11 / 19
十話
しおりを挟む
ダンジョン踏破ーーーーー
乙女ゲームの中では学院の敷地内にある厳重に管理されているダンジョンに入りこなすイベントで、攻略対象者と力を合わせ戦い、仲を深める大事なイベントだ。乙女ゲームという事もありサクサク進めるようになっている。
しかし実際のこのダンジョンはガチなダンジョンで、5階ごとに難易度が上がっていき、40~50階はAランク冒険者並の実力が無いとクリア出来ない仕様になっている。
「ちょっと何で私が超初心者グループなのよ⁉」
キイキイと教師に文句を言って注目を浴びているアリサだが、入学から今までの魔法や体術・武術、経験によって学年・クラス関係無くグループ分けされており、ダンジョンに入るとはいえ皆貴族の子息子女、大事にならないよう実力に合った分け方をしている。
乙女ゲームだと思っているアリサは攻略対象者に助けられながらキャッキャウフフでイチャコラできると思っているがガチダンジョンなのだ。超初心者が手練れのグループに入って足を引っ張りクリア出来ない、又は全滅になっては学院側も困るのである。
「アイツ分かってねーなー」
白銀の鎧を纏いロングソードを携えながら遠目に見て呆れた声を出すミハエル。
「ゲームでは好感度アップイベントだからねぇ。どうしても一緒に潜りたいんだよ」
軽装の鎧をマントで隠し右手に肩まである長い杖を持ち腰にショートソードを挿しているクエスフィール。
「でもあの方の実力では足手まといにしかなりませんわよ」
服の中に網タイツのような鎖帷子を着込み、胸当てと篭手と脛当てを装備し両手に戦闘用鉄扇を持つアラベラ。
「超初心者グループの方だと私達に同行するのは無理ですよね」
司祭服のような装いにアラベラと同じ鎖帷子を着込み一番エグイ武器・モーニングスターを持っているシスティア。
4人共ガチ装備である。
それもそのはず、4人は12歳の頃から一緒に色んなダンジョンに潜り踏破し、登録できるようになった14歳から冒険者登録をして既にAランクの冒険者となっている所謂ガチ勢。
貴族にしては珍しいとは思うなかれ、騎士科の生徒や家を継がない次男以降の子息が冒険者登録をし将来の為に力をつけるのは珍しい事ではない。アラベラやシスティアなど少ないが女性もいる。
現に生徒の半数は騎士団の養成所に所属していたり冒険者登録をしている者達だ。なので見渡すとそれぞれしっかりと装備をしている。
それに比べ超初心者グループや初心者グループは見た目重視の軽装が目立つ。そもそも実力が無い為、5階、10階という単位が貰える階層までしか行く気が無い者が大半。無理をする気はさらさら無いのだ。
「出来ない人と出来る人を混ぜて組ませればいいだけじゃない!!」
ゲームでは簡単なダンジョンをクリアするイベントだったのでそう主張しているアリサだが彼女は気づいていない。簡単なダンジョンを踏破していた事はあったが、5年前からガチダンジョンになった事を。
首謀者はミハエル。ダンジョンに潜るようになってから国王に話を通しガチ勢も満足するよう根回し、今のガチダンジョンになったのだ。本人はイベント潰しと心置きなく戦えると大満足している。
「よーし、時間も過ぎたし上級者グループから潜るぞー」
「あっ、ちょっと待ちなさいよ!」
いい加減1人のクレーマーに時間を取られるのが無駄だと思ったのかアリサに対応しているのとは別の教師が手を上げ呼びかける。下の階層へ行けば行くほど時間がかかる事を知っている生徒は速やかに動き始める。
入口にある水晶に冒険者タグをかざし、次々と各スタート地点へ転移していくクエスフィール達に追いつけず目の前で姿を消したのを見て「もう何なのよー!!」というアリサの叫びだけが響いたという。
乙女ゲームの中では学院の敷地内にある厳重に管理されているダンジョンに入りこなすイベントで、攻略対象者と力を合わせ戦い、仲を深める大事なイベントだ。乙女ゲームという事もありサクサク進めるようになっている。
しかし実際のこのダンジョンはガチなダンジョンで、5階ごとに難易度が上がっていき、40~50階はAランク冒険者並の実力が無いとクリア出来ない仕様になっている。
「ちょっと何で私が超初心者グループなのよ⁉」
キイキイと教師に文句を言って注目を浴びているアリサだが、入学から今までの魔法や体術・武術、経験によって学年・クラス関係無くグループ分けされており、ダンジョンに入るとはいえ皆貴族の子息子女、大事にならないよう実力に合った分け方をしている。
乙女ゲームだと思っているアリサは攻略対象者に助けられながらキャッキャウフフでイチャコラできると思っているがガチダンジョンなのだ。超初心者が手練れのグループに入って足を引っ張りクリア出来ない、又は全滅になっては学院側も困るのである。
「アイツ分かってねーなー」
白銀の鎧を纏いロングソードを携えながら遠目に見て呆れた声を出すミハエル。
「ゲームでは好感度アップイベントだからねぇ。どうしても一緒に潜りたいんだよ」
軽装の鎧をマントで隠し右手に肩まである長い杖を持ち腰にショートソードを挿しているクエスフィール。
「でもあの方の実力では足手まといにしかなりませんわよ」
服の中に網タイツのような鎖帷子を着込み、胸当てと篭手と脛当てを装備し両手に戦闘用鉄扇を持つアラベラ。
「超初心者グループの方だと私達に同行するのは無理ですよね」
司祭服のような装いにアラベラと同じ鎖帷子を着込み一番エグイ武器・モーニングスターを持っているシスティア。
4人共ガチ装備である。
それもそのはず、4人は12歳の頃から一緒に色んなダンジョンに潜り踏破し、登録できるようになった14歳から冒険者登録をして既にAランクの冒険者となっている所謂ガチ勢。
貴族にしては珍しいとは思うなかれ、騎士科の生徒や家を継がない次男以降の子息が冒険者登録をし将来の為に力をつけるのは珍しい事ではない。アラベラやシスティアなど少ないが女性もいる。
現に生徒の半数は騎士団の養成所に所属していたり冒険者登録をしている者達だ。なので見渡すとそれぞれしっかりと装備をしている。
それに比べ超初心者グループや初心者グループは見た目重視の軽装が目立つ。そもそも実力が無い為、5階、10階という単位が貰える階層までしか行く気が無い者が大半。無理をする気はさらさら無いのだ。
「出来ない人と出来る人を混ぜて組ませればいいだけじゃない!!」
ゲームでは簡単なダンジョンをクリアするイベントだったのでそう主張しているアリサだが彼女は気づいていない。簡単なダンジョンを踏破していた事はあったが、5年前からガチダンジョンになった事を。
首謀者はミハエル。ダンジョンに潜るようになってから国王に話を通しガチ勢も満足するよう根回し、今のガチダンジョンになったのだ。本人はイベント潰しと心置きなく戦えると大満足している。
「よーし、時間も過ぎたし上級者グループから潜るぞー」
「あっ、ちょっと待ちなさいよ!」
いい加減1人のクレーマーに時間を取られるのが無駄だと思ったのかアリサに対応しているのとは別の教師が手を上げ呼びかける。下の階層へ行けば行くほど時間がかかる事を知っている生徒は速やかに動き始める。
入口にある水晶に冒険者タグをかざし、次々と各スタート地点へ転移していくクエスフィール達に追いつけず目の前で姿を消したのを見て「もう何なのよー!!」というアリサの叫びだけが響いたという。
応援ありがとうございます!
2
お気に入りに追加
119
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる