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東京
東京⑬
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「え、なんでその服で来たの?」
瑠香は不満そうに言った。 拓人は予想通りだと思った。
「あんなにいっぱい送ったのに、 ありえない!」
「すいません」
「なんで着ないの?」
「全部ブランドっぽかったんで、気になって」
「あげるんだから別に汚したっていいのに。 次はちゃんと着てきてよね」
拓人は気まずそうに目を逸らした。 瑠香は返事をしないことに苛立ちサングラスの下で目を細めた。やがて歩きだしたその背中を追いかけて腕を組んだ。
「何やってるんですか」
「いーじゃん別に、 早く行こっ」
2人は新宿区内にあるビルへ向かった。
歩いて10分ほどの場所にそのビルはあった。5階へ上がるためエレベーターが着くのを待っていると瑠香が聞いた。
「緊張してる?」
「ちょっとだけ」
「・・・かわいいっ」
瑠香が組んでいる腕に力を入れた。 拓人は “かわいい” という言葉に違和感を持ったが、それよりもさっきから注意してもやめない密着に嫌気がさした。
「それ、やめてもらっていいですか?」
「なんで? さすがに事務所入るときはやめるよ?」
「・・・そうじゃなくて、仕事の話で来てるのにこんなだと」
「もー。 わかった」
瑠香は腕を話した。 気が付くと後ろに男が1人立っていた。ようやくエレベーターが到着し3人とも乗った。男は行先のボタンを押さなかった。
沈黙のあと5階でエレベーターのドアが開き、 拓人は男が降りるのを待ちながらボタンを押した。
さほど広くない廊下を歩き瑠香に続いて歩いた。 先に降りていた男が奥の方の部屋に入るのが見えた。 まさかと思っていると瑠香は同じ部屋に入っていった。
事務所には男ばかりで6人ほどいる。先程の男は差座してパソコンの電源を入れている。
瑠香が上席らしき男のもとへ向かった。
「やっほ、北見さん」
軽い口調で声を掛けると北見は無表情で「おう」と言い少々面倒そうに立ち上がった。拓人は早速挨拶した。
「初めまして、原です。今日はお忙しい中お時間取っていただいて」
話しきらないうちに北見は歩き出した。 瑠香は何も気にしない様子でついていく。
ある部屋のドアを開けると長テーブルがあり右側に北見が座り瑠香が反対側に座った。北見が何も言わないのを見て拓人はひとこと言い瑠香の席から2つ離れて座った。
「よろしくお願いします。 これ、履歴書です」
北見は置かれた履歴書を手にとり首を斜めにしたまま書いてある内容に目を通した。
「カメラ歴は?」
「本格的なカメラだと、趣味も入れて4年くらいです」
「仕事はどんな?」
「今は警備員の仕事をしながら知り合いのカメラマンの人に時々教わってます」
「そうじゃなくて、 スタジオで働いたやつを聞いてる」
「スタジオ経験は、ありません」
「・・・じゃあ何の経験ならあんの?」
静かに唸るような北見の声に拓人は焦りを感じた。
瑠香は不満そうに言った。 拓人は予想通りだと思った。
「あんなにいっぱい送ったのに、 ありえない!」
「すいません」
「なんで着ないの?」
「全部ブランドっぽかったんで、気になって」
「あげるんだから別に汚したっていいのに。 次はちゃんと着てきてよね」
拓人は気まずそうに目を逸らした。 瑠香は返事をしないことに苛立ちサングラスの下で目を細めた。やがて歩きだしたその背中を追いかけて腕を組んだ。
「何やってるんですか」
「いーじゃん別に、 早く行こっ」
2人は新宿区内にあるビルへ向かった。
歩いて10分ほどの場所にそのビルはあった。5階へ上がるためエレベーターが着くのを待っていると瑠香が聞いた。
「緊張してる?」
「ちょっとだけ」
「・・・かわいいっ」
瑠香が組んでいる腕に力を入れた。 拓人は “かわいい” という言葉に違和感を持ったが、それよりもさっきから注意してもやめない密着に嫌気がさした。
「それ、やめてもらっていいですか?」
「なんで? さすがに事務所入るときはやめるよ?」
「・・・そうじゃなくて、仕事の話で来てるのにこんなだと」
「もー。 わかった」
瑠香は腕を話した。 気が付くと後ろに男が1人立っていた。ようやくエレベーターが到着し3人とも乗った。男は行先のボタンを押さなかった。
沈黙のあと5階でエレベーターのドアが開き、 拓人は男が降りるのを待ちながらボタンを押した。
さほど広くない廊下を歩き瑠香に続いて歩いた。 先に降りていた男が奥の方の部屋に入るのが見えた。 まさかと思っていると瑠香は同じ部屋に入っていった。
事務所には男ばかりで6人ほどいる。先程の男は差座してパソコンの電源を入れている。
瑠香が上席らしき男のもとへ向かった。
「やっほ、北見さん」
軽い口調で声を掛けると北見は無表情で「おう」と言い少々面倒そうに立ち上がった。拓人は早速挨拶した。
「初めまして、原です。今日はお忙しい中お時間取っていただいて」
話しきらないうちに北見は歩き出した。 瑠香は何も気にしない様子でついていく。
ある部屋のドアを開けると長テーブルがあり右側に北見が座り瑠香が反対側に座った。北見が何も言わないのを見て拓人はひとこと言い瑠香の席から2つ離れて座った。
「よろしくお願いします。 これ、履歴書です」
北見は置かれた履歴書を手にとり首を斜めにしたまま書いてある内容に目を通した。
「カメラ歴は?」
「本格的なカメラだと、趣味も入れて4年くらいです」
「仕事はどんな?」
「今は警備員の仕事をしながら知り合いのカメラマンの人に時々教わってます」
「そうじゃなくて、 スタジオで働いたやつを聞いてる」
「スタジオ経験は、ありません」
「・・・じゃあ何の経験ならあんの?」
静かに唸るような北見の声に拓人は焦りを感じた。
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