二人の火照り遊び

山之辺アキラ

文字の大きさ
上 下
28 / 30
1章

28.一緒に山の頂へ

しおりを挟む
 拓斗は障子を開きかけて手を止めた。
 真後ろでは気がつかなかったが美詠の体勢にはまだ余裕がある。
 どうせだったら、うんと恥ずかしい思いをさせてやろうと意地悪く笑った。

「みよみちゃん。もうボールは置かないから顔は下につけちゃって」
「……こう?」

 美詠はほっぺたを座布団につけた。
 拓斗を目に入れるのが恥ずかしくてまぶたを閉じた。

 しかし指示は終わらなかった。
「もっと前に」とうながす手が太ももをぽんぽんと叩いた。

 美詠は膝を前へずらす。
 それでもまだだった。
 指示が続いて脚をさらに開かされ、背中をぐっと反らされた。
 恥部を後ろに突き出すポーズにさせられた。

 後ろで喜ぶ声がする。

「おまんこがすごい見えるようになったよ」
「ううーっ」

 美詠は顔を震わせた。目をもう一度、ぎゅっと閉じる。
 が、それもつかの間、

「大丈夫そうだから開けるよ」

 この声にハッとして目を開いた。
 障子のこすれる音とともに、部屋の畳が明るくなった気がした。
 部屋に入る微妙な空気の流れをお尻が感じた。廊下の匂いが鼻に届いた。

「今から1分ね。今日はほんと良い天気だったなー」

 落ち着きはらった拓斗の声。
 安全な高みから見下ろす余裕に満ちている。

 じっさい彼は余裕を見せていた。
 組んだ手の片方をあごに当て、並んだガラス戸の外へ向かって目を細めていた。
 そんな彼の姿は、どこにでもありそうな日常の切り抜きだった。

 しかし、彼のそばで白い肌をみせる少女の存在がすべてを歪に塗り替えている。
 恥辱的なポーズを強いられた裸の少女は、風変わりな置物のようでもあった。
 それは温かな光に包まれて、畳の上で白磁のように照っている。
 これまで日を浴びたことのない部分の肌まで、まんべんなく光が当たっている。

 日差しはそれでも優しかった。
 夏とはいえ時間的には夕方に差し掛かっている。ガラス戸の向こうには陽の薄れた空が白っぽい青をみせていて、山も水田も昼間の色をくすませている。

 水田の向こうに家屋が散らばっている。
 どれも拓斗にとっては馴染なじみがないが、美詠にとってはもちろんある。
 その中には美詠の知っている人の家もあれば、よく買い物に付き合わされるスーパーもある。友達の親が働いている電器屋にホームセンターもある。
 建物がこちらから見えるのだから向こうからだって見える。窓の中まで分かるほど近くはないが、見えている事実に変わりはない。

 鳥の鳴き声が近くを通って美詠は思わず目をつぶった。
 けれども、まぶたの闇を見ているのが不安でやっぱり開けた。
 家の中を見るのは人間だけではない。動物もだ。
 フェンスにとまった鳥。庭に入りこんだ猫。
 どちらもありがちな侵入者で、いたとしたら見られてしまう。

「時間が経つのって早いよな」

 お尻に近寄ってくる声。
 嫌な予感が美詠に走った。
 たいてい当たるタイプの予感だ。すぐに当たった。

 恥肉が割られ、大きく広げられた。
 クチリ……と、生々しい音がこぼれた。
 肉芽の包皮も剥かれた。秘芯が表に出た感触を乙女は再び味わった。

「ああ……」

 消え入りそうな声がもれた。
 いっときの静寂。
 浮き立つ声がそれを破る。

「おまんこすごいよ。日が当たってきれいだよ」
「やあああ」
「明るくて見やすいよ。膣がヒクヒクしてない?」
「そんなこと言わないでぇ……」
「でもいじめられて嬉しいんだろ。またいっぱい濡れてるじゃん」

 美詠はほっぺたを座布団にこすりつけた。
 紙が当たったら燃えてしまうかもしれないと思わせるほど顔肌が熱くなっている。
 もっとも拓斗に広げられている部分はそれ以上に熱い。

「さっきから飛んでる鳥に見せてあげようよ。みよみちゃんのおまんこ」

 聞いた体がびくんと震えた。
 この時間はよく飛んでいるのだ。
 ひょっとしたら今だって庭のフェンスにとまっているかもしれない。

 想像をめぐらせた頭は横を向いていられなかった。
 座布団の上で両手に顔をうずめてイヤイヤと頭を振った。

「でも鳥が来たら、みよみちゃんの気持ち良いところ突っついたりして」
「んんーーっ」

 悲鳴が手にこもった。
 秘芯は小さなその身をきゅっとすぼめた。
 うねって縮んだ蜜壺が、熱いひとしずくをヒダの隙間からにじませた。

「お、1分だ。やっぱ10秒戻しがないとすぐ終わるなー」

 終了宣言と同時に手が離れた。
 しかし早く障子を閉めてと気を揉む心には全てがゆっくりに感じられる。
 1分も本当は5分くらいあったように思えた。
 障子の閉じる音が聞こえて、ようやく心と体が安心した。

「イかせてあげる」

 ご褒美のひとつだ。

 仰向けになれとの指示があった。美詠はすぐ従った。
 続いての指示には恥ずかしさを感じながら脚を開いた。
 両手は頭の上と言われて、意味も分からずそのとおりにした。
 すると腕を掴まれ伸ばされて、手首をきゅっと縛られた。

「あう」

 美詠の身体は”人”の字の形にさせられた。
 いい格好だと笑う顔が上から覗いている。

「恥ずかしいよう……」
「ふふふふ」

 見下ろす顔はただ笑う。
 じらされつくした秘所が静かにじくじく喘いだ。

「今度は動きたかったら動いていいよ」

 その言葉を残して彼は視界から去った。
 美詠があごを下げると、開いた脚の間に座っていた。

「じゃあ、アレね」
「……うん」

 秘所に手が重なった。ムニリと掴まれた。
 割れ目に中指が当たって、人差し指と薬指で恥肉がはさみこまれている。
 片手でしっかり保持するやり方。昨日と同じだ。

 そして始まる円運動。
 手が恥肉全体を揺するように回して揉んでいる。
 心地よさが美詠の身体に優しく深く浸透してゆく。

「ううん……」と口から甘ったるい声が出た。あごが上がって視界を天井が占めた。
 肉芽を直に触られるほどの刺激はないが、美詠にはやっぱりこれがちょうど良い。
 恥ずかしいところを彼に奪われているような気持ちにもなる。

 ご褒美を聞かれた時に少し恥ずかしくなりながらこのやり方をお願いしたら、彼はビックリするほど気持ちの良い顔で「いいよ」と引き受けた。「俺も好きなんだよアレ」と微笑んだ。
 それを思い出して美詠は頬と口をゆるめる。
 人の字のポーズはそんな彼に全身を丸ごとゆだねているかのようで、口がなおさらゆるんでしまう。

「ん……あ……」

 したたる蜜のような声。少年の理性を狂わせる息吹。
 耳でこれを吸う拓斗の顔は蕩けている。
 その左手はハーフパンツに触っている。
 布越しに自身の尖端をつまんで揉んでいる。

 それでも彼の中の優先は美詠を愛撫する右の手だ。
 ご褒美だからではなく彼自身がそうしたい。
 愛撫の加減は今も絶妙。昨日より自信をもった動きが良いスパイスになっている。

「あ……ああ……」

 美詠はうっとりする快感に心と体を奪われた。
 意識はまだ白く染まりきっていない。達したい気持ちと、すぐには達したくない気持ちが、めまぐるしく入れ替わっている。

 くにゅり、くにゅり、と柔らかな恥肉が動き続ける。
 合わせあう二枚の肉の間には熱い蜜液がにじんでいる。

 拓斗の指は徐々に割れ目の中へ食い込んだ。
 ぬめる肌に沿って落ちてゆく。

 恥肉はより深くから揺さぶり動かされた。
 それを感じる口からは、かつてなく熱い吐息がこぼれている。

 食い込む中指の先が粘膜に届いた。
 触れたり触れなかったりの刺激が、肉芽とその周りに訪れた。
 押し寄せる快感の波。
 指先が肉芽を何度もかする。ずれる包皮が秘芯をこする。

「あああああっ」

 美詠は意識をさらわれた。

 拓斗にも変化があった。
 美詠から離した手が一瞬だけ愛液の糸を引いたのを見て、彼もそこで頂に達した。
 じんじんと感じ続けた性の刺激のゆるやかな山頂である。
 精通前の体は何も吐き出さず、内なる高ぶりだけが霧散した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...