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第79話 プラグマティッシェ・ザンクツィオン
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掲げたドラゴン・プレッシャーの刀身に星々が映り込む。
「相変わらず軽い……、まったく重さを感じさせない……」
大剣を見上げながら、そっと、魔法のネックレスを手の平でつつむ。
この魔法のネックレスとドラゴン・プレッシャーはセット、いや、おそらくネックレスのほうが本体なのだろう、その魔力によって大剣の重量を相殺している。
そして、魔力を放出している分、ネックレスは徐々に熱を帯びてくる。
「まだそれほどでもないけど……」
火傷をしないように、ネックレスのペンダント部分を服の外に出しておく。
「さてと……」
と、ドラゴン・プレッシャーを下ろし肩口に担ぐ。
「蒼を助けに行くか」
そのまま走りだし、プラグマティッシェ・ザンクツィオンに向かう。
ルートは中央広場から伸びる石畳の道ではなく、誰にも見つからないように草原、それも背の高い草が生い茂った場所を選んで通る。
そして、ラグナロク広場からルビコン川に向かう道にすぐ出るのではなく、少し森の中を走ってから石畳の道に出る。
「よし、誰にも見つかってないな?」
と、うしろを気にしながらルビコン川に向かって走る。
ほどなくルビコン川が見えてくる。
「静かね……」
川面は星々の光をキラキラと反射し、かすかなせせらぎを立てる。
それ以外に聞えるのは、回る水車から零れ落ちる、ちゃぽん、ちゃぽん、という水の音だけ……。
「まだ大丈夫かな……?」
私は周囲を警戒しながらルビコン川に架かった橋、ブリッジ・オブ・エンパイアを渡る。
橋を渡るとすぐに市場、プラグマティッシェ・ザンクツィオンに辿り付く。
広さは、そうね、だいたい……、直径50メートルくらいの、いびつな円形状の広場って感じ。
石畳もルビコン川から真っ直ぐ伸びた細い道が縦断しているだけの中途半端な造りになっている。
「まぁ、全面石畳なんて無理な話だよね……」
ラグナロク広場でさえほとんどが未舗装だし。
「で、蒼はどこいった?」
周囲をきょろきょろする必要もないくらい、すぐに秋葉蒼を見つけることができた。
彼はプラグマティッシェ・ザンクツィオンの入り口のところにしゃがんで石畳の道を手でぺたぺた触ったり叩いたりしている。
「蒼、何してるの……?」
彼を脅かさないように、ゆっくりと歩いて近づく。
「うん……?」
と、秋葉が顔上げる。
すると、その顔が星々の光に照らし出されてあらわになる。
髪は色素が薄く、まるで染めているかのような栗色。
顔は鼻筋が通り顎のラインはシャープ、瞳も髪の色と同じ、薄い栗色で優しい印象を私に与える。
「誰か来たかと思ったら、なんだ、ナビーだったのか……」
と、彼は笑顔を覗かせる。
「それにどうしたの、それ?」
さらに私のドラゴン・プレッシャーを指差す。
「蒼と同じ理由、ただの護身用」
と、逆に石畳の上に置いてある十字の形になっている弓を指差して答える。
「で、何してたの、這いつくばって?」
私はドラゴン・プレッシャーを石畳の横の地面に突き刺して尋ねる。
「ああ、この辺って俺がやったんだよ、ちゃんとくっついてるかなって……」
と、彼はまた石畳をぺたぺたしだす。
「ふうん……」
突き刺したドラゴン・プレッシャーの柄から手を放す。
そして、胸元のネックレスのチェーンをつまみ、ペンダント部分を口の辺りまで持ち上げてふーふー息を吹きかける。
「ふーふー、ふーふー」
すごく熱くなってる……、ふーふーして冷やさないと火傷しちゃう……。
「ふーふー、ふーふー」
お? 秋葉も私の真似して石畳に息を吹きかけはじめたぞ?
「ふーふー、ふーふー、ふーふー」
「ふーふー、ふーふー、ふーふー」
私はペンダントにふーふー息を吹きかけながら秋葉の側にしゃがみ、彼の作業を見守る。
「いやぁ、細かい作業でさぁ……、石灰に砂を混ぜてセメント代わりにしてるんだけど、強度とか耐久性が心配なんだよなぁ……、ちょっと乾きが甘いか……、ふーふー、ふーふー……」
「へぇ……、ふーふー、ふーふー……」
セメントねぇ……。
確か、ラグナロク広場の石畳の接着は泥に砂利を混ぜたやつでやってたよね、方法変えたんだ……、ふーふー……。
「ふーふー……、ねぇ、蒼、矢は何本持ってきたの?」
石畳に興味を失い、地面に転がっている矢筒を見て質問する。
「うん? 矢? 20本くらいかなぁ……、それがどうしたの? ふーふー……?」
「足らん……」
そんなんじゃ全然足りない。
「よし」
ペンダント部分の熱が冷めてきた。
ふーふーをやめて元の位置に戻す。
そして、ドラゴン・プレッシャーを地面から引抜き、秋葉が這いつくばっている目の前の石畳に再度大剣を突き立ててやる。
「いっ、ひぃいい!?」
秋葉が大袈裟に驚く。
「な、何をするんだ、ナビー!?」
「何って、こうやって弾を作るのよ、20本じゃ全然足りないから」
と、石畳をドラゴン・プレッシャーでざくさく突き刺して石片に変えていく。
「やめ、やめ、何をやってるんだ、ナビー、せっかく作ったのに、何時間かかったと思っているんだ!?」
「何よ、仕方ないでしょ、弾がないんだから、それに私、こういうの得意なんだから、昔、ゲバ棒でよくやってたんだから」
ゲバ棒でアスファルトを砕いて投擲用の石を作るんだよね……、だいたい4、5センチくらいの大きさが投げやすかった。
「げ、ゲバ棒……?」
「うん、ゲバ棒、ゲバルト棒の略だよ、ゲバルトっていうのはドイツ語で暴力って意味、つまり、人を殴るための棒ってこと」
昔、ゲバ棒の武地って呼ばれてたんだから。
世界一ゲバ棒が似合う男って言われてたんだから。
まさにインティファーダってやつだね。
「そ、そうなんだ、げ、ゲバ棒ね……」
「ちなみに、内ゲバって言葉があるけど、こっちは内部ゲバルトの略、ゲバルトはさっき言ったとおり暴力のことで、内部というのは仲間や味方を指す、つまり身内で殺し合いをするってこと」
「へぇ……」
秋葉が感心したように私が石畳を砕いていくのを大人しく見守る。
ざくざく、ざくざく、と石畳を砕いていく。
「さらに、どうして、ゲバルトなんてドイツ語を使っているかというと、マルクスがドイツ人だったとか、そんな下らない理由」
さて、こんなものでいいかな……。
砕かれた石片を剣先で集める。
「あーあ……、それにしても……、どうすんだ、これ……」
と、秋葉が石片のひとつを手に取り呆れたようにつぶやく。
「その弓を使ってのスリング・ショットよ」
矢の代わりに石を使うスリング・ショット。
「そんなの、使い物になるわけ……」
秋葉が弓を手に取り、手頃な大きさの石片を選び弦につがえる。
そして、構えて……、
「アポトレス、水晶の波紋、火晶の砂紋、風を纏え、静寂の風盾」
と、魔法を唱えて、石を放つ。
ピーン、とも、キーン、ともつかない音を立てて石が消えた。
そして、数十メートル先の大木から、ガンッ、という大きな音が鳴り響き、それとともに幹が揺れ、枝の葉がバサバサと音を立てる。
「ヒュー……、意外といけるな……」
「ねっ!? いいでしょ!」
と、私は手を叩いて大喜びする。
「でも、このままじゃ弦がもたないな……」
見ると、弓の弦のところから煙が出て、辺りには少しこげた匂いが漂っていた。
「なんとかならないの、蒼?」
と、彼の顔を覗き込む。
「一発、一発時間かかるけど、静寂の風盾と魔法障壁の併用でやればなんとかなると思う」
「ホントに? やった!」
と、ふたたび歓声を上げる。
「それで、矢が20本じゃ足りないって、何か心配事でもあるの? エシュリン絡み?」
と、秋葉が弓を構えたまま視線だけをこちらに向けて言う。
「うーん……」
視線を外す。
エシュリンのこと、なんて説明すればいいんだろう……。
「うーん、うーん……」
と、顎に手を当てて考え込む。
みんなはエシュリンのことを信用してきっているんだよね、あの子のドジッ子プレイに完全にやられている。
だから、みんなには気付かれないように、こっそり始末したい……。
「何か、悩んでいるようだね……」
と、秋葉が落ちている矢筒を拾い、中から矢を一本取りだす。
「蒼?」
彼が取り出した矢は通常の白い羽の矢とは違い、赤い羽が取り付けられているものだった。
「100人以上」
そして、その矢先をマッチみたいにベルトで擦ると、パシュ、という音とともに赤い炎が立ち登る。
「100人以上?」
彼の言葉を聞き返す。
秋葉は火の点いた矢を弓につがえて空に向ける。
「ああ、100人以上だ」
そう言い、空に向けて火矢を放つ。
火矢はうなりを上げて大空に舞い上がり辺りを照らす。
「あーん……」
と、口を開けて火矢の弾道を目で追う。
たぶん、これは信号弾……、ラグナロク広場の東園寺に何かを伝えた。
「敵かどうかわからないけど……、なんらかの集団がこちらに向かってくる……、数は、そうだな……、100から150……」
秋葉が振り返り、南、ヘルファイア・パスの方角を見ながら言う。
「100から150……、やっぱり来たか……」
エシュリンの仕業だ。
「敵か味方かわからない、未確認の集団を発見した場合、なんて言えばいいんだろう?」
私に対しての質問かわからないけど一応答えてやる、
「アンノウン・レーダー・コンタクト」
と。
「相変わらず軽い……、まったく重さを感じさせない……」
大剣を見上げながら、そっと、魔法のネックレスを手の平でつつむ。
この魔法のネックレスとドラゴン・プレッシャーはセット、いや、おそらくネックレスのほうが本体なのだろう、その魔力によって大剣の重量を相殺している。
そして、魔力を放出している分、ネックレスは徐々に熱を帯びてくる。
「まだそれほどでもないけど……」
火傷をしないように、ネックレスのペンダント部分を服の外に出しておく。
「さてと……」
と、ドラゴン・プレッシャーを下ろし肩口に担ぐ。
「蒼を助けに行くか」
そのまま走りだし、プラグマティッシェ・ザンクツィオンに向かう。
ルートは中央広場から伸びる石畳の道ではなく、誰にも見つからないように草原、それも背の高い草が生い茂った場所を選んで通る。
そして、ラグナロク広場からルビコン川に向かう道にすぐ出るのではなく、少し森の中を走ってから石畳の道に出る。
「よし、誰にも見つかってないな?」
と、うしろを気にしながらルビコン川に向かって走る。
ほどなくルビコン川が見えてくる。
「静かね……」
川面は星々の光をキラキラと反射し、かすかなせせらぎを立てる。
それ以外に聞えるのは、回る水車から零れ落ちる、ちゃぽん、ちゃぽん、という水の音だけ……。
「まだ大丈夫かな……?」
私は周囲を警戒しながらルビコン川に架かった橋、ブリッジ・オブ・エンパイアを渡る。
橋を渡るとすぐに市場、プラグマティッシェ・ザンクツィオンに辿り付く。
広さは、そうね、だいたい……、直径50メートルくらいの、いびつな円形状の広場って感じ。
石畳もルビコン川から真っ直ぐ伸びた細い道が縦断しているだけの中途半端な造りになっている。
「まぁ、全面石畳なんて無理な話だよね……」
ラグナロク広場でさえほとんどが未舗装だし。
「で、蒼はどこいった?」
周囲をきょろきょろする必要もないくらい、すぐに秋葉蒼を見つけることができた。
彼はプラグマティッシェ・ザンクツィオンの入り口のところにしゃがんで石畳の道を手でぺたぺた触ったり叩いたりしている。
「蒼、何してるの……?」
彼を脅かさないように、ゆっくりと歩いて近づく。
「うん……?」
と、秋葉が顔上げる。
すると、その顔が星々の光に照らし出されてあらわになる。
髪は色素が薄く、まるで染めているかのような栗色。
顔は鼻筋が通り顎のラインはシャープ、瞳も髪の色と同じ、薄い栗色で優しい印象を私に与える。
「誰か来たかと思ったら、なんだ、ナビーだったのか……」
と、彼は笑顔を覗かせる。
「それにどうしたの、それ?」
さらに私のドラゴン・プレッシャーを指差す。
「蒼と同じ理由、ただの護身用」
と、逆に石畳の上に置いてある十字の形になっている弓を指差して答える。
「で、何してたの、這いつくばって?」
私はドラゴン・プレッシャーを石畳の横の地面に突き刺して尋ねる。
「ああ、この辺って俺がやったんだよ、ちゃんとくっついてるかなって……」
と、彼はまた石畳をぺたぺたしだす。
「ふうん……」
突き刺したドラゴン・プレッシャーの柄から手を放す。
そして、胸元のネックレスのチェーンをつまみ、ペンダント部分を口の辺りまで持ち上げてふーふー息を吹きかける。
「ふーふー、ふーふー」
すごく熱くなってる……、ふーふーして冷やさないと火傷しちゃう……。
「ふーふー、ふーふー」
お? 秋葉も私の真似して石畳に息を吹きかけはじめたぞ?
「ふーふー、ふーふー、ふーふー」
「ふーふー、ふーふー、ふーふー」
私はペンダントにふーふー息を吹きかけながら秋葉の側にしゃがみ、彼の作業を見守る。
「いやぁ、細かい作業でさぁ……、石灰に砂を混ぜてセメント代わりにしてるんだけど、強度とか耐久性が心配なんだよなぁ……、ちょっと乾きが甘いか……、ふーふー、ふーふー……」
「へぇ……、ふーふー、ふーふー……」
セメントねぇ……。
確か、ラグナロク広場の石畳の接着は泥に砂利を混ぜたやつでやってたよね、方法変えたんだ……、ふーふー……。
「ふーふー……、ねぇ、蒼、矢は何本持ってきたの?」
石畳に興味を失い、地面に転がっている矢筒を見て質問する。
「うん? 矢? 20本くらいかなぁ……、それがどうしたの? ふーふー……?」
「足らん……」
そんなんじゃ全然足りない。
「よし」
ペンダント部分の熱が冷めてきた。
ふーふーをやめて元の位置に戻す。
そして、ドラゴン・プレッシャーを地面から引抜き、秋葉が這いつくばっている目の前の石畳に再度大剣を突き立ててやる。
「いっ、ひぃいい!?」
秋葉が大袈裟に驚く。
「な、何をするんだ、ナビー!?」
「何って、こうやって弾を作るのよ、20本じゃ全然足りないから」
と、石畳をドラゴン・プレッシャーでざくさく突き刺して石片に変えていく。
「やめ、やめ、何をやってるんだ、ナビー、せっかく作ったのに、何時間かかったと思っているんだ!?」
「何よ、仕方ないでしょ、弾がないんだから、それに私、こういうの得意なんだから、昔、ゲバ棒でよくやってたんだから」
ゲバ棒でアスファルトを砕いて投擲用の石を作るんだよね……、だいたい4、5センチくらいの大きさが投げやすかった。
「げ、ゲバ棒……?」
「うん、ゲバ棒、ゲバルト棒の略だよ、ゲバルトっていうのはドイツ語で暴力って意味、つまり、人を殴るための棒ってこと」
昔、ゲバ棒の武地って呼ばれてたんだから。
世界一ゲバ棒が似合う男って言われてたんだから。
まさにインティファーダってやつだね。
「そ、そうなんだ、げ、ゲバ棒ね……」
「ちなみに、内ゲバって言葉があるけど、こっちは内部ゲバルトの略、ゲバルトはさっき言ったとおり暴力のことで、内部というのは仲間や味方を指す、つまり身内で殺し合いをするってこと」
「へぇ……」
秋葉が感心したように私が石畳を砕いていくのを大人しく見守る。
ざくざく、ざくざく、と石畳を砕いていく。
「さらに、どうして、ゲバルトなんてドイツ語を使っているかというと、マルクスがドイツ人だったとか、そんな下らない理由」
さて、こんなものでいいかな……。
砕かれた石片を剣先で集める。
「あーあ……、それにしても……、どうすんだ、これ……」
と、秋葉が石片のひとつを手に取り呆れたようにつぶやく。
「その弓を使ってのスリング・ショットよ」
矢の代わりに石を使うスリング・ショット。
「そんなの、使い物になるわけ……」
秋葉が弓を手に取り、手頃な大きさの石片を選び弦につがえる。
そして、構えて……、
「アポトレス、水晶の波紋、火晶の砂紋、風を纏え、静寂の風盾」
と、魔法を唱えて、石を放つ。
ピーン、とも、キーン、ともつかない音を立てて石が消えた。
そして、数十メートル先の大木から、ガンッ、という大きな音が鳴り響き、それとともに幹が揺れ、枝の葉がバサバサと音を立てる。
「ヒュー……、意外といけるな……」
「ねっ!? いいでしょ!」
と、私は手を叩いて大喜びする。
「でも、このままじゃ弦がもたないな……」
見ると、弓の弦のところから煙が出て、辺りには少しこげた匂いが漂っていた。
「なんとかならないの、蒼?」
と、彼の顔を覗き込む。
「一発、一発時間かかるけど、静寂の風盾と魔法障壁の併用でやればなんとかなると思う」
「ホントに? やった!」
と、ふたたび歓声を上げる。
「それで、矢が20本じゃ足りないって、何か心配事でもあるの? エシュリン絡み?」
と、秋葉が弓を構えたまま視線だけをこちらに向けて言う。
「うーん……」
視線を外す。
エシュリンのこと、なんて説明すればいいんだろう……。
「うーん、うーん……」
と、顎に手を当てて考え込む。
みんなはエシュリンのことを信用してきっているんだよね、あの子のドジッ子プレイに完全にやられている。
だから、みんなには気付かれないように、こっそり始末したい……。
「何か、悩んでいるようだね……」
と、秋葉が落ちている矢筒を拾い、中から矢を一本取りだす。
「蒼?」
彼が取り出した矢は通常の白い羽の矢とは違い、赤い羽が取り付けられているものだった。
「100人以上」
そして、その矢先をマッチみたいにベルトで擦ると、パシュ、という音とともに赤い炎が立ち登る。
「100人以上?」
彼の言葉を聞き返す。
秋葉は火の点いた矢を弓につがえて空に向ける。
「ああ、100人以上だ」
そう言い、空に向けて火矢を放つ。
火矢はうなりを上げて大空に舞い上がり辺りを照らす。
「あーん……」
と、口を開けて火矢の弾道を目で追う。
たぶん、これは信号弾……、ラグナロク広場の東園寺に何かを伝えた。
「敵かどうかわからないけど……、なんらかの集団がこちらに向かってくる……、数は、そうだな……、100から150……」
秋葉が振り返り、南、ヘルファイア・パスの方角を見ながら言う。
「100から150……、やっぱり来たか……」
エシュリンの仕業だ。
「敵か味方かわからない、未確認の集団を発見した場合、なんて言えばいいんだろう?」
私に対しての質問かわからないけど一応答えてやる、
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