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確信犯
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「ちょっと待っててね」
ぼんやりとした中伊月さんの声が聞こえ気配が消えると、キスとフェロモンでぼやけていた意識が段々とはっきりしてくる。手に触れている部分がやけにふかふかで起き上がり見るとやたら大きなベッドだった。
キングサイズくらいありそうなベッドがあまりにも弾力があるのからつい両手で押してふかふか具合を確認してしまう。
ぎゅっ
ふかっ
ぎゅっ
ふかっ
ぎゅっぎゅっ
ふかかっ
(やばい、これ癖になりそう)
ぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっふかふかふかふか……
「なーに可愛い事してるの」
つい夢中でふかふかしているとドアの所に伊月さんが立っていた。
「つい」
触り心地が良くてつい夢中になってしまったのが気まずい。が、何でこんな所に連れてこられたのか問い質さないと!
や、嘘です。気付いてました。セックスする為に連れてこられたんだよな。恥ずかしすぎてベッドの触り心地に逃げてたよ。
かーっと赤くなったであろう俺の手を引かれ隣の部屋に連れて行かれると、そこは大きなベッドだけがやけに目立つ先ほどの部屋とは違い、シャンデリアが垂れ下がる豪華だが品のあるリビングの様な所だった。
「すご……」
一般ピーポーなご家庭の子の第一声はこんなもんよ。キラキラと陽の光に反射するシャンデリア、本皮でワイン色したそこでも寝れそうなくらい大きなソファー、足先がクルンとなっている重厚なテーブル、その下の大理石の床に毛足が長い薄いブルーグレイの絨毯、壁側にはバーカウンター、そしてグランドピアノまで置いてある。入り口らしき扉の他にさっきの部屋も入れてドアが4つあるのは風呂トイレ以外の部屋もあるという事だろう。
こんな凄いトコ急に行って空いてるもんなのか?
―――――否、確信犯か。
伊月さんは初めから研究所の帰りに此処へ来るつもりだったんだな。俺の運命の番の話の勢いで来たけど性格的にもっとスマートに誘導したかっただろうに動揺のあまり……ってとこか?失敗したなーって思ってるんだろな。ずっと眉尻が下がってるし。
「ごめんね、つい勢いで連れて来ちゃった」
大きな弾力のあるソファーに隣同士で座ると頭を撫でながら謝ってくる。
「驚いたけど別にいいよ」
「本当にごめん。瀬名の運命の番がいるって突き付けられて動揺した。よく考えれば僕にいるんだもん瀬名にもいるよね。でもまさか既に近くにいるとは思わなくて」
確かに。俺も自分の運命の番が百夢とは思わなんだ。それに親兄弟で運命とか全く聞いた事が無かった。
「俺も百夢がそうだとは知らなかったし親兄弟でそんな事があるってのも知らなかった」
「そうそう無い事だから。知識が無い人が知ると混乱を招くし、奇異の目で見られかねないからね。僕は産科医志望だから詳しく習ったよ」
驚いた、イメージ的に一番縁遠そうな感じなのに。どっちかというと外科や整形外科とか似合いそう。あと美容整形外科。
(瀬名、伊月の美容整形外科医を脳内妄想)
『今日はどのような希望ですか?』
『私、いくらかかってもいいので先生の好みの顔になりたいんです!』
『ではこことここ、形や大きさはこんな感じですね』
『じゃあそれでお願いします!』
『わかりました』
『あの先生、先生好みになったら付き合ってくれますか?』
『困りましたね、あなたと同じ事を言ってくる方が多数いるんですよ。◯番目ですけどいいですか?(にっこり)』
『はいっ!(ポッ)』
―――――ダメだ、美容整形外科医はいかん!
「なんか酷い妄想している気がするなぁ」
「エスパー⁉」
「いや、瀬名が分かり易いだけだからね」
「むふー、じゃあ何で産科医なの?」
「もちろん僕と瀬名の子を自分で取り上げたいからだよ」
「動機が俺との子供だけで産科医⁉」
「だって瀬名のここ他のヤツに見られるなんて……そいつ殺したくなる」
そう言って腰に回していた手をすっと腰から撫でながら中指だけ力を入れ尻の間をなぞるように何度も擦る。それが風呂場で行われている行為を思い出させるような触り方で、受け入れるソコがヒクついて男Ω特有の液がじんわりと溢れる感触がして慌てて身を捩る。
「物騒!そしてそこ触ったら……っ」
「触ったら?」
「…………う」
「なに?」
「……ちゃう」
「ごめん、もう一度言って」
あまりにも小さな声で言ったものだから伊月さんには聞こえなかったようだ。今度は聞き逃さないようにと耳を寄せてきた。恥ずかしくてもう言いたくないが、言わないと触られ続けそうだし……話したら止めてくれよ!
「いっ…伊月さんがさわっるから、……濡れちゃぅ」
「!!よし!濡れないように風呂場に行こう!」
しまった!止めるどころか先に進もうとしとるがな!
ぼんやりとした中伊月さんの声が聞こえ気配が消えると、キスとフェロモンでぼやけていた意識が段々とはっきりしてくる。手に触れている部分がやけにふかふかで起き上がり見るとやたら大きなベッドだった。
キングサイズくらいありそうなベッドがあまりにも弾力があるのからつい両手で押してふかふか具合を確認してしまう。
ぎゅっ
ふかっ
ぎゅっ
ふかっ
ぎゅっぎゅっ
ふかかっ
(やばい、これ癖になりそう)
ぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっふかふかふかふか……
「なーに可愛い事してるの」
つい夢中でふかふかしているとドアの所に伊月さんが立っていた。
「つい」
触り心地が良くてつい夢中になってしまったのが気まずい。が、何でこんな所に連れてこられたのか問い質さないと!
や、嘘です。気付いてました。セックスする為に連れてこられたんだよな。恥ずかしすぎてベッドの触り心地に逃げてたよ。
かーっと赤くなったであろう俺の手を引かれ隣の部屋に連れて行かれると、そこは大きなベッドだけがやけに目立つ先ほどの部屋とは違い、シャンデリアが垂れ下がる豪華だが品のあるリビングの様な所だった。
「すご……」
一般ピーポーなご家庭の子の第一声はこんなもんよ。キラキラと陽の光に反射するシャンデリア、本皮でワイン色したそこでも寝れそうなくらい大きなソファー、足先がクルンとなっている重厚なテーブル、その下の大理石の床に毛足が長い薄いブルーグレイの絨毯、壁側にはバーカウンター、そしてグランドピアノまで置いてある。入り口らしき扉の他にさっきの部屋も入れてドアが4つあるのは風呂トイレ以外の部屋もあるという事だろう。
こんな凄いトコ急に行って空いてるもんなのか?
―――――否、確信犯か。
伊月さんは初めから研究所の帰りに此処へ来るつもりだったんだな。俺の運命の番の話の勢いで来たけど性格的にもっとスマートに誘導したかっただろうに動揺のあまり……ってとこか?失敗したなーって思ってるんだろな。ずっと眉尻が下がってるし。
「ごめんね、つい勢いで連れて来ちゃった」
大きな弾力のあるソファーに隣同士で座ると頭を撫でながら謝ってくる。
「驚いたけど別にいいよ」
「本当にごめん。瀬名の運命の番がいるって突き付けられて動揺した。よく考えれば僕にいるんだもん瀬名にもいるよね。でもまさか既に近くにいるとは思わなくて」
確かに。俺も自分の運命の番が百夢とは思わなんだ。それに親兄弟で運命とか全く聞いた事が無かった。
「俺も百夢がそうだとは知らなかったし親兄弟でそんな事があるってのも知らなかった」
「そうそう無い事だから。知識が無い人が知ると混乱を招くし、奇異の目で見られかねないからね。僕は産科医志望だから詳しく習ったよ」
驚いた、イメージ的に一番縁遠そうな感じなのに。どっちかというと外科や整形外科とか似合いそう。あと美容整形外科。
(瀬名、伊月の美容整形外科医を脳内妄想)
『今日はどのような希望ですか?』
『私、いくらかかってもいいので先生の好みの顔になりたいんです!』
『ではこことここ、形や大きさはこんな感じですね』
『じゃあそれでお願いします!』
『わかりました』
『あの先生、先生好みになったら付き合ってくれますか?』
『困りましたね、あなたと同じ事を言ってくる方が多数いるんですよ。◯番目ですけどいいですか?(にっこり)』
『はいっ!(ポッ)』
―――――ダメだ、美容整形外科医はいかん!
「なんか酷い妄想している気がするなぁ」
「エスパー⁉」
「いや、瀬名が分かり易いだけだからね」
「むふー、じゃあ何で産科医なの?」
「もちろん僕と瀬名の子を自分で取り上げたいからだよ」
「動機が俺との子供だけで産科医⁉」
「だって瀬名のここ他のヤツに見られるなんて……そいつ殺したくなる」
そう言って腰に回していた手をすっと腰から撫でながら中指だけ力を入れ尻の間をなぞるように何度も擦る。それが風呂場で行われている行為を思い出させるような触り方で、受け入れるソコがヒクついて男Ω特有の液がじんわりと溢れる感触がして慌てて身を捩る。
「物騒!そしてそこ触ったら……っ」
「触ったら?」
「…………う」
「なに?」
「……ちゃう」
「ごめん、もう一度言って」
あまりにも小さな声で言ったものだから伊月さんには聞こえなかったようだ。今度は聞き逃さないようにと耳を寄せてきた。恥ずかしくてもう言いたくないが、言わないと触られ続けそうだし……話したら止めてくれよ!
「いっ…伊月さんがさわっるから、……濡れちゃぅ」
「!!よし!濡れないように風呂場に行こう!」
しまった!止めるどころか先に進もうとしとるがな!
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