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うっかり渡っちゃった編
神、真面目に仕事する
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カリカリカリカリ・・・・・・
神、今日は朝から珍しく真面目に仕事をしています。
「主神、少しお耳に入れておきたい話が」
そんな神のもとに炎舞が華炎と黒曜から報告を受け執務室に来ていた。
「どうやらマモンが玉藻の世界に降りるようです」
「ああその事か。さっき魔界から連絡来よったで」
「左様ですか」
いつもならすぐ執務室から逃げる神が、ペンを走らせながら執務をこなす姿に少し驚きながら頷く。
「大丈夫でしょうか」
「平気やろ。魔人は高位になるほど低次元の世界では制約がかかるしな。せやから直接手出し出来ないやろ」
「それでも"強欲"ですよ。何か仕掛けるかもしれません。そうすればあそこの世界の均衡が崩れてしまいます」
「下位ならまだしも7魔人は魂に制約が刻まれてるんや。下僕を使って何かするかもしれんけど、下手に動いたら魂まで消滅してまうからやらんやらん」
手をヒラヒラさせながらもやはり書類から目をそらさず書き続ける神。
「・・・・・・分かりました。でも一応注視しておきます。・・・・・・で、何で仕事をしているんですか?」
「え、我疑われてるん?」
「何も無くて仕事をする方ではありませんから」
真面目に仕事をしているだけで酷い言われようだが、過去の実績から言われても仕方ない。だって神だもの。
「酷くない?我だってたまには真面目に仕事するで」
さすがに顔を上げぷんすこ怒る神。全身輝いているので表情は見えないが頬を膨らませているらしい。
「そうでしょうか。こう真面目に仕事をする時はこの後そうですね・・・・・・数日姿をくらます時でしょうか」
「(ギクッ)」
「定期的にあるので分かり易いですよね」
「そんなに分かり易いん?」
「もちろん。それに族長の引き継ぎの時に『神の取扱説明書』を貰ってますからね」
「知らんわそんなん。どうりで我の行動読まれてるわけやん。やられたわー」
ペチリと額を叩き天を仰ぐ。
「それで今回はどちらに行かれるつもりですか?」
「・・・・・・確信持ってるやん。今回はせーちゃんとまーちゃん3人で温泉にでも浸かって日頃の疲れを癒そうかと」
「精霊王と魔王とですか。その前に疲れるほど仕事してませんよね?」
「しとるしとる。せーちゃんとまーちゃんも疲れたーって言っとったで」
「そんな訳ないでしょう。お2方も主神と同じような性格しているんですから」
「我ら同じようなもんやしな」
フンスと胸を張っているが、3人共いい加減な性格してるよと言われているのに神よ気づけ。
「分かりました。ではそれまでにこの書類ちゃっちゃと片付けてください」
「ちょっ、いつもより多ない?」
「数日居ないんですから当たり前です。ほら、ちゃっちゃとやる!」
「神使い荒いなぁ」
こうして温泉に行くまで缶詰め状態で仕事を進める神。他の2人も別の所で同じ状態になっていたという事を温泉で愚痴る事で発覚するのはもう少し後の話。
神、今日は朝から珍しく真面目に仕事をしています。
「主神、少しお耳に入れておきたい話が」
そんな神のもとに炎舞が華炎と黒曜から報告を受け執務室に来ていた。
「どうやらマモンが玉藻の世界に降りるようです」
「ああその事か。さっき魔界から連絡来よったで」
「左様ですか」
いつもならすぐ執務室から逃げる神が、ペンを走らせながら執務をこなす姿に少し驚きながら頷く。
「大丈夫でしょうか」
「平気やろ。魔人は高位になるほど低次元の世界では制約がかかるしな。せやから直接手出し出来ないやろ」
「それでも"強欲"ですよ。何か仕掛けるかもしれません。そうすればあそこの世界の均衡が崩れてしまいます」
「下位ならまだしも7魔人は魂に制約が刻まれてるんや。下僕を使って何かするかもしれんけど、下手に動いたら魂まで消滅してまうからやらんやらん」
手をヒラヒラさせながらもやはり書類から目をそらさず書き続ける神。
「・・・・・・分かりました。でも一応注視しておきます。・・・・・・で、何で仕事をしているんですか?」
「え、我疑われてるん?」
「何も無くて仕事をする方ではありませんから」
真面目に仕事をしているだけで酷い言われようだが、過去の実績から言われても仕方ない。だって神だもの。
「酷くない?我だってたまには真面目に仕事するで」
さすがに顔を上げぷんすこ怒る神。全身輝いているので表情は見えないが頬を膨らませているらしい。
「そうでしょうか。こう真面目に仕事をする時はこの後そうですね・・・・・・数日姿をくらます時でしょうか」
「(ギクッ)」
「定期的にあるので分かり易いですよね」
「そんなに分かり易いん?」
「もちろん。それに族長の引き継ぎの時に『神の取扱説明書』を貰ってますからね」
「知らんわそんなん。どうりで我の行動読まれてるわけやん。やられたわー」
ペチリと額を叩き天を仰ぐ。
「それで今回はどちらに行かれるつもりですか?」
「・・・・・・確信持ってるやん。今回はせーちゃんとまーちゃん3人で温泉にでも浸かって日頃の疲れを癒そうかと」
「精霊王と魔王とですか。その前に疲れるほど仕事してませんよね?」
「しとるしとる。せーちゃんとまーちゃんも疲れたーって言っとったで」
「そんな訳ないでしょう。お2方も主神と同じような性格しているんですから」
「我ら同じようなもんやしな」
フンスと胸を張っているが、3人共いい加減な性格してるよと言われているのに神よ気づけ。
「分かりました。ではそれまでにこの書類ちゃっちゃと片付けてください」
「ちょっ、いつもより多ない?」
「数日居ないんですから当たり前です。ほら、ちゃっちゃとやる!」
「神使い荒いなぁ」
こうして温泉に行くまで缶詰め状態で仕事を進める神。他の2人も別の所で同じ状態になっていたという事を温泉で愚痴る事で発覚するのはもう少し後の話。
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