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鬼嫁がかわいすぎる!!
しおりを挟む俺の嫁は鬼嫁だ。
比喩なんかじゃない!
本当に鬼なのだ。
といっても人間を食べたりなんかはしないし、普通に人間だ。
「頭角症」という病気の一種なのである。病気と言っても感染したり、患者が志望したりするわけではなく、ただ、頭に角が生えるだけの病気だ。
そんな俺、桃山聖の可愛い嫁、牛塚虎治の話をしよう。てかさせてほしい。
俺達の出会いは高校からだった。
当時虎治はいじめられていて、それを俺が助けたのが始まりだった。
頭角症が角が生えるだけの病気だとわかっていても、周囲は異質な虎治を避け、罵声を浴びせたりしていた。頭角症の患者は個性的な髪色が多く、虎治の場合は金色だった。茶褐色の健康的な肌と金髪の地毛のせいで教師たちからも不良のレッテルを貼られていた虎治は教師にも助けを求めることは出来なかった。
両親には虐待されて、今は施設で暮らしている。いじめられていたときは虎治は微笑みながら、
「施設の人には迷惑かけられないよ…」
と、こぼしていた。
俺は何もしなかった自分に腹が立つとともに、こんなに可愛らしい虎治をいじめるやつにも腹が立った。
俺から見たら天使のように可愛くて愛おしいのにな。褐色の肌と金髪のコントラストも。長いまつげで縁取られた大きな瞳も。笑うとひょっこり顔を出す八重歯も。身長が160にも満たなくて、指摘すると顔を真っ赤にして拗ねるのも。この可愛さがわからないなんてあいつら眼球付いてるんだろうか。
まあ話はそれたが、その日から俺は虎治のボディーガードになった。
虎治の机の落書きは、虎治が朝早く来て、誰にも見られないように泣きながら消していたのを知って、一緒に朝早く来て消した。
虎治が体育館裏でカツアゲされているのを知って柔道3段の力を見せつけ、ついでに脅して二度とカツアゲさせないようにした。こういうときは189ある身長で良かったと思う。
虎治の持ち物がなくなったときは設置しておいた隠しカメラで隠した場所と犯人を見つけ、虎治に隠されたやつを渡してから犯人の持ち物を一つ残らず外に捨てた。
そうこうしていると虎治に手を出すと何倍にもなって返ってくるという噂がたち、虎治が虐められることはなくなった。
それからしばらく立った夏休みのこと虎治に告白された。
泣きじゃくりながら
「ごめんな…俺なんかが好きになっちゃって…すぐこの思いは消すから…ほんとにごめんな…」
と伝えられた。
だから俺は虎治を抱きしめて
「なぁ、虎治。俺も虎治が好きだよ。消そうとなんてしないで、一生俺の側にいて…いいよね?」
と伝えた。
あのときの虎治は死ぬほど可愛かった。
ただでさえ泣きじゃくった瞳を更に濡らしながらこくこくとうなずいてくれた。
ーーーーそれから5年後ーーーーーーーー
「ただいま~♡とらじ~帰ったよ~♡」
玄関で虎治を呼ぶとエプロン姿の虎治が
「おかえりせい!ご飯できてるよ!」
とただいまのキスをしてくれる。
もうほんとに可愛い。
高校卒業後、俺たちはすぐに入籍し、同居し始めた。いまでもラブラブだ!
俺は大きな会社でバリバリ働いている。
とにかく給料がほしいので勤務態度もよく、よく上司からも褒められている。(まあ金ためて虎治といろんなことがしたいからなんですが…)
虎治は就職せずに専業主夫として家で家事をしてくれている。働きたくないのかと虎治に聞いたところ、
「働いたら聖と時間が合わなくなったりするだろ。そしたら寂しいから…」
って……かわいい!!!!!
そんなこんなで俺と虎治はまだまだイチャイチャラブラブだ!
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