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入学編
番外編 風紀委員会室にて
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今回愛加や宏太は出てきません。
ほぼ会話のみの話となっております。
愛加と宏太の親衛隊を結成してから1週間、宏太に近寄って来た女生徒は、親衛隊がガードしているにも関わらず隙を突いて近づいてくる。
そこで2人の親衛隊長である八重樫と鹿島は風紀委員長の吉永と副委員長の椿に相談を持ちかけに風紀委員会室へ来ていた。
↓以下、ほぼ会話
八重樫「……という訳でさあ、どうも隙を突いて突撃されるんだよなぁ」
鹿島「隊員の交代や昼食の配膳、放課後の隙間を狙われてますね」
椿「こちらも現状は把握しています。それと頼まれていた調査書が上がってきていますよ」
八重樫「さすが!吉永の御庭番」
パチリと指を鳴らす八重樫に椿は一礼する。
椿「ありがとうございます。件の女生徒は秋田鈴音、高校からの外部生です。中2でΩと判定、そのまま普通校に通い学園に入学したようです」
八重樫「あー、だからか。フェロモンや抑制剤を軽んじてるのはそれか」
吉永「だろうな。バース判定が早ければ早い段階ほど気をつけるしな」
椿「はい。家庭も一応父親が会社を経営していますが、両親共βだそうでバース教育は学校のみでしょう」
鹿島「しかもβを前提としたバース教育じゃやってないのと同じですよ」
八重樫「だなぁ」
吉永「それに関してなんだが今年も外部生対象にバース講習を行おうと思っている」
八重樫「毎年外部生が問題を起こすからな。ご苦労さん」
椿「12年前から毎年行ってますからね、計画書類も残ってますし問題なく出来ますよ」
八重樫「12年前何あったんだよ……」
吉永「詳しい事は話せないがその時は風紀だけではなく生徒会も大変だったようだ。食堂の中二階のフロアや親衛隊もその頃出来たものだしな」
鹿島「それだけよっぽどの事が起きたという事ですか」
吉永「資料によればその時の生徒会長と庶務が色々と動いたようだ」
八重樫「生徒会長と庶務、12年前………あの人達か!あー、納得」
鹿島「なんだ知り合いか?」
八重樫「知り合いも何もゴニョゴニョ」
鹿島「あー………」
2人が少し遠い目をしたのが気になるが吉永と椿はそこには触れず話を女生徒の方へ戻す。
椿「秋田鈴音は元々の見た目からかなり自分に自信があったようです。そこにΩと判定され、αを狙うようになったみたいですね。ただこれに関しては母親がかなりの野心家らしく、周囲に学園で名家のαと番って来ると言いふらしてるようです」
八重樫「家との繋がりを持つために近づくなんざうちの学園にはよくある事じゃないか」
鹿島「ですね。しかしうちの宏太に手を出すなら話は別です」
椿「それなんですが中学から数人のαをキープしていますがここにきて北大路くん1人に絞ったようです」
鹿島「迷惑な」
椿「どうやらひとめぼれしたらしく、周囲に『運命』と話しているみたいですね」
八重樫「はあ?ひとめぼれで運命感じてたらバース関係なく世の中運命が溢れかえってるっつーの」
吉永「本当にそうならαとβでも『運命』になれるのにな」
椿「香苗様……」
八重樫「なんだ吉永、お前ズコバコしたいヤツでもいんのか?突っ込む側?突っ込まれる側?」
吉永「なっなっなっなっ……ズッ…バコ……!」
椿「八重樫先輩からかわないでください!」
八重樫「おーおー顔真っ赤にして初心だねぇ」
鹿島「恭司分かってて言ってますね。セクハラも度が過ぎてますよ」
吉永「…………!!」
うつ伏せになり耳まで赤くなっている吉永に八重樫は可笑しそうに笑う。
八重樫「わりぃわりぃ、長い付き合いなんだ許せ」
椿「何故上から目線なんですか。もうこうなったら香苗様は使い物になりませんよ、反省してください」
吉永「………」
椿「話を戻しますが、隙を突いて突撃してくる事に関しては多分毎週提出が義務付けられている親衛隊の行動表を見ている可能性があります」
鹿島「確かにそれなら納得ですが、風紀にあるものがどうやって入手できるのか……」
椿「それは今信用のおける者に頼んで調査中です。少し時間をください」
八重樫「宜しくな。望まない番は不幸しか呼ばないし何よりうちの姫さんが悲しむ」
椿「分かってます。本物の運命に横槍は入れさせませんよ」
鹿島「それでは俺達はこのまま生徒会室に行って話してきますね」
そう言って八重樫と鹿島は風紀委員会室を後にする。
吉永「………」
椿「香苗様大丈夫ですか?」
吉永「………はあ」
椿「香苗様も難儀な人を好きになられましたね」
吉永「言うな」
椿「はいはい、拗らせるのはいいですが見ている身にもなってくださいよ」
吉永「……善処する」
椿「まあ今回は去年も似たような件があったので対処はそう難しくないでしょう。12年前の事件に比べたらマシでしょうね」
吉永「そうだな」
風紀委員長には代々受け継がれているファイルが存在する。
学園で起こった事件に関するファイルだがそれも12年前のある事件から残されている。そこに当時の風紀委員長が残した走り書き。
それを歴代の風紀委員長が警戒している。
吉永「私の代には無ければいいのだが……」
後に起こる騒動が12年前の騒動とリンクしていると吉永と椿が気づき青くなるのはかなり後の事である。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
☆ミニ情報☆
椿は吉永家に代々仕えるβ家系で側近と護衛を兼ねています。キョンちゃん先輩も似たような立場です。
キョンちゃん先輩との出会いは八重樫家が開いている道場(空手・合気道)に吉永と椿が行った事がきっかけです。
ほぼ会話のみの話となっております。
愛加と宏太の親衛隊を結成してから1週間、宏太に近寄って来た女生徒は、親衛隊がガードしているにも関わらず隙を突いて近づいてくる。
そこで2人の親衛隊長である八重樫と鹿島は風紀委員長の吉永と副委員長の椿に相談を持ちかけに風紀委員会室へ来ていた。
↓以下、ほぼ会話
八重樫「……という訳でさあ、どうも隙を突いて突撃されるんだよなぁ」
鹿島「隊員の交代や昼食の配膳、放課後の隙間を狙われてますね」
椿「こちらも現状は把握しています。それと頼まれていた調査書が上がってきていますよ」
八重樫「さすが!吉永の御庭番」
パチリと指を鳴らす八重樫に椿は一礼する。
椿「ありがとうございます。件の女生徒は秋田鈴音、高校からの外部生です。中2でΩと判定、そのまま普通校に通い学園に入学したようです」
八重樫「あー、だからか。フェロモンや抑制剤を軽んじてるのはそれか」
吉永「だろうな。バース判定が早ければ早い段階ほど気をつけるしな」
椿「はい。家庭も一応父親が会社を経営していますが、両親共βだそうでバース教育は学校のみでしょう」
鹿島「しかもβを前提としたバース教育じゃやってないのと同じですよ」
八重樫「だなぁ」
吉永「それに関してなんだが今年も外部生対象にバース講習を行おうと思っている」
八重樫「毎年外部生が問題を起こすからな。ご苦労さん」
椿「12年前から毎年行ってますからね、計画書類も残ってますし問題なく出来ますよ」
八重樫「12年前何あったんだよ……」
吉永「詳しい事は話せないがその時は風紀だけではなく生徒会も大変だったようだ。食堂の中二階のフロアや親衛隊もその頃出来たものだしな」
鹿島「それだけよっぽどの事が起きたという事ですか」
吉永「資料によればその時の生徒会長と庶務が色々と動いたようだ」
八重樫「生徒会長と庶務、12年前………あの人達か!あー、納得」
鹿島「なんだ知り合いか?」
八重樫「知り合いも何もゴニョゴニョ」
鹿島「あー………」
2人が少し遠い目をしたのが気になるが吉永と椿はそこには触れず話を女生徒の方へ戻す。
椿「秋田鈴音は元々の見た目からかなり自分に自信があったようです。そこにΩと判定され、αを狙うようになったみたいですね。ただこれに関しては母親がかなりの野心家らしく、周囲に学園で名家のαと番って来ると言いふらしてるようです」
八重樫「家との繋がりを持つために近づくなんざうちの学園にはよくある事じゃないか」
鹿島「ですね。しかしうちの宏太に手を出すなら話は別です」
椿「それなんですが中学から数人のαをキープしていますがここにきて北大路くん1人に絞ったようです」
鹿島「迷惑な」
椿「どうやらひとめぼれしたらしく、周囲に『運命』と話しているみたいですね」
八重樫「はあ?ひとめぼれで運命感じてたらバース関係なく世の中運命が溢れかえってるっつーの」
吉永「本当にそうならαとβでも『運命』になれるのにな」
椿「香苗様……」
八重樫「なんだ吉永、お前ズコバコしたいヤツでもいんのか?突っ込む側?突っ込まれる側?」
吉永「なっなっなっなっ……ズッ…バコ……!」
椿「八重樫先輩からかわないでください!」
八重樫「おーおー顔真っ赤にして初心だねぇ」
鹿島「恭司分かってて言ってますね。セクハラも度が過ぎてますよ」
吉永「…………!!」
うつ伏せになり耳まで赤くなっている吉永に八重樫は可笑しそうに笑う。
八重樫「わりぃわりぃ、長い付き合いなんだ許せ」
椿「何故上から目線なんですか。もうこうなったら香苗様は使い物になりませんよ、反省してください」
吉永「………」
椿「話を戻しますが、隙を突いて突撃してくる事に関しては多分毎週提出が義務付けられている親衛隊の行動表を見ている可能性があります」
鹿島「確かにそれなら納得ですが、風紀にあるものがどうやって入手できるのか……」
椿「それは今信用のおける者に頼んで調査中です。少し時間をください」
八重樫「宜しくな。望まない番は不幸しか呼ばないし何よりうちの姫さんが悲しむ」
椿「分かってます。本物の運命に横槍は入れさせませんよ」
鹿島「それでは俺達はこのまま生徒会室に行って話してきますね」
そう言って八重樫と鹿島は風紀委員会室を後にする。
吉永「………」
椿「香苗様大丈夫ですか?」
吉永「………はあ」
椿「香苗様も難儀な人を好きになられましたね」
吉永「言うな」
椿「はいはい、拗らせるのはいいですが見ている身にもなってくださいよ」
吉永「……善処する」
椿「まあ今回は去年も似たような件があったので対処はそう難しくないでしょう。12年前の事件に比べたらマシでしょうね」
吉永「そうだな」
風紀委員長には代々受け継がれているファイルが存在する。
学園で起こった事件に関するファイルだがそれも12年前のある事件から残されている。そこに当時の風紀委員長が残した走り書き。
それを歴代の風紀委員長が警戒している。
吉永「私の代には無ければいいのだが……」
後に起こる騒動が12年前の騒動とリンクしていると吉永と椿が気づき青くなるのはかなり後の事である。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
☆ミニ情報☆
椿は吉永家に代々仕えるβ家系で側近と護衛を兼ねています。キョンちゃん先輩も似たような立場です。
キョンちゃん先輩との出会いは八重樫家が開いている道場(空手・合気道)に吉永と椿が行った事がきっかけです。
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