瀬名、伊月の美容整形外科医を脳内妄想)
『今日はどのような希望ですか?』
『私、いくらかかってもいいので先生の好みの顔になりたいんです!』
『ではこことここ、形や大きさはこんな感じですね』
『じゃあそれでお願いします!』
『わかりました』
『あの先生、先生好みになったら付き合ってくれますか?』
『困りましたね、あなたと同じ事を言ってくる方が多数いるんですよ。◯番目ですけどいいですか?(にっこり)』
『はいっ!(ポッ)』
―――――ダメだ、美容整形外科医はいかん!
「なんか酷い妄想している気がするなぁ」
「エスパー⁉」
「いや、瀬名が分かり易いだけだからね」
「むふー、じゃあ何で産科医なの?」
「もちろん僕と瀬名の子を自分で取り上げたいからだよ」
「動機が俺との子供だけで産科医⁉」
「だって瀬名のここ他のヤツに見られるなんて……そいつ殺したくなる」
そう言って腰に回していた手をすっと腰から撫でながら中指だけ力を入れ尻の間をなぞるように何度も擦る。それが風呂場で行われている行為を思い出させるような触り方で、受け入れるソコがヒクついて男Ω特有の液がじんわりと溢れる感触がして慌てて身を捩る。
「物騒!そしてそこ触ったら……っ」
「触ったら?」
「…………う」
「なに?」
「……ちゃう」
「ごめん、もう一度言って」
あまりにも小さな声で言ったものだから伊月さんには聞こえなかったようだ。今度は聞き逃さないようにと耳を寄せてきた。恥ずかしくてもう言いたくないが、言わないと触られ続けそうだし……話したら止めてくれよ!
「いっ…伊月さんがさわっるから、……濡れちゃぅ」
「!!よし!濡れないように風呂場に行こう!」
しまった!止めるどころか先に進もうとしとるがな!
ぼんやりとした中伊月さんの声が聞こえ気配が消えると、キスとフェロモンでぼやけていた意識が段々とはっきりしてくる。手に触れている部分がやけにふかふかで起き上がり見るとやたら大きなベッドだった。
キングサイズくらいありそうなベッドがあまりにも弾力があるのからつい両手で押してふかふか具合を確認してしまう。
ぎゅっ
ふかっ
ぎゅっ
ふかっ
ぎゅっぎゅっ
ふかかっ
(やばい、これ癖になりそう)
ぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっふかふかふかふか……
「なーに可愛い事してるの」
つい夢中でふかふかしているとドアの所に伊月さんが立っていた。
「つい」
触り心地が良くてつい夢中になってしまったのが気まずい。が、何でこんな所に連れてこられたのか問い質さないと!
や、嘘です。気付いてました。セックスする為に連れてこられたんだよな。恥ずかしすぎてベッドの触り心地に逃げてたよ。
かーっと赤くなったであろう俺の手を引かれ隣の部屋に連れて行かれると、そこは大きなベッドだけがやけに目立つ先ほどの部屋とは違い、シャンデリアが垂れ下がる豪華だが品のあるリビングの様な所だった。
「すご……」
一般ピーポーなご家庭の子の第一声はこんなもんよ。キラキラと陽の光に反射するシャンデリア、本皮でワイン色したそこでも寝れそうなくらい大きなソファー、足先がクルンとなっている重厚なテーブル、その下の大理石の床に毛足が長い薄いブルーグレイの絨毯、壁側にはバーカウンター、そしてグランドピアノまで置いてある。入り口らしき扉の他にさっきの部屋も入れてドアが4つあるのは風呂トイレ以外の部屋もあるという事だろう。
こんな凄いトコ急に行って空いてるもんなのか?
―――――否、確信犯か。
伊月さんは初めから研究所の帰りに此処へ来るつもりだったんだな。俺の運命の番の話の勢いで来たけど性格的にもっとスマートに誘導したかっただろうに動揺のあまり……ってとこか?失敗したなーって思ってるんだろな。ずっと眉尻が下がってるし。
「ごめんね、つい勢いで連れて来ちゃった」
大きな弾力のあるソファーに隣同士で座ると頭を撫でながら謝ってくる。
「驚いたけど別にいいよ」
「本当にごめん。瀬名の運命の番がいるって突き付けられて動揺した。よく考えれば僕にいるんだもん瀬名にもいるよね。でもまさか既に近くにいるとは思わなくて」
確かに。俺も自分の運命の番が百夢とは思わなんだ。それに親兄弟で運命とか全く聞いた事が無かった。
「俺も百夢がそうだとは知らなかったし親兄弟でそんな事があるってのも知らなかった」
「そうそう無い事だから。知識が無い人が知ると混乱を招くし、奇異の目で見られかねないからね。僕は産科医志望だから詳しく習ったよ」
驚いた、イメージ的に一番縁遠そうな感じなのに。どっちかというと外科や整形外科とか似合いそう。あと美容整形外科。
(瀬名、伊月の美容整形外科医を脳内妄想)
『今日はどのような希望ですか?』
『私、いくらかかってもいいので先生の好みの顔になりたいんです!』
『ではこことここ、形や大きさはこんな感じですね』
『じゃあそれでお願いします!』
『わかりました』
『あの先生、先生好みになったら付き合ってくれますか?』
『困りましたね、あなたと同じ事を言ってくる方が多数いるんですよ。◯番目ですけどいいですか?(にっこり)』
『はいっ!(ポッ)』
―――――ダメだ、美容整形外科医はいかん!
「なんか酷い妄想している気がするなぁ」
「エスパー⁉」
「いや、瀬名が分かり易いだけだからね」
「むふー、じゃあ何で産科医なの?」
「もちろん僕と瀬名の子を自分で取り上げたいからだよ」
「動機が俺との子供だけで産科医⁉」
「だって瀬名のここ他のヤツに見られるなんて……そいつ殺したくなる」
そう言って腰に回していた手をすっと腰から撫でながら中指だけ力を入れ尻の間をなぞるように何度も擦る。それが風呂場で行われている行為を思い出させるような触り方で、受け入れるソコがヒクついて男Ω特有の液がじんわりと溢れる感触がして慌てて身を捩る。
「物騒!そしてそこ触ったら……っ」
「触ったら?」
「…………う」
「なに?」
「……ちゃう」
「ごめん、もう一度言って」
あまりにも小さな声で言ったものだから伊月さんには聞こえなかったようだ。今度は聞き逃さないようにと耳を寄せてきた。恥ずかしくてもう言いたくないが、言わないと触られ続けそうだし……話したら止めてくれよ!
「いっ…伊月さんがさわっるから、……濡れちゃぅ」
「!!よし!濡れないように風呂場に行こう!」
しまった!止めるどころか先に進もうとしとるがな!
35
お気に入りに追加
687
あなたにおすすめの小説

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

からかわれていると思ってたら本気だった?!
雨宮里玖
BL
御曹司カリスマ冷静沈着クール美形高校生×貧乏で平凡な高校生
《あらすじ》
ヒカルに告白をされ、まさか俺なんかを好きになるはずないだろと疑いながらも付き合うことにした。
ある日、「あいつ間に受けてやんの」「身の程知らずだな」とヒカルが友人と話しているところを聞いてしまい、やっぱりからかわれていただけだったと知り、ショックを受ける弦。騙された怒りをヒカルにぶつけて、ヒカルに別れを告げる——。
葛葉ヒカル(18)高校三年生。財閥次男。完璧。カリスマ。
弦(18)高校三年生。父子家庭。貧乏。
葛葉一真(20)財閥長男。爽やかイケメン。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。


【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる