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三波百夢はアウトなブラコン
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某ホテルの豪華な会場で俺より10cm以上高い弟と感動の対面……ではなく絞め殺されそうになっているのは、なにを隠そう俺です。
「百夢離して……グフッ」
「やだっ!久々におにぃに会ったんだからおにぃの成分を摂取しないと……ってαくせーーーーー!」
「うっせーーー!早く離せ苦しい!」
スンスンスンスン嗅ぎやがっていつまでたってもワンコかよ。
全然離す気が無い百夢の腕の中でジタバタしていると、ポンと百夢の肩に手を置く伊月さん。笑顔だけど目の奥が笑ってない。
「百夢くん、瀬名が苦しがってるよ。離してあげてくれないかな」
「……これはこれは。兄を誘拐した花ノ宮さんご機嫌よう」
「人聞きの悪い事を言うね。ご両親には許可を取ってるよ」
「チッ」
こら、盛大に舌打ちするんじゃありません!優雅な会場に似つかわしくない状態の俺達に、周りがざわついて注目を浴びているのに気づいてくれ。
α臭いと言いながら離さない百夢に明らかに苛立っている伊月さん。どうにかこの場を治める事ができないだろうか。
「百夢!」
呆れたように現役役員が駆けてくる。数人今の百夢を見て驚いた顔をしているので俺が卒業してから高校に進学した生徒だろう。
「お前また瀬名先輩にそんな事して。はよブラコン治せ」
ため息混じりに百夢をブラコン呼ばわりする生徒は副会長の沢渡。百夢と一緒に中高1年間ずつ俺の親衛隊長と副隊長をしていた人物だ。他の役員は知らないから1、2年生なのだろう、百夢の態度を見て驚いている。
「あの三波会長が……」
「会長が抱きついてる人が噂のお兄さん……」
「いつも俺様なのに……」
うん、驚きだよな。周囲からの話によると百夢はαらしく唯我独尊の俺様男。さらに見た目がワイルド系の美形でがっしりめの体型のモテモテボーイ。でも強制的に父親の被験者になってるから食いまくってそうに見えて童貞処女なんだお。
「ほら、他の委員が驚いてるから離せよ」
「やだー!俺の匂いで上書きするまで離さない!」
「ヤメロ。何が悲しくて弟のフェロモンを付けなきゃいけないんだ!」
「えー」
「ワンコみたいな表情をしてもダメ」
頭に垂れた耳が見えそうなくらいしょんぼりしてやっと離したけど腰から手は離してくれないのかよ。
「百夢くんそろそろ瀬名を返してくれないかな」
「はあ?何でお前に渡さなきゃいけないんだよ」
「瀬名は僕の番になる人だからね」
「俺だって兄弟じゃなきゃとっくに肉棒でナカ掻き回してぐっちゃんぐっちゃんに蕩けさせて番ってるっつーの!」
「うん、兄弟だから君は番えないよね」
「ぐっ……」
額をくっつける勢いでにこやかに話してるけど内容が人に聞かせられるものではない。特に百夢!お前兄ちゃんをそんな目で見てたのか。生々しくて引くわ!
「おにぃ!?」
身の危険を感じつつっと伊月さんの方に寄ろうとしたら、驚いたのか腰に回していた手の力が緩んだのでするりと抜け伊月さんの方に体を寄せる。
「瀬名おかえり」
ふふんと勝ち誇った顔を見せる伊月さんと悔しそうな顔をする百夢。お互い初めましてなのにここまで反発するとは。
「伊月さんおバカな弟でごめん」
「なっ」
「気にしないで」
「まさか兄にそんな事考えてるとは思わなかったよ。引くわ」
「ぐっ!」
「瀬名は魅力的だからね」
「いや、キモい」
「うぐぅっ……」
がっくりと膝と手を床に付きうなだれる百夢は悲壮感が漂っているが、兄に懸想しているのはブラコンの域を超えているだろうと手は差し伸べない。
「安心して。僕の肉棒で瀬名のナカを激しく掻き回して蕩けさせて種付けするから」
「なっ!?」
「おっとストップ、お前はこれ以上騒ぐな」
伊月さんが百夢の傍らに膝をつき耳元でボソボソ話した途端、ばっと顔を上げた百夢の頭を沢渡が鷲掴む。
「花ノ宮様、瀬名先輩うちのバ会長がすみません。後で言い聞かせますのでご容赦を。ほら行くぞ」
俺と伊月さんに礼をとった沢渡が、百夢の制服の襟を掴み引きずって歩いていく。磨きあげられてツルツルの床はさぞかし運び易いだろう。
引きずられていく百夢から「おにぃ~」と聞こえてきたけど沢渡に言い聞かされてくれ。
「は~……どっと疲れた」
「ふふっそうだね。今日はもう帰っちゃおうか」
「えっ、来たばっかりだしダメじゃない?」
「いいのいいの。いつもすぐ帰るし、このままここにいると注目の的だからね」
ハッとして見渡すと、結構な人数に遠巻でに見られているのに気付く。うわっ、これは気まずい。
「うっ、伊月さんがそれでいいなら帰りたいかも」
「じゃあそうしようか。そういう事で僕らは帰るね」
伊月さんが俺の腰を抱きいつも以上に密着した状態で同じテーブルにいた同期の役員に声をかけると、空気と化していた全員がコクコクと頷くのを満足そうに見て会場がら退出する。
その後会場では「花ノ宮様が連れていたΩは誰だ」「現会長の兄らしい」「相手を調べてお近づきにならないと」など知っていそうな役員を捕まえ質問責めにしたりとか俺と伊月さんが居た時よりざわついたと後日同級生の役員が疲れた声で電話してきた。なんか申し訳ない。
「百夢離して……グフッ」
「やだっ!久々におにぃに会ったんだからおにぃの成分を摂取しないと……ってαくせーーーーー!」
「うっせーーー!早く離せ苦しい!」
スンスンスンスン嗅ぎやがっていつまでたってもワンコかよ。
全然離す気が無い百夢の腕の中でジタバタしていると、ポンと百夢の肩に手を置く伊月さん。笑顔だけど目の奥が笑ってない。
「百夢くん、瀬名が苦しがってるよ。離してあげてくれないかな」
「……これはこれは。兄を誘拐した花ノ宮さんご機嫌よう」
「人聞きの悪い事を言うね。ご両親には許可を取ってるよ」
「チッ」
こら、盛大に舌打ちするんじゃありません!優雅な会場に似つかわしくない状態の俺達に、周りがざわついて注目を浴びているのに気づいてくれ。
α臭いと言いながら離さない百夢に明らかに苛立っている伊月さん。どうにかこの場を治める事ができないだろうか。
「百夢!」
呆れたように現役役員が駆けてくる。数人今の百夢を見て驚いた顔をしているので俺が卒業してから高校に進学した生徒だろう。
「お前また瀬名先輩にそんな事して。はよブラコン治せ」
ため息混じりに百夢をブラコン呼ばわりする生徒は副会長の沢渡。百夢と一緒に中高1年間ずつ俺の親衛隊長と副隊長をしていた人物だ。他の役員は知らないから1、2年生なのだろう、百夢の態度を見て驚いている。
「あの三波会長が……」
「会長が抱きついてる人が噂のお兄さん……」
「いつも俺様なのに……」
うん、驚きだよな。周囲からの話によると百夢はαらしく唯我独尊の俺様男。さらに見た目がワイルド系の美形でがっしりめの体型のモテモテボーイ。でも強制的に父親の被験者になってるから食いまくってそうに見えて童貞処女なんだお。
「ほら、他の委員が驚いてるから離せよ」
「やだー!俺の匂いで上書きするまで離さない!」
「ヤメロ。何が悲しくて弟のフェロモンを付けなきゃいけないんだ!」
「えー」
「ワンコみたいな表情をしてもダメ」
頭に垂れた耳が見えそうなくらいしょんぼりしてやっと離したけど腰から手は離してくれないのかよ。
「百夢くんそろそろ瀬名を返してくれないかな」
「はあ?何でお前に渡さなきゃいけないんだよ」
「瀬名は僕の番になる人だからね」
「俺だって兄弟じゃなきゃとっくに肉棒でナカ掻き回してぐっちゃんぐっちゃんに蕩けさせて番ってるっつーの!」
「うん、兄弟だから君は番えないよね」
「ぐっ……」
額をくっつける勢いでにこやかに話してるけど内容が人に聞かせられるものではない。特に百夢!お前兄ちゃんをそんな目で見てたのか。生々しくて引くわ!
「おにぃ!?」
身の危険を感じつつっと伊月さんの方に寄ろうとしたら、驚いたのか腰に回していた手の力が緩んだのでするりと抜け伊月さんの方に体を寄せる。
「瀬名おかえり」
ふふんと勝ち誇った顔を見せる伊月さんと悔しそうな顔をする百夢。お互い初めましてなのにここまで反発するとは。
「伊月さんおバカな弟でごめん」
「なっ」
「気にしないで」
「まさか兄にそんな事考えてるとは思わなかったよ。引くわ」
「ぐっ!」
「瀬名は魅力的だからね」
「いや、キモい」
「うぐぅっ……」
がっくりと膝と手を床に付きうなだれる百夢は悲壮感が漂っているが、兄に懸想しているのはブラコンの域を超えているだろうと手は差し伸べない。
「安心して。僕の肉棒で瀬名のナカを激しく掻き回して蕩けさせて種付けするから」
「なっ!?」
「おっとストップ、お前はこれ以上騒ぐな」
伊月さんが百夢の傍らに膝をつき耳元でボソボソ話した途端、ばっと顔を上げた百夢の頭を沢渡が鷲掴む。
「花ノ宮様、瀬名先輩うちのバ会長がすみません。後で言い聞かせますのでご容赦を。ほら行くぞ」
俺と伊月さんに礼をとった沢渡が、百夢の制服の襟を掴み引きずって歩いていく。磨きあげられてツルツルの床はさぞかし運び易いだろう。
引きずられていく百夢から「おにぃ~」と聞こえてきたけど沢渡に言い聞かされてくれ。
「は~……どっと疲れた」
「ふふっそうだね。今日はもう帰っちゃおうか」
「えっ、来たばっかりだしダメじゃない?」
「いいのいいの。いつもすぐ帰るし、このままここにいると注目の的だからね」
ハッとして見渡すと、結構な人数に遠巻でに見られているのに気付く。うわっ、これは気まずい。
「うっ、伊月さんがそれでいいなら帰りたいかも」
「じゃあそうしようか。そういう事で僕らは帰るね」
伊月さんが俺の腰を抱きいつも以上に密着した状態で同じテーブルにいた同期の役員に声をかけると、空気と化していた全員がコクコクと頷くのを満足そうに見て会場がら退出する。
その後会場では「花ノ宮様が連れていたΩは誰だ」「現会長の兄らしい」「相手を調べてお近づきにならないと」など知っていそうな役員を捕まえ質問責めにしたりとか俺と伊月さんが居た時よりざわついたと後日同級生の役員が疲れた声で電話してきた。なんか申し訳ない。
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