65 / 97
追憶
追憶23
しおりを挟む
その1 思いっきり頭をぶつけ合う
その2 階段から転がり落ちる
その3 カミナリに打たれる
莉奈ちゃんの発表を聞いてみんなが絶句した。
「莉奈ちゃん… それって」
「はい!漫画とドラマで調べました!」
「そっか、調べてくれてありがとう… ちょっと刺激が強いかも…」
「あ、雷に打たれるってのは冗談ですよ。神社でタケルさん見つける前に雷が鳴ってたって夕夏さんから前に聞いたことあったから、なんかヒントになるかなーと思って」
「なるほど、確かに何か関係あるかもね」
珍しく遥人君が絶句している。かと思ったらこちらは見当違いの反応だった。
「莉奈……すげぇ、すげーよ!そんな調べかたがあるなんて思いつかなかったぜ!やっぱり天才だな!」
「でしょでしょ!まぁでも1と2はさすがに危険かなーと思って、雷が鳴りそうな日に一緒に神社へ行くとかどうかなって」
「おぉ!それいーじゃん!俺、天気予報調べる」
1と2が候補から消えて安堵しているとタケルが声を出して笑った。
「タケルさんなんで笑ってるんですか?」
莉奈ちゃんは可笑しな空気に気付いていない。タケルは穏やかに言った。
「いや、相変わらず元気だなと思って」
「当ったり前じゃないですか!絶対元に戻ってもらって、ハッピーエンドにしてみせます!」
「色々考えてくれてありがとう」
「もちろんです!私達にできることがあったら何でもしますよ。ね?遥人」
「おぅよ!あ、てか今日せっかく来たんだし改装の手伝い何かしますよ!時間はあるんで」
「本当に?」
「はい!」
「恭也は何時に病院戻る予定?」
「17時までに戻れたらいい。ちょっとノートの件で君と打ち合わせもしたい」
「じゃあちょうどいいっすね!俺、力仕事しますよ」
「えー!あたしも何か手伝いたいです」
「ありがとう。食べ終わったら少し恭也と話し合ってそれからお願いしようと思うんだけど、恭也、それでいいかな?」
「ああ」
恭也さんはここへ来るまで固い表情をしていた。でも、今は随分ほぐれたように見える。莉奈ちゃんと遥人君の純真さがそうしたのだと思った。
「そういえば今回入れ替わったとき、意識を失う前に俺も雷の音を聞いた。入れ替わる度に鳴ってる訳じゃないけど本当に雷が関係しているのかもしれない」
恭也さんが言うと莉奈ちゃんが反応した。
「え!!すごい。その時どこにいたんですか?」
「…」
恭也さんは何故か言うのを躊躇っている。するとタケルが口を開いた。
「僕が目覚めたときは道に座り込んでた。恭也、具合でも悪かったんじゃないの?」
「…そうだったかもしれない」
「えー、じゃあ体調が関係あるのかな」
「そういやタケルさんもよく頭痛してたっすよね?」
「そうだね、以前頻繁に入れ替わってたときは頭痛がひどかった」
「うーん、どれが原因なんだろ~」
真剣に考えている莉奈ちゃんの様子を見ながら、さっき恭也さんが答えを躊躇っていた理由が気になった。
その2 階段から転がり落ちる
その3 カミナリに打たれる
莉奈ちゃんの発表を聞いてみんなが絶句した。
「莉奈ちゃん… それって」
「はい!漫画とドラマで調べました!」
「そっか、調べてくれてありがとう… ちょっと刺激が強いかも…」
「あ、雷に打たれるってのは冗談ですよ。神社でタケルさん見つける前に雷が鳴ってたって夕夏さんから前に聞いたことあったから、なんかヒントになるかなーと思って」
「なるほど、確かに何か関係あるかもね」
珍しく遥人君が絶句している。かと思ったらこちらは見当違いの反応だった。
「莉奈……すげぇ、すげーよ!そんな調べかたがあるなんて思いつかなかったぜ!やっぱり天才だな!」
「でしょでしょ!まぁでも1と2はさすがに危険かなーと思って、雷が鳴りそうな日に一緒に神社へ行くとかどうかなって」
「おぉ!それいーじゃん!俺、天気予報調べる」
1と2が候補から消えて安堵しているとタケルが声を出して笑った。
「タケルさんなんで笑ってるんですか?」
莉奈ちゃんは可笑しな空気に気付いていない。タケルは穏やかに言った。
「いや、相変わらず元気だなと思って」
「当ったり前じゃないですか!絶対元に戻ってもらって、ハッピーエンドにしてみせます!」
「色々考えてくれてありがとう」
「もちろんです!私達にできることがあったら何でもしますよ。ね?遥人」
「おぅよ!あ、てか今日せっかく来たんだし改装の手伝い何かしますよ!時間はあるんで」
「本当に?」
「はい!」
「恭也は何時に病院戻る予定?」
「17時までに戻れたらいい。ちょっとノートの件で君と打ち合わせもしたい」
「じゃあちょうどいいっすね!俺、力仕事しますよ」
「えー!あたしも何か手伝いたいです」
「ありがとう。食べ終わったら少し恭也と話し合ってそれからお願いしようと思うんだけど、恭也、それでいいかな?」
「ああ」
恭也さんはここへ来るまで固い表情をしていた。でも、今は随分ほぐれたように見える。莉奈ちゃんと遥人君の純真さがそうしたのだと思った。
「そういえば今回入れ替わったとき、意識を失う前に俺も雷の音を聞いた。入れ替わる度に鳴ってる訳じゃないけど本当に雷が関係しているのかもしれない」
恭也さんが言うと莉奈ちゃんが反応した。
「え!!すごい。その時どこにいたんですか?」
「…」
恭也さんは何故か言うのを躊躇っている。するとタケルが口を開いた。
「僕が目覚めたときは道に座り込んでた。恭也、具合でも悪かったんじゃないの?」
「…そうだったかもしれない」
「えー、じゃあ体調が関係あるのかな」
「そういやタケルさんもよく頭痛してたっすよね?」
「そうだね、以前頻繁に入れ替わってたときは頭痛がひどかった」
「うーん、どれが原因なんだろ~」
真剣に考えている莉奈ちゃんの様子を見ながら、さっき恭也さんが答えを躊躇っていた理由が気になった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ドSでキュートな後輩においしくいただかれちゃいました!?
春音優月
恋愛
いつも失敗ばかりの美優は、少し前まで同じ部署だった四つ年下のドSな後輩のことが苦手だった。いつも辛辣なことばかり言われるし、なんだか完璧過ぎて隙がないし、後輩なのに美優よりも早く出世しそうだったから。
しかし、そんなドSな後輩が美優の仕事を手伝うために自宅にくることになり、さらにはずっと好きだったと告白されて———。
美優は彼のことを恋愛対象として見たことは一度もなかったはずなのに、意外とキュートな一面のある後輩になんだか絆されてしまって……?
2021.08.13
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる