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知久と叶
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Side 飯坂知久
うそだうそだうそだ。瀬名があんなに美人だなんて!
食堂であんな姿見たこと無い!いつも長めの髪をボサボサにしてヨレヨレの服を着ている底辺Ω、それが瀬名だったハズ。なのに今日は髪を整え前髪をピンで留め、着ている服も誰でも知っているハイブランド。
顔もそこら辺にいるΩより断然美人だった。見上げた瞳はなんの混じりっ気も無い緑色。一瞬カラコンかと思ったがカラコン特有の柄は無かったから裸眼だろう。
あんな身なりをしていたから食堂のαだけじゃなくβのヤツらまでチラチラと瀬名を見ていた。現に俺もその内の1人だった。瀬名だと気づかず見ていた。
しかしあれが弟の運命が拒否した原因。兄として憤慨しなくてはいけないのだろうがαとしては欲するのは納得する。
美しい容貌に吸い込まれるような瞳、この大学へ入れるだけの学力。
欲しい。でも瀬名にべったりと付いている花ノ宮伊月の執着がヤバい。まだ被験期間が終わってないからヤッてはいないだろうがマーキングと威嚇が混じったフェロモンを邪な目で見ているヤツだけに放つようにコントロールしている。
「おい、瀬名があんな美人なんて知らなかったぞ!」
「はあ?アンタ三波の顔を知らなくて近寄ったの?」
「ぐっ……」
後ろからついて来た根本に詰め寄ったが、その通り過ぎて言葉に詰まる。花ノ宮に近づく為だけによく話しているΩに声をかけただけだから見た目は気にしていなかった。
「三波は中学の頃からムカつくくらいモテてたからね。大学入ってからモサくなって近寄るヤツがいなくなったから三波を狙うαを寝取れなくなったけど」
「お前大概だな」
「はあ?アンタに言われたくないんだけど。どうせ三波を好きで近づいたんじゃないでしょ」
まあその通りなんだけどコイツ何でそんなに瀬名の周りを食ってんだ?
「あ~あ、先輩が本気を出しちゃったらもうダメじゃん。今までそんな事無かったから油断してたなぁ」
「……お前その口ぶり……昔から瀬名と花ノ宮先輩の事知ってるのか?」
「ん~中学から同じ学校。僕の姫ポジと王子様を取ったヤツ」
そこ超有名な学校じゃないか!俺が通ってた学校と違ってΩも通える私立の中高一貫校。てか姫ポジって何だよ。
ちょっと待て、その頃から花ノ宮は瀬名を好きだって事か?そこから好きで運命を拒否するって……αの執着にしては根深いだろ!
弟よ、諦められるなら諦めた方がいい。
Side 根本叶
むーかーつーくー
何なの⁉アイツ急に小綺麗になって!そしてあの顔!ハーフだかクオーターだか知らないけど天然で緑の目ってズルいでしょ!僕が色素が薄いタイプのΩでも100%日本人だから薄茶色の目。おいコラ、羨ましいワケじゃないよ!
中学入学時から見た目や成績がトップなのに鼻にかけない三波はそりゃモテてたよ。無理矢理交際をもぎ取ったヤツもいたけど三波は「被験者だから」と恋人同士の触れ合いを全て拒否。その頃に僕が先輩に告白したら三波の名前を出されて振られた。
むしゃくしゃして三波の彼氏にちょっかいを出したら、欲求不満だったらしくホイホイ靡きやがった。三波より僕が選ばれた優越感を感じて何度も繰り返したら恋人を作らなくなった。だから三波に寄って来るαを食いまくってた。
そんな僕はやっぱり先輩が忘れられなかった。だって見た目がドストライクだったし名家のα、超玉の輿でしょ。だからもう一度告白した。そうしたら「誰とでも寝るΩに興味がない」って言われてしまった。
ショック、ショックだよ!三波のせいで手を出していたただけなのに。それでも止めなかった。だって三波が悪いんだから。
そうしてたら高校の時にはビッチ姫って影で言われるようになってしまった。やっぱり三波のせいだ。
こうなったらとことん奪い取ってやろうと思ったら三波は難関大学を受けると聞いた。
は?マジ何で僕が行けそうにも無いトコ選ぶの?さすがに慌てた僕は2年間みっちり成績を上げ大学を受けた。同じ学部にしたかったけど、無理すぎて大学内では一番低い偏差値の学部でギリギリ大学へ入った。親は純粋に喜んでいたけど僕はまた三波に嫌がらせを出来ると浮き足立った。
が、大学へ入ると三波はあのおキレイな顔を隠して過ごすようになった。そうしたら誰も三波に寄ってこない。
ふざけるなよ!せっかく頑張って入学したのにそれか!そう思っていたら思ってもいなかった人に会った。
先輩だ。
頭が良かった先輩は医学部に在籍しているらしく、接点が食堂しかなかったが、それでも見れるのは嬉しかった。
だがまたお前か三波、ボサボサヨレヨレで先輩と話しやがって。でも2人共世間話しかしてなくて距離も一定を保っていたから今回油断した。
久しぶりに三波に寄って来た知久を寝取ったまでは良かったけど、寝取った宣言した次の週にはアレってどうなのさ⁉
三波が顔を晒して先輩が隣にいる……それが何を意味するかなんて簡単に分かる。先輩諦めてなかったんだ……
7年間のαの執着……もう三波は先輩から逃げられないだろう。そう思ったらなんかどうでもよくなってしまった。
知久は何か企んでいるみたいだけど止めた方がいいんじゃない?
~~~~~~~~~~~
叶の「ビッチ姫」は自業自得です。
瀬名のせいにしていますが元々ビッチの素質があっただけ。誰でも寝れるタイプの人です。
瀬名は被験者にならなくても貞操は守るタイプ。叶とは絶対友達になれません。
うそだうそだうそだ。瀬名があんなに美人だなんて!
食堂であんな姿見たこと無い!いつも長めの髪をボサボサにしてヨレヨレの服を着ている底辺Ω、それが瀬名だったハズ。なのに今日は髪を整え前髪をピンで留め、着ている服も誰でも知っているハイブランド。
顔もそこら辺にいるΩより断然美人だった。見上げた瞳はなんの混じりっ気も無い緑色。一瞬カラコンかと思ったがカラコン特有の柄は無かったから裸眼だろう。
あんな身なりをしていたから食堂のαだけじゃなくβのヤツらまでチラチラと瀬名を見ていた。現に俺もその内の1人だった。瀬名だと気づかず見ていた。
しかしあれが弟の運命が拒否した原因。兄として憤慨しなくてはいけないのだろうがαとしては欲するのは納得する。
美しい容貌に吸い込まれるような瞳、この大学へ入れるだけの学力。
欲しい。でも瀬名にべったりと付いている花ノ宮伊月の執着がヤバい。まだ被験期間が終わってないからヤッてはいないだろうがマーキングと威嚇が混じったフェロモンを邪な目で見ているヤツだけに放つようにコントロールしている。
「おい、瀬名があんな美人なんて知らなかったぞ!」
「はあ?アンタ三波の顔を知らなくて近寄ったの?」
「ぐっ……」
後ろからついて来た根本に詰め寄ったが、その通り過ぎて言葉に詰まる。花ノ宮に近づく為だけによく話しているΩに声をかけただけだから見た目は気にしていなかった。
「三波は中学の頃からムカつくくらいモテてたからね。大学入ってからモサくなって近寄るヤツがいなくなったから三波を狙うαを寝取れなくなったけど」
「お前大概だな」
「はあ?アンタに言われたくないんだけど。どうせ三波を好きで近づいたんじゃないでしょ」
まあその通りなんだけどコイツ何でそんなに瀬名の周りを食ってんだ?
「あ~あ、先輩が本気を出しちゃったらもうダメじゃん。今までそんな事無かったから油断してたなぁ」
「……お前その口ぶり……昔から瀬名と花ノ宮先輩の事知ってるのか?」
「ん~中学から同じ学校。僕の姫ポジと王子様を取ったヤツ」
そこ超有名な学校じゃないか!俺が通ってた学校と違ってΩも通える私立の中高一貫校。てか姫ポジって何だよ。
ちょっと待て、その頃から花ノ宮は瀬名を好きだって事か?そこから好きで運命を拒否するって……αの執着にしては根深いだろ!
弟よ、諦められるなら諦めた方がいい。
Side 根本叶
むーかーつーくー
何なの⁉アイツ急に小綺麗になって!そしてあの顔!ハーフだかクオーターだか知らないけど天然で緑の目ってズルいでしょ!僕が色素が薄いタイプのΩでも100%日本人だから薄茶色の目。おいコラ、羨ましいワケじゃないよ!
中学入学時から見た目や成績がトップなのに鼻にかけない三波はそりゃモテてたよ。無理矢理交際をもぎ取ったヤツもいたけど三波は「被験者だから」と恋人同士の触れ合いを全て拒否。その頃に僕が先輩に告白したら三波の名前を出されて振られた。
むしゃくしゃして三波の彼氏にちょっかいを出したら、欲求不満だったらしくホイホイ靡きやがった。三波より僕が選ばれた優越感を感じて何度も繰り返したら恋人を作らなくなった。だから三波に寄って来るαを食いまくってた。
そんな僕はやっぱり先輩が忘れられなかった。だって見た目がドストライクだったし名家のα、超玉の輿でしょ。だからもう一度告白した。そうしたら「誰とでも寝るΩに興味がない」って言われてしまった。
ショック、ショックだよ!三波のせいで手を出していたただけなのに。それでも止めなかった。だって三波が悪いんだから。
そうしてたら高校の時にはビッチ姫って影で言われるようになってしまった。やっぱり三波のせいだ。
こうなったらとことん奪い取ってやろうと思ったら三波は難関大学を受けると聞いた。
は?マジ何で僕が行けそうにも無いトコ選ぶの?さすがに慌てた僕は2年間みっちり成績を上げ大学を受けた。同じ学部にしたかったけど、無理すぎて大学内では一番低い偏差値の学部でギリギリ大学へ入った。親は純粋に喜んでいたけど僕はまた三波に嫌がらせを出来ると浮き足立った。
が、大学へ入ると三波はあのおキレイな顔を隠して過ごすようになった。そうしたら誰も三波に寄ってこない。
ふざけるなよ!せっかく頑張って入学したのにそれか!そう思っていたら思ってもいなかった人に会った。
先輩だ。
頭が良かった先輩は医学部に在籍しているらしく、接点が食堂しかなかったが、それでも見れるのは嬉しかった。
だがまたお前か三波、ボサボサヨレヨレで先輩と話しやがって。でも2人共世間話しかしてなくて距離も一定を保っていたから今回油断した。
久しぶりに三波に寄って来た知久を寝取ったまでは良かったけど、寝取った宣言した次の週にはアレってどうなのさ⁉
三波が顔を晒して先輩が隣にいる……それが何を意味するかなんて簡単に分かる。先輩諦めてなかったんだ……
7年間のαの執着……もう三波は先輩から逃げられないだろう。そう思ったらなんかどうでもよくなってしまった。
知久は何か企んでいるみたいだけど止めた方がいいんじゃない?
~~~~~~~~~~~
叶の「ビッチ姫」は自業自得です。
瀬名のせいにしていますが元々ビッチの素質があっただけ。誰でも寝れるタイプの人です。
瀬名は被験者にならなくても貞操は守るタイプ。叶とは絶対友達になれません。
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