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第四章
最終話_第二百六十三話
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そうして堀田の結婚式での報告通り、勇利と妻の瞳がシンガポールに渡ってから1年以上が過ぎた。マンションのバルコニーから瞳の声がする。
「勇利君、流星群見えそうにないみたい。」
「まじで?日本では今頃がピークなのにね。」
勇利はそのまま瞳の横に向かった。
「なにまた今日届いた招待状見てるの?」
「だって俺ほんと嬉しくてさあ、ヤバいよ。だから今回日本に帰るタイミングこれに合わせるから。」
「いいよ。特別に大事な友達なんだよね。」
「知り合いの結婚でここまで嬉しいのはないね。周りの全員に心から良かったな、って思われるこじらせカップル。」
「良かったね。」
「二人共超好きなんだよね。それに先輩や後輩にも会いたいし、あー、まじ楽しみ死にそう。」
「良い友達沢山だね。勇利君らしい。」
「まあね。あ、見えた!夜景が瞳の瞳に流星群みたいに流れてる。」
「特にうまく言えてはないよ。」
あはは。と笑いながら軽くキスをした。
もしも、もしもを繰り返しながら誰もが大人になっていく。そして過去の鮮やかな記憶はゆっくりとぼやけていき、濃くて太かった線もやがては点になりその数は減っていく。
でも忘れない。
昨日今日明日。
それを繋いできたのは誰にでも起こり得る、星屑の様な無数の奇跡の集まりなんだと言う事を。
完
「勇利君、流星群見えそうにないみたい。」
「まじで?日本では今頃がピークなのにね。」
勇利はそのまま瞳の横に向かった。
「なにまた今日届いた招待状見てるの?」
「だって俺ほんと嬉しくてさあ、ヤバいよ。だから今回日本に帰るタイミングこれに合わせるから。」
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「まあね。あ、見えた!夜景が瞳の瞳に流星群みたいに流れてる。」
「特にうまく言えてはないよ。」
あはは。と笑いながら軽くキスをした。
もしも、もしもを繰り返しながら誰もが大人になっていく。そして過去の鮮やかな記憶はゆっくりとぼやけていき、濃くて太かった線もやがては点になりその数は減っていく。
でも忘れない。
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