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四話
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アリサと遭遇をはたし、入学式を終えた4人は生徒会室で一息ついていた。
ここに来る途中、アリサがこちらに寄って来ようとしていたが生徒の波に押し流されていき、それを見たアラベラが「あの子鈍臭くない?」と扇で口を隠しながら呟き「あのまま学院の外まで流されていけばいいのに」と毒づくのはミハエルだ。
手際よく紅茶を淹れて全員分用意するのはクエスフィール。生徒会室には基本侍従や護衛を入室させないのでお茶を用意するのは当番制だ。
紅茶が行き渡り皆無言で口を付け置くとだーーーっ!と声を上げソファーの背にもたれだらける。
「うっわ、やっべ、イベント起きてんじゃん!」
「ミハエル様、言葉が悪いですわよ」
「いーのいーの、今4人しかいないんだからさ。アラベラもいつも通りに呼んでよ、あーたん♡」
「もう・・・・・・みーたん♡」
「は・あ・い♡」
「ヤメロバカップル」
イチャイチャしだす向い側の金髪碧眼王子と公爵令嬢に残念な子を見るような目を向けるクエスフィール。羨ましいんじゃないんだからなっ。
ミハエルが口走った「イベント」という言葉、3人はクエスフィールが前世持ちだという事を知っている。そして前世の知識でこの世界が乙女ゲームに酷似しているのも認識している。しかしクエスフィールは前世を思い出した時はゲームの世界に転生したのかと思ったが、その後似ているだけで全て同じではないのに気づいたのだ。
そもそもクエスフィールからして違うのだ。
ゲームの中のクエスフィールは冷静であまり笑わない優秀文官タイプで、婚約者のシスティアとは可も不可もない間柄。しかし現在のクエスフィールはシスティアだけの王子様になるべく極め、オールマイティスパダリ婚約者溺愛マシーンなのである。
ミハエルだってそうだ。この国の第二王子であるミハエルは王太子の兄にコンプレックスを持つテンプレ王子で、婚約者を毛嫌いするキャラだったはずなのに、実際は能天気な婚約者大好き残念エロ王子なのだ。
さらにゲームで悪役令嬢だったアラベラは淑女の皮を被った武闘派になっており、システィアもパッとしないキャラのはずがクエスフィールの為に努力し、優秀な治療師になっている。
このような状態で乙女ゲームの主人公であるアリサが入学、先ほど出会いのイベントがあったのだ。
「あれって「ミハエルとクエスフィールとの出会いイベント」だろ?」
王子とは思えない口調でクエスフィールに楽しそうに聞くミハエル。
「うんそうだね。「つまづいてミハエルに抱き着いた時に足を捻ってクエスフィールに治療してもらう」はずだった」
「でもいないはずのわたくしとシスティアがいて上手くいかなかった、という事でいいのかしら?」
頷いて説明するクエスフィールにアラベラが確認する。
「ぶつかったのはアラベラ嬢で治療したのはティアだしね。僕とミハエルは直接話してないから大丈夫だと思う」
そう言って浮かない顔をしているシスティアの肩を抱き寄せる。
「ただ名前がねぇ・・・・・・」
ここに来る途中、アリサがこちらに寄って来ようとしていたが生徒の波に押し流されていき、それを見たアラベラが「あの子鈍臭くない?」と扇で口を隠しながら呟き「あのまま学院の外まで流されていけばいいのに」と毒づくのはミハエルだ。
手際よく紅茶を淹れて全員分用意するのはクエスフィール。生徒会室には基本侍従や護衛を入室させないのでお茶を用意するのは当番制だ。
紅茶が行き渡り皆無言で口を付け置くとだーーーっ!と声を上げソファーの背にもたれだらける。
「うっわ、やっべ、イベント起きてんじゃん!」
「ミハエル様、言葉が悪いですわよ」
「いーのいーの、今4人しかいないんだからさ。アラベラもいつも通りに呼んでよ、あーたん♡」
「もう・・・・・・みーたん♡」
「は・あ・い♡」
「ヤメロバカップル」
イチャイチャしだす向い側の金髪碧眼王子と公爵令嬢に残念な子を見るような目を向けるクエスフィール。羨ましいんじゃないんだからなっ。
ミハエルが口走った「イベント」という言葉、3人はクエスフィールが前世持ちだという事を知っている。そして前世の知識でこの世界が乙女ゲームに酷似しているのも認識している。しかしクエスフィールは前世を思い出した時はゲームの世界に転生したのかと思ったが、その後似ているだけで全て同じではないのに気づいたのだ。
そもそもクエスフィールからして違うのだ。
ゲームの中のクエスフィールは冷静であまり笑わない優秀文官タイプで、婚約者のシスティアとは可も不可もない間柄。しかし現在のクエスフィールはシスティアだけの王子様になるべく極め、オールマイティスパダリ婚約者溺愛マシーンなのである。
ミハエルだってそうだ。この国の第二王子であるミハエルは王太子の兄にコンプレックスを持つテンプレ王子で、婚約者を毛嫌いするキャラだったはずなのに、実際は能天気な婚約者大好き残念エロ王子なのだ。
さらにゲームで悪役令嬢だったアラベラは淑女の皮を被った武闘派になっており、システィアもパッとしないキャラのはずがクエスフィールの為に努力し、優秀な治療師になっている。
このような状態で乙女ゲームの主人公であるアリサが入学、先ほど出会いのイベントがあったのだ。
「あれって「ミハエルとクエスフィールとの出会いイベント」だろ?」
王子とは思えない口調でクエスフィールに楽しそうに聞くミハエル。
「うんそうだね。「つまづいてミハエルに抱き着いた時に足を捻ってクエスフィールに治療してもらう」はずだった」
「でもいないはずのわたくしとシスティアがいて上手くいかなかった、という事でいいのかしら?」
頷いて説明するクエスフィールにアラベラが確認する。
「ぶつかったのはアラベラ嬢で治療したのはティアだしね。僕とミハエルは直接話してないから大丈夫だと思う」
そう言って浮かない顔をしているシスティアの肩を抱き寄せる。
「ただ名前がねぇ・・・・・・」
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