3 / 21
本編
生徒会登場、会長に顔がバレた⁉
しおりを挟む
入学式から1週間、ウワサは消えず「担がれ陰キャ」と言われるようになってしまった俺。
あの後寮に帰り智也を説教するがどこ吹く風。ホント俺の話を聞かねぇ。
いちるからはからかわれるし、たまに知らない生徒から睨まれる。
睨まれる理由はなんとなく分かる、智也だ。
アイツはオカン属性だけど顔が良いからなー。普通にしてると空手で鍛えてるからスタイルもいいしモテる。常に地味な見た目の俺がいたら気に食わないだろう。
でも俺がくっついているんじゃない、智也がくっついているんだ。
そこテストに出るからな!
そしてもう一つ睨まれる原因らしきものがクラス委員だ。
どうらやクラス委員は月一生徒会主催の会合に出るらしく、役員の皆様とお近づきなるチャンスだと人気の役職なんだといちるが話していた。それなのに俺がクラス委員になったのが気に食わないらしい。出席番号1番だからと勝手に決めた担任に文句を言ってほしい。
「いちる~クラス委員代わって」
「やだよ。後ろから刺されたくないもん」
俺だって刺されたくないよ!一度クラスメイトに嫌味を言われたから代わろうか?って言ったら可愛い系の顔の子たちのキャットファイト(殴り合いではない)が始まって担任に怒られたんだよね。だからこっそり代わってもらおうとしたのに……
ここまで生徒を狂わせる生徒会って怖いんですけど。
ちょっとビクつきながら会議室に行き席に座っていると、時間きっかりに生徒会役員が入ってきた。わっ、全員キラキラのエフェクト背負ってる気がする。
小さいながらも聞こえてきた黄色い声をひと睨みで黙らせた人が会長らしい。黒髪の目元が涼しげなエロいオーラを出してる美青年だ。
「会を始める前に役員の紹介をする。俺は生徒会長の黒主青藍だ。右隣にいるのが副会長の神奈川綾人、会計の飯島真紀、左隣が庶務の米川崇と羽柴哲だ。これから何かと関わると思うので顔と名前を覚えておくように。では始める」
んー、全員覚えるの大変だなぁ。面倒だから毎月1人ずつでいいかな?今回は会長を覚えておこう。などと考えていたら淡々と会が進んでた。一年間の流れと夏休みまでの行事。鬼ごっこって何だこりゃ?
「ちょっとあんた!」
会合も終わり一度教室に戻ってから部活に行こうかと廊下に出ると知らないクラス委員に話しかけられた。敵外心丸出しで。
「あんたウワサの「担がれ陰キャ」でしょ?何であんたなんかがクラス委員になってるのさ」
170に頑張ってもちょっと足りない俺よりも小さい可愛らしい二人組に担がれ陰キャと言われて辱めを受けてしまった。恥ずかしいからそれ言わないでほしい。
「そう言われても担任に決められちゃったし……」
「辞退すればいいだけでしょ!」
「他の人に代わろうとしたらキャットファイトが始まって担任に怒られたから無理でした」
「無理でも代わんな!」
「んな理不尽な」
無茶振りもいいとこだ。面倒だからそろそろ走って逃げようかな。俺、意外と足早いんだぜ。
「煩い。いつまでここで騒いでいる」
ガラリとドアを開けたのは生徒会長でちょっとビビる。会長がジロリと睨むとキャンキャン理不尽なことを言っていた二人組が青くなって黙ってしまった。
うん、煩かったですよねー邪魔ですよねー避けますよ、よいしょっと。
「騒ぐヒマがあったらクラスに戻れ」
「「はいっ!!」」
若干涙目になった二人組は背すじをピンと伸ばし礼をしてから走って行った。さて、俺も帰ろうかと歩き出したら呼び止められてしまった。はて、何でしょう?
「待て、お前は見た目をどうにかしろ」
はあ⁉これはどうにかした結果なんですけど⁉どうよ、この完璧な陰キャスタイル!
「いやぁ陰キャなもんで…」
「陰キャでも普通のナリをしていればあんな事は言われないんだ。とりあえずこのおかしなメガネだけでもどうにかし……ろ……⁉」
「げっ!」
こっちは横暴!しかし勝手に取ろうと俺のメガネに手をかけズラした会長がぴたりと止まる。やべ、顔見られた?
「あー……うん、やっぱりそのままでいい。むしろ外すな」
すっとメガネを戻され口に手を当てモゴモゴ言ってる会長の顔が赤い。これ完全に見られたな。
「会長秘密でお願いします」
「あ…ああ……って速っ!」
踵を返し速攻その場から離れた俺は全速力で教室に戻り部活に行ったのだが、それを見た生徒から「トップランナー陰キャ」とまた不名誉な呼ばれ方をするようになるのだった。
◇◇◇◇◇
「会長に顔バレした⁉」
部活帰りにそのまま食堂で夕飯をとり寮に帰ってきた俺は放課後の出来事を正座して智也に報告をした。
「アレハフカコウリョクデス」
「だとしても!入学して少ししか経ってないのに!しかもよりにもよって会長が!奏さんに連絡しないと……消すか?」
何か不穏なセリフが聞こえてきたんだが?智也と奏さんが揃ったら暗殺できそうだからやめて!
「でっ…でも秘密って言ったし」
「信用ならん!」
今にも殺りに行きそうな智也を「言っても嘘だと思うし!」や「男だし!」「会長もメガネかけてろって言ってた!」など2時間説得し、もう1人では歩かないと約束させられてやっと智也の怒りを収めることに成功した。
会長に関しては学年も違うし何もなければ月一でしか会わないから大丈夫だと思ってたのに、結局食堂でばったり会うことになり智也が警戒しまくりだった。
いやー、会わないと思ってたのに食堂は盲点だったわ。
あの後寮に帰り智也を説教するがどこ吹く風。ホント俺の話を聞かねぇ。
いちるからはからかわれるし、たまに知らない生徒から睨まれる。
睨まれる理由はなんとなく分かる、智也だ。
アイツはオカン属性だけど顔が良いからなー。普通にしてると空手で鍛えてるからスタイルもいいしモテる。常に地味な見た目の俺がいたら気に食わないだろう。
でも俺がくっついているんじゃない、智也がくっついているんだ。
そこテストに出るからな!
そしてもう一つ睨まれる原因らしきものがクラス委員だ。
どうらやクラス委員は月一生徒会主催の会合に出るらしく、役員の皆様とお近づきなるチャンスだと人気の役職なんだといちるが話していた。それなのに俺がクラス委員になったのが気に食わないらしい。出席番号1番だからと勝手に決めた担任に文句を言ってほしい。
「いちる~クラス委員代わって」
「やだよ。後ろから刺されたくないもん」
俺だって刺されたくないよ!一度クラスメイトに嫌味を言われたから代わろうか?って言ったら可愛い系の顔の子たちのキャットファイト(殴り合いではない)が始まって担任に怒られたんだよね。だからこっそり代わってもらおうとしたのに……
ここまで生徒を狂わせる生徒会って怖いんですけど。
ちょっとビクつきながら会議室に行き席に座っていると、時間きっかりに生徒会役員が入ってきた。わっ、全員キラキラのエフェクト背負ってる気がする。
小さいながらも聞こえてきた黄色い声をひと睨みで黙らせた人が会長らしい。黒髪の目元が涼しげなエロいオーラを出してる美青年だ。
「会を始める前に役員の紹介をする。俺は生徒会長の黒主青藍だ。右隣にいるのが副会長の神奈川綾人、会計の飯島真紀、左隣が庶務の米川崇と羽柴哲だ。これから何かと関わると思うので顔と名前を覚えておくように。では始める」
んー、全員覚えるの大変だなぁ。面倒だから毎月1人ずつでいいかな?今回は会長を覚えておこう。などと考えていたら淡々と会が進んでた。一年間の流れと夏休みまでの行事。鬼ごっこって何だこりゃ?
「ちょっとあんた!」
会合も終わり一度教室に戻ってから部活に行こうかと廊下に出ると知らないクラス委員に話しかけられた。敵外心丸出しで。
「あんたウワサの「担がれ陰キャ」でしょ?何であんたなんかがクラス委員になってるのさ」
170に頑張ってもちょっと足りない俺よりも小さい可愛らしい二人組に担がれ陰キャと言われて辱めを受けてしまった。恥ずかしいからそれ言わないでほしい。
「そう言われても担任に決められちゃったし……」
「辞退すればいいだけでしょ!」
「他の人に代わろうとしたらキャットファイトが始まって担任に怒られたから無理でした」
「無理でも代わんな!」
「んな理不尽な」
無茶振りもいいとこだ。面倒だからそろそろ走って逃げようかな。俺、意外と足早いんだぜ。
「煩い。いつまでここで騒いでいる」
ガラリとドアを開けたのは生徒会長でちょっとビビる。会長がジロリと睨むとキャンキャン理不尽なことを言っていた二人組が青くなって黙ってしまった。
うん、煩かったですよねー邪魔ですよねー避けますよ、よいしょっと。
「騒ぐヒマがあったらクラスに戻れ」
「「はいっ!!」」
若干涙目になった二人組は背すじをピンと伸ばし礼をしてから走って行った。さて、俺も帰ろうかと歩き出したら呼び止められてしまった。はて、何でしょう?
「待て、お前は見た目をどうにかしろ」
はあ⁉これはどうにかした結果なんですけど⁉どうよ、この完璧な陰キャスタイル!
「いやぁ陰キャなもんで…」
「陰キャでも普通のナリをしていればあんな事は言われないんだ。とりあえずこのおかしなメガネだけでもどうにかし……ろ……⁉」
「げっ!」
こっちは横暴!しかし勝手に取ろうと俺のメガネに手をかけズラした会長がぴたりと止まる。やべ、顔見られた?
「あー……うん、やっぱりそのままでいい。むしろ外すな」
すっとメガネを戻され口に手を当てモゴモゴ言ってる会長の顔が赤い。これ完全に見られたな。
「会長秘密でお願いします」
「あ…ああ……って速っ!」
踵を返し速攻その場から離れた俺は全速力で教室に戻り部活に行ったのだが、それを見た生徒から「トップランナー陰キャ」とまた不名誉な呼ばれ方をするようになるのだった。
◇◇◇◇◇
「会長に顔バレした⁉」
部活帰りにそのまま食堂で夕飯をとり寮に帰ってきた俺は放課後の出来事を正座して智也に報告をした。
「アレハフカコウリョクデス」
「だとしても!入学して少ししか経ってないのに!しかもよりにもよって会長が!奏さんに連絡しないと……消すか?」
何か不穏なセリフが聞こえてきたんだが?智也と奏さんが揃ったら暗殺できそうだからやめて!
「でっ…でも秘密って言ったし」
「信用ならん!」
今にも殺りに行きそうな智也を「言っても嘘だと思うし!」や「男だし!」「会長もメガネかけてろって言ってた!」など2時間説得し、もう1人では歩かないと約束させられてやっと智也の怒りを収めることに成功した。
会長に関しては学年も違うし何もなければ月一でしか会わないから大丈夫だと思ってたのに、結局食堂でばったり会うことになり智也が警戒しまくりだった。
いやー、会わないと思ってたのに食堂は盲点だったわ。
24
お気に入りに追加
205
あなたにおすすめの小説

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話
屑籠
BL
サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。
彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。
そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。
さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

元執着ヤンデレ夫だったので警戒しています。
くまだった
BL
新入生の歓迎会で壇上に立つアーサー アグレンを見た時に、記憶がざっと戻った。
金髪金目のこの才色兼備の男はおれの元執着ヤンデレ夫だ。絶対この男とは関わらない!とおれは決めた。
貴族金髪金目 元執着ヤンデレ夫 先輩攻め→→→茶髪黒目童顔平凡受け
ムーンさんで先行投稿してます。
感想頂けたら嬉しいです!

【完結】ルームメイト〜僕と彼の関係〜
天白
BL
〜「君は私のルームメイトに合格しました」。そして僕はアイツに押し倒されました〜
生徒会長の皇若菜が僕のルームメイトになってから、順風満帆になるはずだった高校生ライフはあっさりと閉ざされてしまった。
平凡の僕にはお似合いの、平凡な人生望んでたはずなのに……
「どうしてこうなった!?」
果たして僕に、アイツをぎゃふんと言わせる日はやって来るのだろうか?
※他投稿サイト、フジョッシーさん、ムーンライトノベルズさんにて公開中です。
拙作「奥さまは旦那さまに恋をしました」と世界観がリンクしています。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。

姉が結婚式から逃げ出したので、身代わりにヤクザの嫁になりました
拓海のり
BL
芳原暖斗(はると)は学校の文化祭の都合で姉の結婚式に遅れた。会場に行ってみると姉も両親もいなくて相手の男が身代わりになれと言う。とても断れる雰囲気ではなくて結婚式を挙げた暖斗だったがそのまま男の家に引き摺られて──。
昔書いたお話です。殆んど直していません。やくざ、カップル続々がダメな方はブラウザバックお願いします。やおいファンタジーなので細かい事はお許しください。よろしくお願いします。
タイトルを変えてみました。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる