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うっかり渡っちゃった編
玉藻語る
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「そんな事より陛下、手紙の続きを話した方がよろしいのでは?」
玉藻がお菓子に満足したのを確認し、小さな口を優しく拭きながらロイズが王に鋭い目を向ける。
「あ・・・ああそうだったな。タマモはこれから週一回女神アマンベールの所へ通い力の使い方を勉強するようにと手紙に書いてあったが、何か聞いているかい?」
「うん、あまめちゃ・・・ベールちゃんしかおしえられないからっていってたの」
どうやら玉藻はアマンベールに「雨女はダサいから呼ばないで!アマンベールって呼んで!」と言われ呼ぼうとしたけどカミカミで言えなかったらしくベールになったようだ。
「そうか。では調整をして出向く曜日を決めよう。・・・・・・ここからが本題なのだがタマモ、先日王宮から連れ出された時の事を聞きたい。ゆっくりでいいからなるべく詳しく教えてくれないか」
「うん」
「では書記官、ここから記録するように」
「了解しました」
玉藻がモエル侯爵家の令嬢に王宮から攫われた事は大事になっており、過去の事例からある程度の処罰は決まっている。
今回はそれに加え玉藻をどのように扱ったかによって罰が重くなる為、正式な記録を取り書面に残す事になっている。もっともアマンベールからの手紙で一言「ヤッチマイナー!」と書いてあるのでさらに処罰が重くなるのは決定だ。
たどたどしく玉藻が身振り手振りで説明していくが、尻尾を掴まれてブラブラされたと言えば周りから「おぅ・・・・・・」と悲しみの声が漏れ、首にリボンをキツく結ばれ苦しかったと言うとロイズが小型のナイフを取り出し研ぎ始め、生肉を出されたと言えば「タマモの好きなのはお菓子だよね!」とちょっとズレた事をジークフリートが言い、尻尾全部に跡がつくくらいリボンを結ばれたと涙目で言うと「痛かったねぇ・・・・・・」と王とジークフリートが尻尾を撫でるというみんな反応良すぎなリアクションをしている。書記官はというと優秀な彼は、鼻をすすりながら「大変だったねぇ」と言いながらも凄い勢いで書きとめていく。
「あのこね、ぼくをかうっていったの。だからみんなのところにかえれないんじゃないかってこわかったの」
その時の事を思い出し瞳を潤ませふるふる震える玉藻。
「だからジーク、ロイズむかえにきてくれてありがとう」
鼻血から立ち直ったジークフリートは抱きつきながらお礼を言う玉藻をぎゅっとし、今後しっかり囲おうと決意する。
「タマモ様、次はそうなる前に排除いたしますからご安心を」
「ロイズ笑顔でナイフを研ぐのはやめなさい」
窘めるも「何か問題でも?」と端正な顔を向けるロイズに何でもありませんと小声で言う王。弱い、弱すぎるぞ。
「ま・・・・・・まあ記録も取ったし後で処罰を決めよう。それと今後同じ事が起こらないように次の夜会で周知させよう」
そうして行われた夜会で国王に抱かれた玉藻を女神アマンベールの愛し子として披露、王家で保護すると宣言し周知させた。
もちろんその場にはモエル侯爵家は登城出来ず不参加である。
その時の玉藻の可愛らしさに貴族の間でファンクラブが出来たとか出来ないとか。しかもそのファンクラブ、会長が王妃という噂がまことしやかに流れるのであった。
玉藻がお菓子に満足したのを確認し、小さな口を優しく拭きながらロイズが王に鋭い目を向ける。
「あ・・・ああそうだったな。タマモはこれから週一回女神アマンベールの所へ通い力の使い方を勉強するようにと手紙に書いてあったが、何か聞いているかい?」
「うん、あまめちゃ・・・ベールちゃんしかおしえられないからっていってたの」
どうやら玉藻はアマンベールに「雨女はダサいから呼ばないで!アマンベールって呼んで!」と言われ呼ぼうとしたけどカミカミで言えなかったらしくベールになったようだ。
「そうか。では調整をして出向く曜日を決めよう。・・・・・・ここからが本題なのだがタマモ、先日王宮から連れ出された時の事を聞きたい。ゆっくりでいいからなるべく詳しく教えてくれないか」
「うん」
「では書記官、ここから記録するように」
「了解しました」
玉藻がモエル侯爵家の令嬢に王宮から攫われた事は大事になっており、過去の事例からある程度の処罰は決まっている。
今回はそれに加え玉藻をどのように扱ったかによって罰が重くなる為、正式な記録を取り書面に残す事になっている。もっともアマンベールからの手紙で一言「ヤッチマイナー!」と書いてあるのでさらに処罰が重くなるのは決定だ。
たどたどしく玉藻が身振り手振りで説明していくが、尻尾を掴まれてブラブラされたと言えば周りから「おぅ・・・・・・」と悲しみの声が漏れ、首にリボンをキツく結ばれ苦しかったと言うとロイズが小型のナイフを取り出し研ぎ始め、生肉を出されたと言えば「タマモの好きなのはお菓子だよね!」とちょっとズレた事をジークフリートが言い、尻尾全部に跡がつくくらいリボンを結ばれたと涙目で言うと「痛かったねぇ・・・・・・」と王とジークフリートが尻尾を撫でるというみんな反応良すぎなリアクションをしている。書記官はというと優秀な彼は、鼻をすすりながら「大変だったねぇ」と言いながらも凄い勢いで書きとめていく。
「あのこね、ぼくをかうっていったの。だからみんなのところにかえれないんじゃないかってこわかったの」
その時の事を思い出し瞳を潤ませふるふる震える玉藻。
「だからジーク、ロイズむかえにきてくれてありがとう」
鼻血から立ち直ったジークフリートは抱きつきながらお礼を言う玉藻をぎゅっとし、今後しっかり囲おうと決意する。
「タマモ様、次はそうなる前に排除いたしますからご安心を」
「ロイズ笑顔でナイフを研ぐのはやめなさい」
窘めるも「何か問題でも?」と端正な顔を向けるロイズに何でもありませんと小声で言う王。弱い、弱すぎるぞ。
「ま・・・・・・まあ記録も取ったし後で処罰を決めよう。それと今後同じ事が起こらないように次の夜会で周知させよう」
そうして行われた夜会で国王に抱かれた玉藻を女神アマンベールの愛し子として披露、王家で保護すると宣言し周知させた。
もちろんその場にはモエル侯爵家は登城出来ず不参加である。
その時の玉藻の可愛らしさに貴族の間でファンクラブが出来たとか出来ないとか。しかもそのファンクラブ、会長が王妃という噂がまことしやかに流れるのであった。
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