上 下
3 / 6

第二話 謎の男

しおりを挟む
男は朝からまた銃のメンテナンスを始めた。
「ごめんなさい…お風呂入ってきます…」
「分かった」
香奈は一日ぶりに湯船に浸かる。
「最悪…メイク落とさんと寝たった…」
「ていうかあの人いつまでおるつもりなん…」
「このままおられたら警察来るかもしれんし…」
「早く出てってもらお…」
香奈はしばらくしてお風呂から戻り、ひと段落ついた頃。
「あの……いつまで私の家に……?」
「お前を殺しておれの家にするつもりだったが、見たところお前の目には戦意が感じられないな」
「普通の日本人はみんなそうですよ…」
(まぁ最近はそうやないひともおるけど…)
「えっと…私もお仕事があるので…そろそろ…」
「お前はおれに害を与える存在にはならなさそうだ」
「おれはしばらくここにいさせてもらう」
「え…」
「あの…このマンションにも空き部屋とかあると思いますけど…」
「日本の家を借りるシステムはよくわからない」
「それに、お前には顔を見られた、だから不審な行動をしたら即殺す必要がある」
「この家にいればお前も監視しておける」
「むか…💢」
(香奈も女の子やのに…)
(でも逆らったら…怖い…けど)
「じ、じゃあ名前くらい教えてください…!」
「嫌だ」
「そんな簡単に教えるようなものではない」
「でもそれじゃ呼びにくいです…」
「同じ家にいるなら呼び名くらい教えて欲しいです…」
「じゃあ、お前が決めろ」
「むむ…」
「じゃあ…」
香奈は最近読んだ小説の主人公の名前を思い出す。
「ゆうすけ…でいいですか?」
「ゆう…すけ…」
「まぁ…いいだろう」
「じゃあおれはゆうすけだ」
「あんまり散らかさないでくださいね…」
「ゆうすけ…さん…」
「分かった」
「なら、おれはお前がおれの関連のことで襲われたら守ってやる」
「それはどうも…」
(…って、この人がおらんかったら襲われることなんかないやん💢)
香奈は色々と腹が立つらしいがさすがに口には出せない。
「これは契約だ」
「おまえはおれをここに住まわす代わりにおれはおまえを守る、これでいいな」
「はい…」
(香奈に得ないやん…)
「じゃあ、おれはここに住まわせてもらう」
「その代わり…日本のルールはしっかり守るのと…」
「祐希の嫌なことはしないでください…ね」
「お前の価値観はよくわからないが善処する」
「よろしくお願いします…」
「あと私は香奈です…小野香奈」
「オノ…
「オーノーみたいな変な名前だな…」
「………それでいいです…」
(意外と冗談言うんや…)
(それとも真面目なんかな…)
「仕事はいいのか?」
「あっ、そうや…もう行かんと」
「あの…下着とか…絶対覗かないでくださいね…
「お前には興味がない
「安心しろ
「はぁ…
(安心9割傷つき1割…)
香奈は急いで仕事に行く準備をする。
「じゃあいってきます…」
ゆうすけは何も返事をしない。
香奈は不安は残したまま外へ出た。
「やな居候…」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...