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第二章
第三十二話
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新入生の入部ラッシュも落ち着きを見せ、およそ1ケ月が過ぎた日の午後、聖也は駄々をこねていた。
「は!?なんで今日なんですか。今日は俺の人生かけた大ボーリング大会があるんですけど。だから実験とかまじ無理なんで先生。」
「正木、知ってると思うけど、実験って必須だからね。単位落としても知らないよ。先週と今日の分と併せて二週分レポート提出しろよ。」
先週聖也はお腹が痛くて学校を早退し、つまりは1日で2日分の実験をこなさなければならないのだ。とにかく不満をたれていても時間の無駄であるし、聖也はボーリングに参加する為に、電光石火で一心不乱に午後からの実験に没頭した。
「なあ聖也、ここどう繋ぐんだっけ?」
「ああん?」
「やっべ、今日の聖也はいつにも増して狂犬降臨だ。」
そしてその放課後、聖也が狂犬に変身しているとは露知らずの水樹達ハンドボール部は、新入部員歓迎会の為に学校近くのボーリング場を訪れていた。
「えっとー、事前にくじでメンバー分けしといたから。んじゃあ発表します。1レーン目は立花さん、羽柴、それから宇野と夏子さん。」
「水樹ちゃん一緒のレーンだね。ちょっと安心。」
「安心?」
「あのさあ、内緒だけどさあ、俺宇野さんちょっと怖いんだよね。なんか俺にはいつもクールだしあんま話した事ないの。だから水樹ちゃんが一緒なら場が和んで超助かる!」
「宇野さん優しくて面白いけどなあ。色々あるんだね。」
「たいしたことじゃないんだけどね。ね、水樹ちゃんボーリングはどうなの?」
「久しぶりだから緊張するよー。頑張ろうね、瞬ちゃん。」
「あれ?何何、もしかして二人って付き合ってる?」
「えっ!?」
夏子の毎度遠慮の無い物言いに瞬介はヒヤリとして目を見開いたが、水樹は冷静なまま笑って答えた。
「そんなわけないじゃないですか。別の友達がそう呼ぶのでそれがうつったんです。さ、始めますよ涼宮さん。第一投大事ですからね!」
「水樹ちゃん、ボーリング苦手だったら俺教えるから言いなよ?」
無事に勇利の上から目線も済むと、夏子による第一投球が行われた。
コロコロ、パタパタン・・・。とピンが8本倒れた。
「OKOKいいじゃないですか。」
ボウラーズベンチでは拍手が起こり、夏子を少し過剰に盛り上げたが、結局夏子はスペアは取れず、勇利の番になった。
シューパンッ!
そして‘STRIKE!!!!’と画面に現われたその文字が派手派手しく輝くと、勇利はガッツポーズをしながら振り返り、爽やかな白い歯を覗かせながらベンチに戻ってきた。
「は!?なんで今日なんですか。今日は俺の人生かけた大ボーリング大会があるんですけど。だから実験とかまじ無理なんで先生。」
「正木、知ってると思うけど、実験って必須だからね。単位落としても知らないよ。先週と今日の分と併せて二週分レポート提出しろよ。」
先週聖也はお腹が痛くて学校を早退し、つまりは1日で2日分の実験をこなさなければならないのだ。とにかく不満をたれていても時間の無駄であるし、聖也はボーリングに参加する為に、電光石火で一心不乱に午後からの実験に没頭した。
「なあ聖也、ここどう繋ぐんだっけ?」
「ああん?」
「やっべ、今日の聖也はいつにも増して狂犬降臨だ。」
そしてその放課後、聖也が狂犬に変身しているとは露知らずの水樹達ハンドボール部は、新入部員歓迎会の為に学校近くのボーリング場を訪れていた。
「えっとー、事前にくじでメンバー分けしといたから。んじゃあ発表します。1レーン目は立花さん、羽柴、それから宇野と夏子さん。」
「水樹ちゃん一緒のレーンだね。ちょっと安心。」
「安心?」
「あのさあ、内緒だけどさあ、俺宇野さんちょっと怖いんだよね。なんか俺にはいつもクールだしあんま話した事ないの。だから水樹ちゃんが一緒なら場が和んで超助かる!」
「宇野さん優しくて面白いけどなあ。色々あるんだね。」
「たいしたことじゃないんだけどね。ね、水樹ちゃんボーリングはどうなの?」
「久しぶりだから緊張するよー。頑張ろうね、瞬ちゃん。」
「あれ?何何、もしかして二人って付き合ってる?」
「えっ!?」
夏子の毎度遠慮の無い物言いに瞬介はヒヤリとして目を見開いたが、水樹は冷静なまま笑って答えた。
「そんなわけないじゃないですか。別の友達がそう呼ぶのでそれがうつったんです。さ、始めますよ涼宮さん。第一投大事ですからね!」
「水樹ちゃん、ボーリング苦手だったら俺教えるから言いなよ?」
無事に勇利の上から目線も済むと、夏子による第一投球が行われた。
コロコロ、パタパタン・・・。とピンが8本倒れた。
「OKOKいいじゃないですか。」
ボウラーズベンチでは拍手が起こり、夏子を少し過剰に盛り上げたが、結局夏子はスペアは取れず、勇利の番になった。
シューパンッ!
そして‘STRIKE!!!!’と画面に現われたその文字が派手派手しく輝くと、勇利はガッツポーズをしながら振り返り、爽やかな白い歯を覗かせながらベンチに戻ってきた。
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