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第五話 理解不能
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第五話 理解不能
奈々花が香奈の家に来た日から数日後のある日のこと。
香奈に奈々花からとあるLINEが来た。
📱ゆうすけさんってどんな服好みなんかな?
ゆうすけは好みなのか分からないが毎日全身オールブラックの服を着ている。
「え~なんて返せばええんかな…」
📱さぁ…毎日黒一色なので…
📱え~、もっとおしゃれしたら似合うと思うのにな
じゃあななが服選んであげるから、どこか買いに行きましょうって言ってくれん?
📱わかりました笑
「まぁ行かんやろうけど…」
その日の夜、奈々花の件を聞いてみることにした。
「ゆうすけさん、この前の奈々花さんって覚えてます?」
「あの女か」
「それがどうした?」
「なんか…ゆうすけさんとショッピング行きたいみたいなんですけど…」
「ゆうすけさんに似合う服を選びたいとかなんとかで…」
「服?」
「この服装が1番に決まっているだろ」
「おれは行かない」
「ですよね~…」
あっさり引き下がりかけた香奈だが、ワンチャン奈々花の所にこの厄介者が行けば…という思惑もあってもう少し粘ることにした。
「でも黒い服ばっかりは精神衛生上も良くないですし…」
「そうなのか?」
「やっぱりいろんな服きた方が楽しいですよ…!」
「そうなのか…」
「お前も来るなら行ってやってもいい」
「え…香奈も…?」
「おれがいない間にお前が襲撃されたら困る」
「まず襲撃なんてされないですって…」
「それは分からない」
「ずっと監視されていておれが外出した時に襲われる可能性がある」
「お前が家に残るならおれは行かない」
「なんのためにそんなことするんですか…」
「まぁ…わかりました、私もついて行きます…」
「分かった」
「いつだ?」
「え~と、奈々花さんと相談してから決めますね」
「そうか」
トントン拍子で段取りは決まった。
そしていよいよ当日。
ゆうすけは相変わらず全身黒に黒マスクをして待ち合わせ場所で準備していた。
「その格好…外だと逆に目立ちますよ…」
香奈とゆうすけがそうこうしていると奈々花が少し遅れてやってくる。
「おまたせしました❤」
奈々花は香奈には目もくれずゆうすけの方へ一直線。
「時間は守れ」
「常識だ」
一応相手は売れっ子女優であるが容赦ないゆうすけ。
「服選んでたら時間かかっちゃったんです…❤」
「ゆうすけさんのためだから許してください❤」
香奈はちょっと離れて2人の様子を見ることにした。
「奈々花さん…やる気満々すぎる…」
「さっさと行くぞ」
「外に長くいるのは好きじゃない」
「行きましょ❤」
「早くしろ」
「置いてかないでくださいよ❤」
2人が並んで歩く数メートル後ろを香奈が続く感じで歩いていく。
「……」
ゆうすけは奈々花に自分から話しかけることなく隣を歩いて行く。
「着たい服とかないんですか?❤」
「ない」
「お前が決めろ」
「じゃあここで選びましょ…❤」
3人はとある服屋に入る
「分かった」
「実用性がある服にしてくれ」
「第一に動きやすさだ」
「了解です❤」
奈々花は次々と服を手に取って見ていく。
奈々花はファッション誌の専属モデルの経験もありファッションには詳しいらしい。
「これはちょっと変やな…でも暖色よりかは寒色って感じやし…」
(奈々花さん、完全に自分の趣味で選んどるやん~)
「ジャパンはいろんな服があるな」
「よし、これ試着してみてください❤」
「分かった」
ゆうすけは奈々花に茶色のジャケットを渡され試着室へ入って行く。
「奈々花さん、絶対自分の趣味でしょ…?」
「わかる…?」
「バレバレですっ」
2人は楽しそうに話しながらゆうすけを待っているとゆうすけが出てくる。
「これはいいのか?」
「わぁ……❤❤」
奈々花は完全に目がハートになっている。
「お…ブラウン系似合うやん」
「そうか」
「動きやすいのはいいな」
「生地がよく伸びる」
「うん…❤」
「黒ばっかりよりこっちの方がええ…❤」
「値段はいくらだ?」
「全部で5万円くらい…笑❤」
「たか…」
香奈はほぼ初対面の人に買わせる値段ではないと思い唖然とする。
「買ってこい」
しかしゆうすけは元の服に着替えてきて奈々花にパンパンにお札の詰まった財布を渡した。
「はい❤」
財布を受け取った奈々花は嬉しそうにレジに一直線だ。
香奈はゆうすけと一時的にふたりになる
「似合ってましたよ…?」
香奈はゆうすけに軽い感じで感想を伝える。
「そうか」
「おれにはいつもと変わらない気がしたが」
「いやいや、おしゃれすぎてびっくりでしたっ」
「やっぱりイケメンで身長高い人はなんでも似合いますねっ」
「そうなのか」
「おしゃれは簡単なんだな」
「ゆうすけさんだけですっ」
見るからに嬉しそうな奈々花が戻ってきた。
「買ってきました❤」
「よし」
「どこかで着替えてくださいよ❤」
「無駄なことはしたくない」
「着たい時に着る」
「せっかく選んだのにな…❤」
その後も一行は奈々花に連れ回されて色々買うことになった。
第五話 理解不能 完
奈々花が香奈の家に来た日から数日後のある日のこと。
香奈に奈々花からとあるLINEが来た。
📱ゆうすけさんってどんな服好みなんかな?
ゆうすけは好みなのか分からないが毎日全身オールブラックの服を着ている。
「え~なんて返せばええんかな…」
📱さぁ…毎日黒一色なので…
📱え~、もっとおしゃれしたら似合うと思うのにな
じゃあななが服選んであげるから、どこか買いに行きましょうって言ってくれん?
📱わかりました笑
「まぁ行かんやろうけど…」
その日の夜、奈々花の件を聞いてみることにした。
「ゆうすけさん、この前の奈々花さんって覚えてます?」
「あの女か」
「それがどうした?」
「なんか…ゆうすけさんとショッピング行きたいみたいなんですけど…」
「ゆうすけさんに似合う服を選びたいとかなんとかで…」
「服?」
「この服装が1番に決まっているだろ」
「おれは行かない」
「ですよね~…」
あっさり引き下がりかけた香奈だが、ワンチャン奈々花の所にこの厄介者が行けば…という思惑もあってもう少し粘ることにした。
「でも黒い服ばっかりは精神衛生上も良くないですし…」
「そうなのか?」
「やっぱりいろんな服きた方が楽しいですよ…!」
「そうなのか…」
「お前も来るなら行ってやってもいい」
「え…香奈も…?」
「おれがいない間にお前が襲撃されたら困る」
「まず襲撃なんてされないですって…」
「それは分からない」
「ずっと監視されていておれが外出した時に襲われる可能性がある」
「お前が家に残るならおれは行かない」
「なんのためにそんなことするんですか…」
「まぁ…わかりました、私もついて行きます…」
「分かった」
「いつだ?」
「え~と、奈々花さんと相談してから決めますね」
「そうか」
トントン拍子で段取りは決まった。
そしていよいよ当日。
ゆうすけは相変わらず全身黒に黒マスクをして待ち合わせ場所で準備していた。
「その格好…外だと逆に目立ちますよ…」
香奈とゆうすけがそうこうしていると奈々花が少し遅れてやってくる。
「おまたせしました❤」
奈々花は香奈には目もくれずゆうすけの方へ一直線。
「時間は守れ」
「常識だ」
一応相手は売れっ子女優であるが容赦ないゆうすけ。
「服選んでたら時間かかっちゃったんです…❤」
「ゆうすけさんのためだから許してください❤」
香奈はちょっと離れて2人の様子を見ることにした。
「奈々花さん…やる気満々すぎる…」
「さっさと行くぞ」
「外に長くいるのは好きじゃない」
「行きましょ❤」
「早くしろ」
「置いてかないでくださいよ❤」
2人が並んで歩く数メートル後ろを香奈が続く感じで歩いていく。
「……」
ゆうすけは奈々花に自分から話しかけることなく隣を歩いて行く。
「着たい服とかないんですか?❤」
「ない」
「お前が決めろ」
「じゃあここで選びましょ…❤」
3人はとある服屋に入る
「分かった」
「実用性がある服にしてくれ」
「第一に動きやすさだ」
「了解です❤」
奈々花は次々と服を手に取って見ていく。
奈々花はファッション誌の専属モデルの経験もありファッションには詳しいらしい。
「これはちょっと変やな…でも暖色よりかは寒色って感じやし…」
(奈々花さん、完全に自分の趣味で選んどるやん~)
「ジャパンはいろんな服があるな」
「よし、これ試着してみてください❤」
「分かった」
ゆうすけは奈々花に茶色のジャケットを渡され試着室へ入って行く。
「奈々花さん、絶対自分の趣味でしょ…?」
「わかる…?」
「バレバレですっ」
2人は楽しそうに話しながらゆうすけを待っているとゆうすけが出てくる。
「これはいいのか?」
「わぁ……❤❤」
奈々花は完全に目がハートになっている。
「お…ブラウン系似合うやん」
「そうか」
「動きやすいのはいいな」
「生地がよく伸びる」
「うん…❤」
「黒ばっかりよりこっちの方がええ…❤」
「値段はいくらだ?」
「全部で5万円くらい…笑❤」
「たか…」
香奈はほぼ初対面の人に買わせる値段ではないと思い唖然とする。
「買ってこい」
しかしゆうすけは元の服に着替えてきて奈々花にパンパンにお札の詰まった財布を渡した。
「はい❤」
財布を受け取った奈々花は嬉しそうにレジに一直線だ。
香奈はゆうすけと一時的にふたりになる
「似合ってましたよ…?」
香奈はゆうすけに軽い感じで感想を伝える。
「そうか」
「おれにはいつもと変わらない気がしたが」
「いやいや、おしゃれすぎてびっくりでしたっ」
「やっぱりイケメンで身長高い人はなんでも似合いますねっ」
「そうなのか」
「おしゃれは簡単なんだな」
「ゆうすけさんだけですっ」
見るからに嬉しそうな奈々花が戻ってきた。
「買ってきました❤」
「よし」
「どこかで着替えてくださいよ❤」
「無駄なことはしたくない」
「着たい時に着る」
「せっかく選んだのにな…❤」
その後も一行は奈々花に連れ回されて色々買うことになった。
第五話 理解不能 完
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