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デスゲーム?幼なじみが最強なので関係ありません
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「おい、蓮起きろ、朝ごはん出来てるぞ」
そうやって俺の朝は始まる。
おっす!オラ山中蓮!
公立の高校に通う、一年生だ!
さっき俺を起こしたのは羽山修斗、俺の幼なじみのイケメン!かつ柔道部のエース!そして成績は常にトップ!
イケメンを見てると神はどうしてこんなに人と人とに差を作ったのかを恨みたくなるが、こいつの場合ほんとに何でも出来るせいで劣等感のレの字も感じない。
不思議だ…
え?俺?イケメンの幼なじみだからイケメンだって?いやいや俺ほどのフツメンはこの世に存在しないと思うぞw
ブサイクではないんだ、ブサイクではないんだけどイケメンってほどでもないんだ。例えるならばイケメン俳優とかじゃなくてイケメン芸人みたいな感じ。わかるかな?
まあそんなくだらないことを頭の中で考えてると修斗が
「何考えてるんだ?」
って微笑みながら聞いてきた。
イケメンの微笑みはいつ見ても威力が高いな…
「修斗と幼なじみで良かったなって!」
笑顔で返すと修斗は笑顔で
「違うだろ?連は俺の何だった?」
って聞いてきた。
やめてくれ…わかって言ってるだろ…
困惑する俺を尻目に修斗は今か今かと俺の答えを待っている。
「俺は…修斗の…コ、コイビトデス」
照れすぎて片言になってしまった。
そう、俺と修斗は付き合っているのである。
思うとこれまで紆余曲折あった…
結局中3の卒業式で両思いだったことが発覚して付き合うことになったんだけどね!
さて、俺は今日もいつもどおり朝ごはんを食べて学校に行って、部活にいって、疲れて帰ってきて、修斗と電話してから寝る。
…そう思ってたんだ。
「おはよー」
「おはよー」
クラスメイトと挨拶を交わしながら教室に入る。みんなでワイワイしているとチャイムが鳴って先生が入ってきた。
その時だった。
ガコン
教卓の中でなにか音がした。
ゴロリ
落っこちてきたのは可愛らしいウサギの人形だった。街中で見かける女の子の手に握られてそうな愛くるしい見た目。
手に包丁を持っていることを除けば。
クラスメイトの間に困惑が広がった。
「おい誰だーこんなイタズラしたやつ」
担任がたしなめるように言った。
誰も名乗り出ない。
「ねぇ誰の?」
「怖いんだけど~」
「趣味悪いイタズラだよな」
クラスメイトたちが口々に言う。
そのとき
「ダァマレェェェ!!オマエラァァァ!!!」
人形が大声で叫んだ。
びっくりした。俺は大声があんまり好きじゃないんだよな。
「コレカラ!!!オマエラニハ!鬼ゴッコヲシテモラウ!!」
え?なに?授業潰れるの?ラッキー!!
とか思ってたんだ。
「手のこんだイタズラで面白いがそろそろ授業始まるぞ。これは職員室に持っていくから事情を知ってる生徒は後で来なさい」
先生が人形の頭を掴んで持っていこうとした。
そのとたん鮮やかな血が散った。
人形が先生の腕を切ったのだ。
「キャーーーー!!」
腕を抑えてうずくまる先生に状況を遅れて理解した女子生徒が悲鳴を上げた。
教室は軽いパニック状態になり、皆が一斉にドアから出ようとするが、ドアも窓も元から壁であるかのように動かなかった。窓を割って脱出しようとしたやつもいたが、不思議なことに傷一つつかなかった。
各々が恐怖の表情を浮かべる中、人形がけたたましく笑う。
「ヤハリ!ニンゲンハ!!オモシロイ!!!」
一通り笑ったあと、人形は
「ソレデハ!ルールヲ!説明スル!!」
「オレカラ日ガ沈ムマデ逃ゲルコト!!!」
「イジョウ!!」
「1分マツ!!」
「ニゲロ!ニゲロ!!ギャハハハハハ!!」
人形は黙り、静寂が訪れる。
みんな一斉に逃げ出した。
ドアもいつの間にか空いており、みんな散り散りになった。
おれは突然のことに動けずにいたが、修斗が手を引っ張ってくれた。
「逃げるぞ、蓮」
そういって俺らは人形から逃げることになった。
しばらくして、委員長の田中と合流した。
「アイツ、わざと死なないようなケガを追わせて、わざとに見失うんだ、完全に遊んでやがる…」
そういった彼の腕は血が滲んでいて、細く破いたカッターシャツが巻きつけられていた。
その後、3人で行動していると、
「ギャハハハハハ」
大声が聞こえ、振り向くと廊下の影からあの人形が現れた。
「ダ~レ~ニ~シ~ヨ~ウ~カ~ナ~?」
包丁を順に指していき
「オマエダ!」
そういって俺の方に突進してきた。
足がすくんだ俺は逃げれないことを悟り、ギュッと目をつぶった。
ん?
想像していた痛みは全く訪れなかった。
恐る恐る目を開けると
「タスケテ…ゴメンナサイ…ユルシテ…」
ウサギの人形は修斗が足を掴まれて壁に叩けられていた。
「なあ?俺の蓮に怪我させていいと思ってんの?」
ドゴッ
「修斗を泣かせていいのは俺だけなんだよ」
バギィッ
「てか人形風情が調子に乗んなよ?」
ボゴォッ
「怯えて俺にしがみつく蓮が可愛かったからちょっとは許そうと思ったけどよ」
グシャァッ
みるみるうちにウサギの人形は、なんかベッドの下にあるホコリの塊みたいになった。
「え…」
田中が怪獣を見るような目で修斗を見ている。
まあそりゃそうなるわな。
というか俺も若干引いてる…。
修斗が柔道部のエースってのはさっき言ったよね。
昔から俺はトラブル体質らしく、よくカツアゲなんかにあっていた。そのころから修斗は俺を守ってくれていた。うん、かっこいいな!俺の彼氏は!
まあ、そんなこんなで修斗が強いことは重々承知していたんだが…………いやここまでとは思わなくない?
包丁持ってるんだよ?なんか、やばいんだよ?
そいつ今ホコリよりも悲惨な状態になってるし、そんな状態になっても修斗は壁に叩きつけているし…
もう考えるのがアホらしくなった俺は、修斗に
「なあ、もう帰ろうぜ…」
といって学校をあとにしたのだった。
――――――――後日―――――――――――――
あの後警察が来て捜査をしたものの、証拠となるウサギの人形は修斗が毛玉に変えてしまったので、不審者が侵入した、ということになった。
ちなみにあの人形はゆっくり殺すのがお好きなのか
、クラスの中の半数は怪我をしていたが、どれも数週間で治る程度のものだった。
よかったね。
―――――――sibe修斗―――――――
俺の恋人は可愛い。本人はそれを理解しておらず、「俺のことを可愛いなんて言うの修斗だけだよ~w」なんて言ってるが…わかってないやつなんだな。
しかしこの前のうさぎ人形には感謝している。
アイツのおかげでいつも奥手で積極的じゃない蓮がひっついてきてくれた。
正直状況が状況だったので、しなかったがあそこが家なら思いっきり押し倒してめちゃくちゃにしている。
ただ…
蓮を襲おうとしたのだけは許さない。
正直あれだけしてもまだまだ足りない。
しかし蓮も俺をこんなにヒヤヒヤさせるなんて…
今日はお仕置きかな?
END
――――――――――――――――――――――
初執筆初投稿です!
見苦しい点多々あると思いますが、生暖かい目で見守ってください!!
間違えてるよ~なんていうのは感想なんかで即座に教えていただけると嬉しいです!
また、近日中にこのカプのR-18の小説も投稿する予定です!
そうやって俺の朝は始まる。
おっす!オラ山中蓮!
公立の高校に通う、一年生だ!
さっき俺を起こしたのは羽山修斗、俺の幼なじみのイケメン!かつ柔道部のエース!そして成績は常にトップ!
イケメンを見てると神はどうしてこんなに人と人とに差を作ったのかを恨みたくなるが、こいつの場合ほんとに何でも出来るせいで劣等感のレの字も感じない。
不思議だ…
え?俺?イケメンの幼なじみだからイケメンだって?いやいや俺ほどのフツメンはこの世に存在しないと思うぞw
ブサイクではないんだ、ブサイクではないんだけどイケメンってほどでもないんだ。例えるならばイケメン俳優とかじゃなくてイケメン芸人みたいな感じ。わかるかな?
まあそんなくだらないことを頭の中で考えてると修斗が
「何考えてるんだ?」
って微笑みながら聞いてきた。
イケメンの微笑みはいつ見ても威力が高いな…
「修斗と幼なじみで良かったなって!」
笑顔で返すと修斗は笑顔で
「違うだろ?連は俺の何だった?」
って聞いてきた。
やめてくれ…わかって言ってるだろ…
困惑する俺を尻目に修斗は今か今かと俺の答えを待っている。
「俺は…修斗の…コ、コイビトデス」
照れすぎて片言になってしまった。
そう、俺と修斗は付き合っているのである。
思うとこれまで紆余曲折あった…
結局中3の卒業式で両思いだったことが発覚して付き合うことになったんだけどね!
さて、俺は今日もいつもどおり朝ごはんを食べて学校に行って、部活にいって、疲れて帰ってきて、修斗と電話してから寝る。
…そう思ってたんだ。
「おはよー」
「おはよー」
クラスメイトと挨拶を交わしながら教室に入る。みんなでワイワイしているとチャイムが鳴って先生が入ってきた。
その時だった。
ガコン
教卓の中でなにか音がした。
ゴロリ
落っこちてきたのは可愛らしいウサギの人形だった。街中で見かける女の子の手に握られてそうな愛くるしい見た目。
手に包丁を持っていることを除けば。
クラスメイトの間に困惑が広がった。
「おい誰だーこんなイタズラしたやつ」
担任がたしなめるように言った。
誰も名乗り出ない。
「ねぇ誰の?」
「怖いんだけど~」
「趣味悪いイタズラだよな」
クラスメイトたちが口々に言う。
そのとき
「ダァマレェェェ!!オマエラァァァ!!!」
人形が大声で叫んだ。
びっくりした。俺は大声があんまり好きじゃないんだよな。
「コレカラ!!!オマエラニハ!鬼ゴッコヲシテモラウ!!」
え?なに?授業潰れるの?ラッキー!!
とか思ってたんだ。
「手のこんだイタズラで面白いがそろそろ授業始まるぞ。これは職員室に持っていくから事情を知ってる生徒は後で来なさい」
先生が人形の頭を掴んで持っていこうとした。
そのとたん鮮やかな血が散った。
人形が先生の腕を切ったのだ。
「キャーーーー!!」
腕を抑えてうずくまる先生に状況を遅れて理解した女子生徒が悲鳴を上げた。
教室は軽いパニック状態になり、皆が一斉にドアから出ようとするが、ドアも窓も元から壁であるかのように動かなかった。窓を割って脱出しようとしたやつもいたが、不思議なことに傷一つつかなかった。
各々が恐怖の表情を浮かべる中、人形がけたたましく笑う。
「ヤハリ!ニンゲンハ!!オモシロイ!!!」
一通り笑ったあと、人形は
「ソレデハ!ルールヲ!説明スル!!」
「オレカラ日ガ沈ムマデ逃ゲルコト!!!」
「イジョウ!!」
「1分マツ!!」
「ニゲロ!ニゲロ!!ギャハハハハハ!!」
人形は黙り、静寂が訪れる。
みんな一斉に逃げ出した。
ドアもいつの間にか空いており、みんな散り散りになった。
おれは突然のことに動けずにいたが、修斗が手を引っ張ってくれた。
「逃げるぞ、蓮」
そういって俺らは人形から逃げることになった。
しばらくして、委員長の田中と合流した。
「アイツ、わざと死なないようなケガを追わせて、わざとに見失うんだ、完全に遊んでやがる…」
そういった彼の腕は血が滲んでいて、細く破いたカッターシャツが巻きつけられていた。
その後、3人で行動していると、
「ギャハハハハハ」
大声が聞こえ、振り向くと廊下の影からあの人形が現れた。
「ダ~レ~ニ~シ~ヨ~ウ~カ~ナ~?」
包丁を順に指していき
「オマエダ!」
そういって俺の方に突進してきた。
足がすくんだ俺は逃げれないことを悟り、ギュッと目をつぶった。
ん?
想像していた痛みは全く訪れなかった。
恐る恐る目を開けると
「タスケテ…ゴメンナサイ…ユルシテ…」
ウサギの人形は修斗が足を掴まれて壁に叩けられていた。
「なあ?俺の蓮に怪我させていいと思ってんの?」
ドゴッ
「修斗を泣かせていいのは俺だけなんだよ」
バギィッ
「てか人形風情が調子に乗んなよ?」
ボゴォッ
「怯えて俺にしがみつく蓮が可愛かったからちょっとは許そうと思ったけどよ」
グシャァッ
みるみるうちにウサギの人形は、なんかベッドの下にあるホコリの塊みたいになった。
「え…」
田中が怪獣を見るような目で修斗を見ている。
まあそりゃそうなるわな。
というか俺も若干引いてる…。
修斗が柔道部のエースってのはさっき言ったよね。
昔から俺はトラブル体質らしく、よくカツアゲなんかにあっていた。そのころから修斗は俺を守ってくれていた。うん、かっこいいな!俺の彼氏は!
まあ、そんなこんなで修斗が強いことは重々承知していたんだが…………いやここまでとは思わなくない?
包丁持ってるんだよ?なんか、やばいんだよ?
そいつ今ホコリよりも悲惨な状態になってるし、そんな状態になっても修斗は壁に叩きつけているし…
もう考えるのがアホらしくなった俺は、修斗に
「なあ、もう帰ろうぜ…」
といって学校をあとにしたのだった。
――――――――後日―――――――――――――
あの後警察が来て捜査をしたものの、証拠となるウサギの人形は修斗が毛玉に変えてしまったので、不審者が侵入した、ということになった。
ちなみにあの人形はゆっくり殺すのがお好きなのか
、クラスの中の半数は怪我をしていたが、どれも数週間で治る程度のものだった。
よかったね。
―――――――sibe修斗―――――――
俺の恋人は可愛い。本人はそれを理解しておらず、「俺のことを可愛いなんて言うの修斗だけだよ~w」なんて言ってるが…わかってないやつなんだな。
しかしこの前のうさぎ人形には感謝している。
アイツのおかげでいつも奥手で積極的じゃない蓮がひっついてきてくれた。
正直状況が状況だったので、しなかったがあそこが家なら思いっきり押し倒してめちゃくちゃにしている。
ただ…
蓮を襲おうとしたのだけは許さない。
正直あれだけしてもまだまだ足りない。
しかし蓮も俺をこんなにヒヤヒヤさせるなんて…
今日はお仕置きかな?
END
――――――――――――――――――――――
初執筆初投稿です!
見苦しい点多々あると思いますが、生暖かい目で見守ってください!!
間違えてるよ~なんていうのは感想なんかで即座に教えていただけると嬉しいです!
また、近日中にこのカプのR-18の小説も投稿する予定です!
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