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うっかり渡っちゃった編
女神説明する
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「体が成長しない・・・・・・?」
いまいち分からないジークフリートが首を傾げる。
「そうよー。神域は時が流れていないから。今玉ちゃんは幼体の状態なの。成長する場合は体に流れる神力の練熟度と本人の意思で成長するのよ。ただ玉ちゃんは魔法陣でこの世界に来たから普通に成長するわね」
それを聞いてジークフリートはホッとする。今の玉藻も可愛いが、自分と同じように成長した玉藻を見てみたいと思っていたからだ。
「まあ、私みたいに神として生きるならその時点で体の時は止まるけど」
「えっ、タマモは神になるんですか⁉」
「例えよ、例え。今回の魔法陣は目的が違うから」
手をひらひらさせて否定するアマンベールに浮いた腰を落とし安心した顔をする。
「アマンベール、その目的とはお教え頂けるのかな?」
聞き役に徹していた教皇が目的と話したアマンベールに食いつく。女神の言葉はお告げと同じ。そう発言したからには詳細を確認しなくてはいけない。
「んー・・・・・・まあ隠す事ではないからいいかな。私の時は争いを収め、生き神として大地を豊かにする事が目的で渡ったの。だから今も恵みの雨を降らせているわ」
アマンベールがこの世界に渡った当時、豊かな土地をめぐって争いが起きている真っ最中。その時ただの怪しい人物でしかなかったアマンベールは、冒険者として渡り歩き鳳凰に身を変え雨を降らせ、こつこつと大地を豊かにしていき権力者に訴えかけ、10年かけて争いを終結させた。
その後生き神となったアマンベールは定期的に各地におもむき雨を降らせている。しかも降らせる時期をその時の気候で決める為、長期留守にする事がある。それが謁見を申し入れても断られる理由だ。
「15ぐらいの体で渡って10年、25で生き神になってから体は時が止まってるわね」
おばあちゃんになる前で良かったわよ~とケラケラ笑うアマンベールに自分達はどんな見た目でもいいがやはり女性、気にするのだろうと一応不敬になりそうなので言わない3人。空気を読めるのである。
「今回の魔法陣の目的は2つあって1つはジークフリート、あなたよ」
「僕、ですか?」
急に振られて驚いた顔でアマンベールを見る。王や教皇も同じだ。
「そう、ジークフリートの『運命の番』をこの世界に呼び寄せる事」
「運命の番・・・・・・」
この世界における性別は男女以外にα、β、Ωというバース性があり、αがΩの項を噛む事により番関係を持つ事ができる。それにはフェロモンが関係しており、フェロモンが好ましい匂いであるほど相性が良く、その中の最たるものが『運命の番』である。
運命の番は見た瞬間に分かるらしく、離れがたいものと言われている。
「本当はね、玉ちゃんじゃなくて違う子が来る予定だったんだけどね。主神がやらかしてくれて玉ちゃんが来ちゃったんだ」
「それは少しタマモから聞きました。何でも神様がつまづいて投げ落ちた所が魔法陣でこちらの世界に来てしまったと」
「そうなのよ~主神ったらドジっ子属性持ちでね、今まで何度も同じ事してるのよね~。困ったものだわ」
いやホント大丈夫なのかよその神。とは思ってもやはり言えない3人。罰が当たりそうだから。
「魔法陣の設定がどうなっていたか分からないから、来る予定だった子自体が運命の番だったのかそれとも渡った子が運命の番になるのか今問い合わせ中だから待っててね」
ウインクしながら言われたが、頷くしかできないジークフリート。希望としては玉藻が運命だといいなと思っているのが表情で丸わかりである。
「ちなみに来る予定だった子はとのような子だったんでしょうか?」
「あ、気になる?ん~~~・・・実はあんまり印象に残ってないんだよねぇ。そもそも私と玉ちゃんは種族が違うし」
「種族?」
「そう、私は鳳凰族なんだけど玉ちゃんは神狐族なのよ。神狐族は色が薄い毛並みと尻尾の数が多いほど神力が多いとされていて、族長は金毛六尾なの。で、族長の子供で白銀九尾の玉ちゃんは神狐族最強の狐なのよ。だから産まれた時から神様に使える事が決まってたんだ。それなのに主神のポカで異世界に行っちゃったもんだから向こうは大騒ぎよ」
「「「え」」」
「玉ちゃんと仲が良かった2人が暴れてるらしいし、主神は怒られてる」
え、神様って怒られるの?と思っている3人、神めっちゃ怒られてます。
いまいち分からないジークフリートが首を傾げる。
「そうよー。神域は時が流れていないから。今玉ちゃんは幼体の状態なの。成長する場合は体に流れる神力の練熟度と本人の意思で成長するのよ。ただ玉ちゃんは魔法陣でこの世界に来たから普通に成長するわね」
それを聞いてジークフリートはホッとする。今の玉藻も可愛いが、自分と同じように成長した玉藻を見てみたいと思っていたからだ。
「まあ、私みたいに神として生きるならその時点で体の時は止まるけど」
「えっ、タマモは神になるんですか⁉」
「例えよ、例え。今回の魔法陣は目的が違うから」
手をひらひらさせて否定するアマンベールに浮いた腰を落とし安心した顔をする。
「アマンベール、その目的とはお教え頂けるのかな?」
聞き役に徹していた教皇が目的と話したアマンベールに食いつく。女神の言葉はお告げと同じ。そう発言したからには詳細を確認しなくてはいけない。
「んー・・・・・・まあ隠す事ではないからいいかな。私の時は争いを収め、生き神として大地を豊かにする事が目的で渡ったの。だから今も恵みの雨を降らせているわ」
アマンベールがこの世界に渡った当時、豊かな土地をめぐって争いが起きている真っ最中。その時ただの怪しい人物でしかなかったアマンベールは、冒険者として渡り歩き鳳凰に身を変え雨を降らせ、こつこつと大地を豊かにしていき権力者に訴えかけ、10年かけて争いを終結させた。
その後生き神となったアマンベールは定期的に各地におもむき雨を降らせている。しかも降らせる時期をその時の気候で決める為、長期留守にする事がある。それが謁見を申し入れても断られる理由だ。
「15ぐらいの体で渡って10年、25で生き神になってから体は時が止まってるわね」
おばあちゃんになる前で良かったわよ~とケラケラ笑うアマンベールに自分達はどんな見た目でもいいがやはり女性、気にするのだろうと一応不敬になりそうなので言わない3人。空気を読めるのである。
「今回の魔法陣の目的は2つあって1つはジークフリート、あなたよ」
「僕、ですか?」
急に振られて驚いた顔でアマンベールを見る。王や教皇も同じだ。
「そう、ジークフリートの『運命の番』をこの世界に呼び寄せる事」
「運命の番・・・・・・」
この世界における性別は男女以外にα、β、Ωというバース性があり、αがΩの項を噛む事により番関係を持つ事ができる。それにはフェロモンが関係しており、フェロモンが好ましい匂いであるほど相性が良く、その中の最たるものが『運命の番』である。
運命の番は見た瞬間に分かるらしく、離れがたいものと言われている。
「本当はね、玉ちゃんじゃなくて違う子が来る予定だったんだけどね。主神がやらかしてくれて玉ちゃんが来ちゃったんだ」
「それは少しタマモから聞きました。何でも神様がつまづいて投げ落ちた所が魔法陣でこちらの世界に来てしまったと」
「そうなのよ~主神ったらドジっ子属性持ちでね、今まで何度も同じ事してるのよね~。困ったものだわ」
いやホント大丈夫なのかよその神。とは思ってもやはり言えない3人。罰が当たりそうだから。
「魔法陣の設定がどうなっていたか分からないから、来る予定だった子自体が運命の番だったのかそれとも渡った子が運命の番になるのか今問い合わせ中だから待っててね」
ウインクしながら言われたが、頷くしかできないジークフリート。希望としては玉藻が運命だといいなと思っているのが表情で丸わかりである。
「ちなみに来る予定だった子はとのような子だったんでしょうか?」
「あ、気になる?ん~~~・・・実はあんまり印象に残ってないんだよねぇ。そもそも私と玉ちゃんは種族が違うし」
「種族?」
「そう、私は鳳凰族なんだけど玉ちゃんは神狐族なのよ。神狐族は色が薄い毛並みと尻尾の数が多いほど神力が多いとされていて、族長は金毛六尾なの。で、族長の子供で白銀九尾の玉ちゃんは神狐族最強の狐なのよ。だから産まれた時から神様に使える事が決まってたんだ。それなのに主神のポカで異世界に行っちゃったもんだから向こうは大騒ぎよ」
「「「え」」」
「玉ちゃんと仲が良かった2人が暴れてるらしいし、主神は怒られてる」
え、神様って怒られるの?と思っている3人、神めっちゃ怒られてます。
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