がんばり屋の森本くん

しお子

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三がんばり目~色男に色仕掛け~

第29話 出会い

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二人は体を綺麗に洗い湯船に浸かっていた。
森本はあの後、菊地に謝られながら中出しされた精液を掻き出され放心状態だった。

「…そういえば次のメンバーは決まってるの?」

「まだです…。」

「中出しのお詫びに美味しい情報教えてあげるよ。」

「…! 誰かいい人いるんですか!」

「最近二年に転校生が来たんだ。他クラスだから名前は知らないけど、なんでもすごいモテるらしくて噂になってた。」

「そうなんだ…。」

(虎谷くんたちに必死で全然知らなかったや。)

「文化部の女子から勧誘すごいらしいけど、アタックしてみる価値はあるんじゃない?」

「はい!菊地先輩、ありがとうございます!」

次はどうしようと考えていた矢先だったのでその情報はありがたかった。
疲れなど知らないように森本は笑顔でどんな人なのかと想像を膨らませていた。





「確かに男二人で出てきたら変な目で見られるかもしれないけど、同じ下着をまた着けなくちゃいけないなんて…。」

森本は代金を払っている菊地をホテルの前で待っていた。
汚れてしまった下着は軽く洗ったといえど生乾きの感触が気持ち悪い。

一人でぶつくさ言っていると、男が声をかけてくる。

「ねえねえ、君もしかしてウリ?」

「へ?ウリ…?」

ホテル街に一人の女がいると勘違いしたようだ。
男は森本の全身をじっくり見回すと、ニタニタと笑いながら肩に手を回してくる。

「君くらいだったらゴム有りでオプション次第では2、3万出すよ。
 待ってたんでしょ?」

「…!?
 そういうの興味ないんで!」

さすがに言われていることをなんとなく理解した森本は、不快感から手を叩き落とした。
それに怒った男が今にも殴りかかりそうな勢いで怒鳴り散らす。

「おいおい、ぶってんじゃねえよ!
 それとも俺が嫌だってのか!?」

「ちょっと、俺の女になんか用すか。」

声がする方へ目をやると、そこには同い年くらいの男子がたっていた。
男の肩を掴み鋭く睨んでいる。

「チッ!男連れかよ、紛らわしいことすんじゃねえ!」

「ダッセー奴。
 あんたもこんなところに一人でいるなんて、勘違いされても…。」

虚勢を張って逃げていく男を鼻で笑い、森本にも気を付けるよう言いながら視線を向けると言葉に詰まった様子を見せた。

「…?」

「近くで見ると、すっげえ俺のタイプ…。」

「へ!?」

どうやら女装した森本に好意を持ってしまったようだ。

「良かったらLIKE教えてよ!
 今日はもう遅いし今度ゆっくり話さない?」

「あの、その…。」

「待って!俺本気だよ!しつこくしないし嫌だなって思ったらすぐ切ってくれて構わないから!」

「そうじゃなくて…。」

「お願い!…そんなに、嫌?」

素直に気持ちを伝えてくる真っ直ぐさに、悪い人には見えないと思ってしまう。
加えて悲しそうな顔で嫌かどうか聞かれてしまえば断ることができなくなる森本。

「嫌じゃ、ないです…。」

「わ!めっちゃ嬉しい。
 気が変わらないうちに、コード教えてくれる?」

嬉しそうな顔でスマホを出してきたため、流されるままに連絡先を交換する森本だった。

駅まで送ろうかという提案を断り、心配そうにされたが友達と合流すると伝えると少し安心したように去っていった。



「お待たせ~。」

「…先輩、遅いですよ!」

「だって君に連絡先聞いてた奴、俺と同じクラスの奴なんだもん。」

「え、そうなんですか!?………ていうか見てたんですか…。」

「あはは。」

「この人は…。」

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