29 / 35
友達できちゃった編
ジークフリートは茶会に行きたくない
しおりを挟む
ジークフリートの求婚が成功(?)し喜ぶ姿を王と王妃は微笑ましげに見つめる。
玉藻は見た目も可愛くマナーも卒なくこなし女神アマンベールからΩである事も聞いている。自分達も気に入っているので反対するつもりはない。
ただ元は神に使える眷属であり女神アマンベールの愛し子という血を王家に入れるメリットは大きいが、その存在が他国との争いの火種になる可能性は高い。
愛し子自体過去何人かいたので問題はないが、神の眷属だった事は秘匿した方がいいとアマンベールが言っていた事もあり、知るのは王族以外教皇とロイズだけである。
「ジーク、婚約はみんながバース性が確定する10歳にしよう。それまでは親交を深める時期だと思って行動するように」
「えっ、何故ですか⁉僕はすぐにでもタマモを婚約という名で縛りたいのに!」
「縛るって怖っ!いつの間にヤンデレ方向に・・・・・・コホン、去年バース性が決まった後に婚約者を決めると各爵家に親書を送っているから、余程の事が無い限り王家が勝手に婚約者を擁立できないのだよ」
「・・・・・・分かりました」
ぷぅと頬を膨らませて拗ねるのを見てまだまだ子供だなと思いながらも、幼いながらもαの執着をチラつかせる息子にちょっぴり慄く王。何も分からずジークフリートに抱きしめられながらもお菓子を食べる玉藻に、心の中でエールを送っておくようだ。
お茶会当日、庭園に設置された子供サイズのテーブルには色とりどりのお菓子がスタンドや大皿に置かれ、その周りには親に連れられた高位貴族の子息子女が今か今かと王子が来るのを待っていた。
今回招かれたのは王都に邸やタウンハウスを持っている伯爵以上の子息子女。
しかし去年問題を起こしたモエル侯爵家は招かれていない。彼らは降爵処分を受け伯爵になったが、両親は1年間、子供達は3年間の登城禁止が科せられている為参加したくても出来ない状態なのだが。
「は~~~嫌だなぁ」
そう愚痴るのは王と王妃に連れられ歩くジークフリート。その手は玉藻をしっかりと握っている。
側近選びくらい書類で選考してくれていいのにと王に提案したのだが「人となりは見てみないと分からない」と却下されてしまった。実際そうなんだろうとそこは納得したのだが、問題は王子の婚約者にと群がってくるであろう子息子女だ。
既に玉藻に狙いを定めているジークフリートとしては鬱陶しい無駄な時間でしかない。それでも形だけはと庭園に向かっているのだから足取りは軽くはない。
「ジーク今日のお菓子楽しみだね。マカロンあるかなぁ?」
玉藻はお菓子が大好きだ。神域では見たことがないお菓子ばかり。特に見た目も可愛く甘く口の中でホロリとするマカロンがお気に入りだ。それを知っている王宮のパティシエが毎日紅茶の菓子受けに出すほどで、何度か直接お礼を言いに行き玉藻の「いつも美味しいお菓子ありがとう♡」に毎回パティシエがキュン死しかけている。
「うん、あると思うよ。いつものように食べさせてあげるね」
「ありがとー」
そんな会話を王や王妃、護衛はほんわかした気持ちで見ていたが、後に茶会で「あれは給餌では?」という周りの会話で頭を抱える事になる。
そう、初めて玉藻に会った時から当たり前のようにジークフリートがしていたので慣れすぎてそれがαの給餌だというのをスポーンと忘れていたのである。
玉藻は見た目も可愛くマナーも卒なくこなし女神アマンベールからΩである事も聞いている。自分達も気に入っているので反対するつもりはない。
ただ元は神に使える眷属であり女神アマンベールの愛し子という血を王家に入れるメリットは大きいが、その存在が他国との争いの火種になる可能性は高い。
愛し子自体過去何人かいたので問題はないが、神の眷属だった事は秘匿した方がいいとアマンベールが言っていた事もあり、知るのは王族以外教皇とロイズだけである。
「ジーク、婚約はみんながバース性が確定する10歳にしよう。それまでは親交を深める時期だと思って行動するように」
「えっ、何故ですか⁉僕はすぐにでもタマモを婚約という名で縛りたいのに!」
「縛るって怖っ!いつの間にヤンデレ方向に・・・・・・コホン、去年バース性が決まった後に婚約者を決めると各爵家に親書を送っているから、余程の事が無い限り王家が勝手に婚約者を擁立できないのだよ」
「・・・・・・分かりました」
ぷぅと頬を膨らませて拗ねるのを見てまだまだ子供だなと思いながらも、幼いながらもαの執着をチラつかせる息子にちょっぴり慄く王。何も分からずジークフリートに抱きしめられながらもお菓子を食べる玉藻に、心の中でエールを送っておくようだ。
お茶会当日、庭園に設置された子供サイズのテーブルには色とりどりのお菓子がスタンドや大皿に置かれ、その周りには親に連れられた高位貴族の子息子女が今か今かと王子が来るのを待っていた。
今回招かれたのは王都に邸やタウンハウスを持っている伯爵以上の子息子女。
しかし去年問題を起こしたモエル侯爵家は招かれていない。彼らは降爵処分を受け伯爵になったが、両親は1年間、子供達は3年間の登城禁止が科せられている為参加したくても出来ない状態なのだが。
「は~~~嫌だなぁ」
そう愚痴るのは王と王妃に連れられ歩くジークフリート。その手は玉藻をしっかりと握っている。
側近選びくらい書類で選考してくれていいのにと王に提案したのだが「人となりは見てみないと分からない」と却下されてしまった。実際そうなんだろうとそこは納得したのだが、問題は王子の婚約者にと群がってくるであろう子息子女だ。
既に玉藻に狙いを定めているジークフリートとしては鬱陶しい無駄な時間でしかない。それでも形だけはと庭園に向かっているのだから足取りは軽くはない。
「ジーク今日のお菓子楽しみだね。マカロンあるかなぁ?」
玉藻はお菓子が大好きだ。神域では見たことがないお菓子ばかり。特に見た目も可愛く甘く口の中でホロリとするマカロンがお気に入りだ。それを知っている王宮のパティシエが毎日紅茶の菓子受けに出すほどで、何度か直接お礼を言いに行き玉藻の「いつも美味しいお菓子ありがとう♡」に毎回パティシエがキュン死しかけている。
「うん、あると思うよ。いつものように食べさせてあげるね」
「ありがとー」
そんな会話を王や王妃、護衛はほんわかした気持ちで見ていたが、後に茶会で「あれは給餌では?」という周りの会話で頭を抱える事になる。
そう、初めて玉藻に会った時から当たり前のようにジークフリートがしていたので慣れすぎてそれがαの給餌だというのをスポーンと忘れていたのである。
1
お気に入りに追加
270
あなたにおすすめの小説

皇帝にプロポーズされても断り続ける最強オメガ
手塚エマ
BL
テオクウィントス帝国では、
アルファ・べータ・オメガ全階層の女性のみが感染する奇病が蔓延。
特効薬も見つからないまま、
国中の女性が死滅する異常事態に陥った。
未婚の皇帝アルベルトも、皇太子となる世継ぎがいない。
にも関わらず、
子供が産めないオメガの少年に恋をした。


美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

有能官吏、料理人になる。〜有能で、皇帝陛下に寵愛されている自分ですが、このたび料理人になりました〜
𦚰阪 リナ
BL
琳国の有能官吏、李 月英は官吏だが食欲のない皇帝、凛秀のため、何かしなくてはならないが、何をしたらいいかさっぱるわからない。
だがある日、美味しい料理を作くれば、少しは気が紛れるのではないかと考え、厨房を見学するという名目で、厨房に来た。
そこで出逢った簫 完陽に料理人を料理を教えてもらうことに。
そのことがきっかけで月英は、料理の腕に目覚めて…?!
料理×BL×官吏のごちゃまぜ中華風お料理物語、ここに開幕!
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
拾った駄犬が最高にスパダリ狼だった件
竜也りく
BL
旧題:拾った駄犬が最高にスパダリだった件
あまりにも心地いい春の日。
ちょっと足をのばして湖まで採取に出かけた薬師のラスクは、そこで深手を負った真っ黒ワンコを見つけてしまう。
治療しようと近づいたらめちゃくちゃ威嚇されたのに、ピンチの時にはしっかり助けてくれた真っ黒ワンコは、なぜか家までついてきて…。
受けの前ではついついワンコになってしまう狼獣人と、お人好しな薬師のお話です。
★不定期:1000字程度の更新。
★他サイトにも掲載しています。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる