王女様は正夢なんて信じないっ

 ゲルト国の第一王女であるセレナには幼い頃から繰り返し見る夢があった。夢の中のセレナは、隣国ラーテル国の皇太子に一目惚れするも、皇太子が選んだのは妹だった。嫉妬に狂ったセレナは、妹を虐げ、皇太子との仲を引き裂こうとする、それは見事な当て馬となる。魔法使いでもあるセレナはありとあらゆる手段で妹を虐げていた。しかし、結局セレナという障害を乗り越え、二人は結ばれてハッピーエンド。妹を虐め抜いたセレナは、邪悪な魔法使いの烙印を押されて、断頭台で処刑される。そんな不吉な夢だ。

 セレナの夢は半分の確率で現実となる。

 セレナはなんとか断頭台を回避しようと、男装して、城を抜け出した。そして、男だけしかなれない見習い騎士になったのだ。
 それなのに断頭台に並ぶような命の危機が次から次へと襲いかかってくる始末だ。その上、同室の見習い騎士にはセレナの正体がバレそうになるし、なんだか謎めいている。

 果たして、セレナは断頭台を回避して、生き残れるのか・・・。

 死神が鎌をぶんぶん振りましている中に無自覚で突っ込む王女様と、それを見て内心爆笑している似非騎士のちょっと変わった駆け落ち話。
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