BLゲームのモブに転生したはずなのに何故か推しと仲良くなりました

ネコフク

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推しは公爵様になっていました

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 は?え?

 ただ今僕ニック=ネームは混乱しております。

『可憐な花は蝶に愛される』略して『ハナチョウ』。その攻略対象にして僕の推し様のアーサー=シュナイダー様がシヴァ=シュナイダーですと?

 サラサラの銀髪にアイスブルーの瞳で常時無表情の美丈夫なのに、ヒロイン(♂)に攻略されるとはにかむ笑顔を見せるアーサー様。

 それなのに今自己紹介している傾国の美青年は名前が違う。しかもよく見たらアーサー様は銀髪でアイスブルーの瞳だけど、シヴァ=シュナイダーは水色がかった銀髪に薄黄緑と薄紫色のオッドアイ。体型もアーサー様と違い細身でたおやかさがある。顔はアーサー様に似てるような似てないような・・・・・・3次元になるとこんな感じになるのか?でも色々と違うし・・・・・・

 混乱を極めたが顔には出さない。

 貴族、これ、大事。

 自己紹介が終わり明日以降の連絡を聞いたら今日は終了。ちょうど昼食時で食堂で食べてから帰っても良かったんだけど、食欲も無いし頭を整理したくて図書館へと足を運ぶ。
 今日は入学式だし時間も早いからか勉強熱心な生徒が数人しかいない。

 図書館に来るまでに考えていた事を確認する為に、最新の高位貴族家の貴族名鑑を数々の本が並ぶ所から取り出し、隅にある机に広げ捲っていく。最新だけあって数代前から載っている。

 それに比べて実家にある貴族名鑑なんていつの時代よ?ってくらい古い。そもそも社交シーズンは農作物が産地の領地は色々忙しい時期なんだよね。領民だってそこまで多くないからネーム家総出で畑に行く事もある。だから両親も数年に一度くらいしか王都へ行かない。行っても移動合わせてひと月しか領地を空けないし。隣接する領地の貴族家も同じ。僕みたいな三男坊なんて領地の周りの貴族家を分かってればいいし、実際誰も見ないから埃をかぶっているしね。

「・・・・・・あったあった」

 ペラリと捲るとシュナイダー家はすぐ発見。三家ある公爵家のうちの一つがシュナイダー公爵家だ。どの公爵家も王妃を輩出したり、降嫁したりして盤石な地位を築いている。

 ここで『可憐な花は蝶に愛される』略してハナチョウの主人公と攻略対象話をしよう。

 主人公はしがない男爵家の庶子。デフォルトネームは「シリル」。お約束のピンクの髪にピンクの瞳のピンクちゃん。容姿はこれまたお約束の小柄で庇護欲そそる見た目。シュミレーションゲームなんて自己を投影するものだと思っているから、僕的には全く思い入れが無い。むしろピンクピンクしてて萎える。

 攻略対象は5人。少ない気はするけど、それをカバーするくらいの美麗エロスチル満載で集めたスチルを拡大縮小して見れる凄さよ。大画面のテレビで見るのをオススメする。

 1人目の対象者はフェンデル王子。これまたメインヒーローお約束の金髪碧眼でいつも柔和な微笑みをたたえている。通称「微笑み王子」

 2人目の対象者はユリウス=フォン。侯爵家嫡男で宰相の息子。緑髪に茶目のメガネっ子だ。

 3人目の攻略対象はカイザー=バッカス。こちらも侯爵家嫡男で父親が騎士団長をしている。赤髪赤目のがっちりマッチョでお約束の脳筋さん。

 4人目の攻略対象が僕の推しであるアーサー=シュナイダー。銀髪でアイスブルーの瞳の美丈夫。フェンデル王子の幼馴染で側近でもある。

 5人目の攻略対象は王弟マルティネス。王家特有の金髪碧眼で2年目から出てくる一番攻略が難しいキャラだ。

 そしてここがポイント。

 王弟マルティネス以外みんな「婚約者持ち」なのだ。

 このゲームは誰か1人を攻略するか誰も攻略しないみんな友達エンドがあってハーレムエンドは存在しない。婚約者持ちキャラを攻略する場合、穏便に婚約解消か強引に婚約破棄のルートが設けられている。バッドエンドも用意されていて誰からも相手にされないぼっちエンドは泣けた。

 そしてその舞台を背景として堪能しようと鼻息荒くしていた僕。

 しかし貴族名鑑を見ると推しであるアーサー=シュナイダー様は既に公爵家当主になっていた。
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