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53.不二君が休みだっ!!
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不二君が最近お休みだ・・・。
白峰先生の怪しげな動きを警戒していた矢先、不二君がお休みだなんて。
幼馴染の広瀬君に聞いても、
「なんか、出てきてくんねーんだよな。家も留守っぽいし。そういえば、学校来なくなる前、保健室の先生に放課後呼ばれてたんだよな。健康診断どっか悪かったのかな」という。なんとも、怪しすぎるっ!!
監禁されている?!不二君の貞操は無事ですか!??いやいや、なんか理由があるんだろう。変な妄想をして不二君に変態だと言われたばかりだ。落ち着け落ち着け。
冷静に考えて風邪かな?あの怪力からして、勝手に風邪とか引かないんじゃないかと思ってしまっていた。そういえば、不二君の家とか連絡先とか知らないな。九頭谷先輩にも聞いてみるか。
放課後、2年3組の教室に行って九頭谷先輩に不二君が休んでいることを伝える。
「え、不二来てないの?」
「なんか知ってます?」
「いや、全然。そういえば連絡こねーな」といって九頭谷先輩はスマホを開いてメッセージを確認しているようだった。2人ってどんなやり取りしてるんだろう・・・。
「体調不良とかかなー?電話してみっか」
と言ってスマホを耳に当てて、電話を掛けるが一向に出る気配はないようだった。
「私、学校探してきます!」
と言って、走っていた。
「ええ、不二学校にいるか?」と九頭谷先輩がびっくりしている様子だったが、行く当てはもちろん保健室である。あの白峰先生が怪しすぎる!脇役としての直感がそう告げている!!!
「白峰せんせーー!!!」と言って、保健室のドアを勢いよく開けた。ビクッとした白峰先生の様子が見えた。そして、何かを引き出しに隠した、気がする・・・。もう、先生が何をしていても怪しく見えてしまうっ!!
「・・・どうしたんだ。」と若干白峰先生が引き気味に、目を細めて尋ねる。左目はいつも髪の毛で覆われていて見えない。
「不二君、知りません??!!」と言いながら、白峰先生の方は一切見ずに保健室を隈なく見て回る。
「・・・君、私に聞く気は毛頭ないね・・・」等と言っているのが聞こえるが、白峰先生は特に私を止めることもしなかった。不二君をどこに隠したんだー!!と、保健室中を漁ったが、まあ、普通に不二君はいなかった。
「何?不二君、休みなのか?」と白峰先生は言ってくる。先生の細い右目が胡散臭く思えてしまう。
怪しい!白峰先生。なんか違和感を感じる。なんだろう。
むううと考えると、「あ」とかすかな音がしていることに気が付く。携帯のバイブレーションの音。ブー、ブー、という規則的な音がうっすらと聞こえる。
「・・・スマホ鳴ってますよ」と指摘する。
しばらく間があって
「・・・そうだね」と白峰先生は引き出しを開けてスマホは出さずに、引き出しに入れたままタップして着信を切ったようだった。バイブレーションの音が止まった。
「・・・出なくていいんですか」
「勤務中だからね」と目を細めて言い返してくる。
「先生のスマホ、見せてほしいです」
もしかしたら、不二君のスマホを持っているのかもしれない。
「・・・困るなあ。大切な個人情報が詰まっているから生徒には見せられない」
白峰先生は右目を細めたまま、私を見つめる。しばらく膠着状態が続いた。まあ、見せる気はないのだろう。そして、私も十分怪しい生徒になっている自覚があるので引き下がった。
「・・・失礼しました」
と言って保健室を出た。白峰先生について調べた方がいい気がする。先輩にも一応、白峰先生に不二君が襲われているという私の仮説を伝えておこう。恥ずかしい、ただの妄想で済めばいいけれど・・・。
白峰先生の怪しげな動きを警戒していた矢先、不二君がお休みだなんて。
幼馴染の広瀬君に聞いても、
「なんか、出てきてくんねーんだよな。家も留守っぽいし。そういえば、学校来なくなる前、保健室の先生に放課後呼ばれてたんだよな。健康診断どっか悪かったのかな」という。なんとも、怪しすぎるっ!!
監禁されている?!不二君の貞操は無事ですか!??いやいや、なんか理由があるんだろう。変な妄想をして不二君に変態だと言われたばかりだ。落ち着け落ち着け。
冷静に考えて風邪かな?あの怪力からして、勝手に風邪とか引かないんじゃないかと思ってしまっていた。そういえば、不二君の家とか連絡先とか知らないな。九頭谷先輩にも聞いてみるか。
放課後、2年3組の教室に行って九頭谷先輩に不二君が休んでいることを伝える。
「え、不二来てないの?」
「なんか知ってます?」
「いや、全然。そういえば連絡こねーな」といって九頭谷先輩はスマホを開いてメッセージを確認しているようだった。2人ってどんなやり取りしてるんだろう・・・。
「体調不良とかかなー?電話してみっか」
と言ってスマホを耳に当てて、電話を掛けるが一向に出る気配はないようだった。
「私、学校探してきます!」
と言って、走っていた。
「ええ、不二学校にいるか?」と九頭谷先輩がびっくりしている様子だったが、行く当てはもちろん保健室である。あの白峰先生が怪しすぎる!脇役としての直感がそう告げている!!!
「白峰せんせーー!!!」と言って、保健室のドアを勢いよく開けた。ビクッとした白峰先生の様子が見えた。そして、何かを引き出しに隠した、気がする・・・。もう、先生が何をしていても怪しく見えてしまうっ!!
「・・・どうしたんだ。」と若干白峰先生が引き気味に、目を細めて尋ねる。左目はいつも髪の毛で覆われていて見えない。
「不二君、知りません??!!」と言いながら、白峰先生の方は一切見ずに保健室を隈なく見て回る。
「・・・君、私に聞く気は毛頭ないね・・・」等と言っているのが聞こえるが、白峰先生は特に私を止めることもしなかった。不二君をどこに隠したんだー!!と、保健室中を漁ったが、まあ、普通に不二君はいなかった。
「何?不二君、休みなのか?」と白峰先生は言ってくる。先生の細い右目が胡散臭く思えてしまう。
怪しい!白峰先生。なんか違和感を感じる。なんだろう。
むううと考えると、「あ」とかすかな音がしていることに気が付く。携帯のバイブレーションの音。ブー、ブー、という規則的な音がうっすらと聞こえる。
「・・・スマホ鳴ってますよ」と指摘する。
しばらく間があって
「・・・そうだね」と白峰先生は引き出しを開けてスマホは出さずに、引き出しに入れたままタップして着信を切ったようだった。バイブレーションの音が止まった。
「・・・出なくていいんですか」
「勤務中だからね」と目を細めて言い返してくる。
「先生のスマホ、見せてほしいです」
もしかしたら、不二君のスマホを持っているのかもしれない。
「・・・困るなあ。大切な個人情報が詰まっているから生徒には見せられない」
白峰先生は右目を細めたまま、私を見つめる。しばらく膠着状態が続いた。まあ、見せる気はないのだろう。そして、私も十分怪しい生徒になっている自覚があるので引き下がった。
「・・・失礼しました」
と言って保健室を出た。白峰先生について調べた方がいい気がする。先輩にも一応、白峰先生に不二君が襲われているという私の仮説を伝えておこう。恥ずかしい、ただの妄想で済めばいいけれど・・・。
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