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美佐子は色々見ていた
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今回はお手伝いさん(話の中でメイドと表現しています)から見た伊月の話です。
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皆様初めまして、大藤美佐子と申します。
元々は花ノ宮家本邸で35年ほど前から働いておりましたが現在、執事である夫の大藤豊と一緒に伊月様が所有するマンションで身の回りをお世話するべく滞在しております。
ここで少し昔話をさせて頂きましょう。
私が花ノ宮家で働き始めたのは18才、その頃現在当主であられる神奈様は10才、艶のある黒髪の日本人形の様なそれはもうお可愛らしいお子様でした。既にΩという事が分かっていて、αである祐善寺家のご次男様と婚約しておりました。
ご両親が決めた婚約とはいえとても仲が良く、さらに神奈様が優秀だった事もあり、お2人で切磋琢磨しながらご成長され、高校に入る頃には花ノ宮家当主候補の筆頭と称されるほどになっておりました。
神奈様は大学卒業と同時に正式に次期当主となり婚約者様と結婚、翌年にご出産されました。
誰が見ても全員感嘆を漏らすほどの美しいとしか表現できない赤ん坊、それが伊月様でした。
赤ん坊の頃から美しかった伊月様ですから、誘拐されかけたのは数え切れないほど、邪な想いを抱いて近づく輩は山のようにおり、24時間365日護衛が付いていました。
伊月様はすくすくと成長され、幼い頃からご両親以上の優秀さを発揮しておりましたが、あまり感情を揺らすお子様ではごさいませんでした。何でも出来るからでしょうか、人や物に対して興味を持たずお過ごしでした。
それを心配したご両親が同じ年頃の名家のお子様達を引き合わせましたが、いたずらに伊月様に懸想される方々を作るだけでご友人と呼べる方は出来ませんでした。
唯一、祐善寺家の従兄弟様方と神楽様の運命の番である遠野良規様とだけ交流をしていましたが、それも細々とでした。
しかし、ある時伊月様は変わられました。
それは15才、祐善寺家から帰って来られた伊月様は今までの無関心さが何だったのかと思うくらい活動的になりました。
結婚して夫になっていた執事の大藤によると、ある人物とその家族や資産、素行まで調査をさせたと。それが三波瀬名様でした。
これはもしやと思っていたら、伊月様ご本人がご両親に瀬名様と婚約したいと直談判をし了承、三波家に話を持って行ったようでした。それを1ヶ月もかからずに事を進める、伊月様の本気を見ました。
しかし、婚約話は流れてしまいました。理由は分かりませんが、あちら側に断られた訳ではないようでした。ただ伊月様の落ち込み様は酷く、数日見ていられないほどでしたが意識を切り替えたのか瀬名様を囲い込む為に色々と今に至るまで動いていたようでございます。
思い人の為に活動的になった伊月様に本邸で働く者達はとても喜び、応援しておりました。
その頃から本邸で一室に立入禁止の部屋が作られました。掃除も自分でやるからとメイドだけではなく、ご両親も入る事を許されませんでした。気にはなりましたが、伊月様のご命令ですので皆従っておりました。
伊月様は日に数度その部屋に籠もられるようになりました。働く者達で色んな憶測は流れましたが、見るなと言われたものを見に行き不興を買う勇気のある者はいませんでした。まあ、普段鍵がかかっているので入れませんが。
ただ、一度私は部屋の中を見てしまった事があります。それはその部屋から伊月様が出て来られた時に鉢合わせ、礼をした一瞬部屋の中が見えたのでございます。
それは部屋の壁一面に貼られた瀬名様の写真。
これは夫にも話しておりません。もしあの時、私が表情を変えていたら見たことがバレ、本邸で働くどころか……恐ろしい事になっていたことでしょう。あぁ、あの時顔に出さなかった私、グッジョブです。
ただ、気になったのは伊月様が瀬名様に出会ったのは瀬名様が13の時のはず。なのに何故赤ん坊や幼い頃の写真が貼ってあったのか……好奇心は猫をも殺すと言います。深入りはいたしません。
瀬名様と出会ってから2年、伊月様にとって不測の事態が起こってしまいました。
伊月様の『運命の番』が現れてしまったのです。
その日友人に誘われ参加されたパーティーで出会い、突発的な発情期にあてられ帰って来られました。すぐ常駐している医師が対応し、落ち着かれましたが、運命の番である方が運ばれた病院から電話がありました。腹立たしい事に伊月様をその方のヒートに付き合わせようとする電話で、何度もお断りしても掛かってきて最終的に伊月様が直接お断りしておりました。
それを見ていた者達はそれはもう憤っておりました。本邸で働く者は皆、「伊月様と瀬名様を見守る会」に入って応援しており、伊月様が運命の方を拒否した今、運命の番なる方は我々の敵でございます。ええ、ええ、それはもう皆さんお怒りになって運命の方を暗殺しに行きかけた者までいましたが、さすがに止めましたよ。
後日、話し合いで番わない事や接近禁止、迷惑行為の禁止などを約束させたそうですが、それは殆んど守られる事無く来てしまいました。
それからというもの警護の強化が計られ、伊月様はまた何か極秘に動き出しました。伊月様が動くという事は瀬名様の為だったのでしょう、今回ご自分と瀬名様の為に『運命の番専用抑制剤』を開発されました。もうこれは絶対運命の方ではなく自分の相手は瀬名様だという突き抜けた執着の現れでございましょう。
そして2ヶ月前、とうとう伊月様が瀬名様と同棲に持ち込みました!
前々からマンションを建て、内装や家具まで慎重に選び準備を調えていた場所に瀬名様が来られ伊月様はご満悦でした。私も嬉しくて「伊月様と瀬名様を見守る会」のトーク画面に実況と写真を載せ、会員のみんなと盛り上がったものです。
朝食を手ずからに食べさせる伊月様、それを恥ずかしげに食べる瀬名様。朝からトーク画面が盛り上がります。何をするにも甘いお顔をされ優しい声色の伊月様、何をされても恥ずかしそうにする瀬名様。眼福でキュンキュンしてしまいます。時たま我々を殺しにかかっているのではないかというくらい伊月様は瀬名様を甘やかしています。
耳元で囁きその流れで色んな所にキスをする……まだ付き合ったという報告は受けておりません。もし付き合ったらどこまで行ってしまうのでしょうか。期待に胸が膨らむばかりでございます。
瀬名様がマンションに来てから2ヶ月、発情期から帰って来た瀬名様は部屋に伊月様がいない事に肩を落とし自室に籠もられてしまいました。私も伊月様が何をしているか知らされておらずただ大丈夫ですよとお声をかける事しかできず、ヤキモキしておりましたが数日後、『運命の番専用抑制剤』を会見で発表し、運命の方とその家族との話し合いを終え、帰って来たお2人はそのままソファーで話をしてとうとう!とうとうお気持ちを通わせ合い、付き合う事になったのでございます!
もちろん速攻見守る会のトークに報告し、祝福の言葉が乱舞しましたとも。その勢いのまま赤飯を炊こうとしたら夫に「一緒に発情期を過ごしてからでいいのでは」と言われ、それもそうかと思い直しましたが、それより前に体の関係を持ちそうなのでその時にしようと心に決めました。
瀬名様と付き合い始めた伊月様は我慢を止めたようで、抱き締めつつ隙あらば瀬名様の唇にキスをし、膝の上に座らせ給餌、ソファーや椅子に座る時も膝の上、髪を梳き首や項の匂いを嗅ぐというヘンタ……愛情表現をされています。
中々の溺愛っぷりに毎日ご飯が良く進み太りそうです。
ただ、これは私や夫が見ている時の行為でございます。
見ていない時はもっと凄いらしく、飲み物を持って行くと瀬名様の息が上がり、真っ赤になって伊月様の胸元に顔を埋めておられる事が多々見かけるようになりました。伊月様はそれはもう蕩ける表情で瀬名様を抱き締めておられます。
その時瀬名様の服が乱れていようが服の中に伊月様の手が入っていようが指摘せず、すぐに奥へと引っ込みます。私、出来るメイドですから。
お2人が付き合った事により見守る会に楽しい報告ばかり出来そうで嬉しい限りでございます。
ーーーーーーーーーー
伊月の母親はΩの男性ではっきりとした性格の人です。見た目の庇護欲も皆無で、αと言われても納得するような人物です。
父親は自立している妻を愛していますが、ヒート以外でも甘えてほしいと思っています。
「伊月と瀬名を見守る会」の入会条件は2人に恋愛感情を持っていない事。母性と父性で見守る会です。
あとすっかり説明するのを忘れていましたが、伊月が瀬名に美夜の調査書を見せて婚姻と鷹司家との関係を話した事と、宇佐が話し合いの時に話した理由が違います。
伊月の方は世間的に向けた理由で宇佐の方が本当の理由です。
宇佐の方の理由は知られると良いとこのΩを嫁に貰えなくなるなど上善にとってあまり良くない為、隠されていました。
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皆様初めまして、大藤美佐子と申します。
元々は花ノ宮家本邸で35年ほど前から働いておりましたが現在、執事である夫の大藤豊と一緒に伊月様が所有するマンションで身の回りをお世話するべく滞在しております。
ここで少し昔話をさせて頂きましょう。
私が花ノ宮家で働き始めたのは18才、その頃現在当主であられる神奈様は10才、艶のある黒髪の日本人形の様なそれはもうお可愛らしいお子様でした。既にΩという事が分かっていて、αである祐善寺家のご次男様と婚約しておりました。
ご両親が決めた婚約とはいえとても仲が良く、さらに神奈様が優秀だった事もあり、お2人で切磋琢磨しながらご成長され、高校に入る頃には花ノ宮家当主候補の筆頭と称されるほどになっておりました。
神奈様は大学卒業と同時に正式に次期当主となり婚約者様と結婚、翌年にご出産されました。
誰が見ても全員感嘆を漏らすほどの美しいとしか表現できない赤ん坊、それが伊月様でした。
赤ん坊の頃から美しかった伊月様ですから、誘拐されかけたのは数え切れないほど、邪な想いを抱いて近づく輩は山のようにおり、24時間365日護衛が付いていました。
伊月様はすくすくと成長され、幼い頃からご両親以上の優秀さを発揮しておりましたが、あまり感情を揺らすお子様ではごさいませんでした。何でも出来るからでしょうか、人や物に対して興味を持たずお過ごしでした。
それを心配したご両親が同じ年頃の名家のお子様達を引き合わせましたが、いたずらに伊月様に懸想される方々を作るだけでご友人と呼べる方は出来ませんでした。
唯一、祐善寺家の従兄弟様方と神楽様の運命の番である遠野良規様とだけ交流をしていましたが、それも細々とでした。
しかし、ある時伊月様は変わられました。
それは15才、祐善寺家から帰って来られた伊月様は今までの無関心さが何だったのかと思うくらい活動的になりました。
結婚して夫になっていた執事の大藤によると、ある人物とその家族や資産、素行まで調査をさせたと。それが三波瀬名様でした。
これはもしやと思っていたら、伊月様ご本人がご両親に瀬名様と婚約したいと直談判をし了承、三波家に話を持って行ったようでした。それを1ヶ月もかからずに事を進める、伊月様の本気を見ました。
しかし、婚約話は流れてしまいました。理由は分かりませんが、あちら側に断られた訳ではないようでした。ただ伊月様の落ち込み様は酷く、数日見ていられないほどでしたが意識を切り替えたのか瀬名様を囲い込む為に色々と今に至るまで動いていたようでございます。
思い人の為に活動的になった伊月様に本邸で働く者達はとても喜び、応援しておりました。
その頃から本邸で一室に立入禁止の部屋が作られました。掃除も自分でやるからとメイドだけではなく、ご両親も入る事を許されませんでした。気にはなりましたが、伊月様のご命令ですので皆従っておりました。
伊月様は日に数度その部屋に籠もられるようになりました。働く者達で色んな憶測は流れましたが、見るなと言われたものを見に行き不興を買う勇気のある者はいませんでした。まあ、普段鍵がかかっているので入れませんが。
ただ、一度私は部屋の中を見てしまった事があります。それはその部屋から伊月様が出て来られた時に鉢合わせ、礼をした一瞬部屋の中が見えたのでございます。
それは部屋の壁一面に貼られた瀬名様の写真。
これは夫にも話しておりません。もしあの時、私が表情を変えていたら見たことがバレ、本邸で働くどころか……恐ろしい事になっていたことでしょう。あぁ、あの時顔に出さなかった私、グッジョブです。
ただ、気になったのは伊月様が瀬名様に出会ったのは瀬名様が13の時のはず。なのに何故赤ん坊や幼い頃の写真が貼ってあったのか……好奇心は猫をも殺すと言います。深入りはいたしません。
瀬名様と出会ってから2年、伊月様にとって不測の事態が起こってしまいました。
伊月様の『運命の番』が現れてしまったのです。
その日友人に誘われ参加されたパーティーで出会い、突発的な発情期にあてられ帰って来られました。すぐ常駐している医師が対応し、落ち着かれましたが、運命の番である方が運ばれた病院から電話がありました。腹立たしい事に伊月様をその方のヒートに付き合わせようとする電話で、何度もお断りしても掛かってきて最終的に伊月様が直接お断りしておりました。
それを見ていた者達はそれはもう憤っておりました。本邸で働く者は皆、「伊月様と瀬名様を見守る会」に入って応援しており、伊月様が運命の方を拒否した今、運命の番なる方は我々の敵でございます。ええ、ええ、それはもう皆さんお怒りになって運命の方を暗殺しに行きかけた者までいましたが、さすがに止めましたよ。
後日、話し合いで番わない事や接近禁止、迷惑行為の禁止などを約束させたそうですが、それは殆んど守られる事無く来てしまいました。
それからというもの警護の強化が計られ、伊月様はまた何か極秘に動き出しました。伊月様が動くという事は瀬名様の為だったのでしょう、今回ご自分と瀬名様の為に『運命の番専用抑制剤』を開発されました。もうこれは絶対運命の方ではなく自分の相手は瀬名様だという突き抜けた執着の現れでございましょう。
そして2ヶ月前、とうとう伊月様が瀬名様と同棲に持ち込みました!
前々からマンションを建て、内装や家具まで慎重に選び準備を調えていた場所に瀬名様が来られ伊月様はご満悦でした。私も嬉しくて「伊月様と瀬名様を見守る会」のトーク画面に実況と写真を載せ、会員のみんなと盛り上がったものです。
朝食を手ずからに食べさせる伊月様、それを恥ずかしげに食べる瀬名様。朝からトーク画面が盛り上がります。何をするにも甘いお顔をされ優しい声色の伊月様、何をされても恥ずかしそうにする瀬名様。眼福でキュンキュンしてしまいます。時たま我々を殺しにかかっているのではないかというくらい伊月様は瀬名様を甘やかしています。
耳元で囁きその流れで色んな所にキスをする……まだ付き合ったという報告は受けておりません。もし付き合ったらどこまで行ってしまうのでしょうか。期待に胸が膨らむばかりでございます。
瀬名様がマンションに来てから2ヶ月、発情期から帰って来た瀬名様は部屋に伊月様がいない事に肩を落とし自室に籠もられてしまいました。私も伊月様が何をしているか知らされておらずただ大丈夫ですよとお声をかける事しかできず、ヤキモキしておりましたが数日後、『運命の番専用抑制剤』を会見で発表し、運命の方とその家族との話し合いを終え、帰って来たお2人はそのままソファーで話をしてとうとう!とうとうお気持ちを通わせ合い、付き合う事になったのでございます!
もちろん速攻見守る会のトークに報告し、祝福の言葉が乱舞しましたとも。その勢いのまま赤飯を炊こうとしたら夫に「一緒に発情期を過ごしてからでいいのでは」と言われ、それもそうかと思い直しましたが、それより前に体の関係を持ちそうなのでその時にしようと心に決めました。
瀬名様と付き合い始めた伊月様は我慢を止めたようで、抱き締めつつ隙あらば瀬名様の唇にキスをし、膝の上に座らせ給餌、ソファーや椅子に座る時も膝の上、髪を梳き首や項の匂いを嗅ぐというヘンタ……愛情表現をされています。
中々の溺愛っぷりに毎日ご飯が良く進み太りそうです。
ただ、これは私や夫が見ている時の行為でございます。
見ていない時はもっと凄いらしく、飲み物を持って行くと瀬名様の息が上がり、真っ赤になって伊月様の胸元に顔を埋めておられる事が多々見かけるようになりました。伊月様はそれはもう蕩ける表情で瀬名様を抱き締めておられます。
その時瀬名様の服が乱れていようが服の中に伊月様の手が入っていようが指摘せず、すぐに奥へと引っ込みます。私、出来るメイドですから。
お2人が付き合った事により見守る会に楽しい報告ばかり出来そうで嬉しい限りでございます。
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伊月の母親はΩの男性ではっきりとした性格の人です。見た目の庇護欲も皆無で、αと言われても納得するような人物です。
父親は自立している妻を愛していますが、ヒート以外でも甘えてほしいと思っています。
「伊月と瀬名を見守る会」の入会条件は2人に恋愛感情を持っていない事。母性と父性で見守る会です。
あとすっかり説明するのを忘れていましたが、伊月が瀬名に美夜の調査書を見せて婚姻と鷹司家との関係を話した事と、宇佐が話し合いの時に話した理由が違います。
伊月の方は世間的に向けた理由で宇佐の方が本当の理由です。
宇佐の方の理由は知られると良いとこのΩを嫁に貰えなくなるなど上善にとってあまり良くない為、隠されていました。
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