おもいでにかわるまで

名波美奈

文字の大きさ
上 下
2 / 267
第一章

第二話

しおりを挟む
そして、水樹が中学生活最後の一年間を送り始めたのとほぼ同時に、違う場所では一人の少年が、新しい場所で新しい人生を歩みだそうと鼻息荒く意気込んでいた。

「皆さん、えー、改めて、我が高等専門学校への入学おめでとうございます。」

入学式も昨日に終えた登校初日、今彼は恒例の自己紹介という新入生にとってのビッグイベントについて全力で待機しながら思案していた。

自己紹介ねえ。まじー、いや、ありでしょ。こういっちゃなんだけど、そういうの嫌いじゃない、人前で話すの、嫌いじゃないんだ。名前の順だから、ウ の俺に速攻で順番がくるよね。うけを狙っちゃう?まだ仲良くなってもいないのに冒険がすぎるかな?だけど、学生生活第一印象大事でしょ!

「宇野勇利です。不利、有利の有利とは漢字が違いますが、いつも名前はすぐに覚えて貰えます。実は成長がちょっと出遅れてて、まだ小柄に見えるかもしれませんが、卒業する頃にはあだ名が うのゆうりタワーってなってるはずなんで、皆で僕の貴重な成長過程を是非見守って下さい!」

一瞬の沈黙、そして失笑・・・。どうやらすべったようだ。
しかし、勇利が足早に自席に戻ろうとした時、一際目立つ明るい笑い声が響き、それをきっかけに教室の空気が変わった。
そして、ほっとした勇利は席に戻るまでの間に、その笑い声の女の子を探した。
 
いた・・・。

その彼女はもう隣の席の男子と打ち解けている様子で、更には勇利の視線にも気が付いたのか、彼に目線を移して爽やかに微笑んだ。

着席後、さっきのあの子が気になる勇利は、他のクラスメートの自己紹介は半分 右から左で聞きそらし、落ち着かない様子でふわふわしていた。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

生まれ変わったら、いつの間にか甲子園に出場していた件

すふにん
青春
夢の甲子園出場。 だが、最後の投球で右肘を痛めてしまった僕は、 そのまま夏の甲子園の終わりを見つめる。 甲子園が終わり、野球人生の終わりを知らされた、 その病院の帰り道に、危険運転をしていた車と衝突。 なんと亡くなってしまう。 だが、閻魔王の裁判で下された判決は何と、もう一度転生して人生をやり直すこと。 これで、野球がもう一度出来るのか!? 野球少年、秀一の青春物語がもう一度始まる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...