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第23話

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 子供たちが一列に並びながら移動をする。先頭の子供が、教会の入り口の前に立った。
 これから『勇者の儀』が始まる。
 静かに並んでいる子供たちとは違い、椅子に座っている大人の多くは声が大きく子供に声をかけている。声をかけても変わらないのだから、静かにしてほしいものだ。
 シスターが静かにするように声をかけているが、話を聞いていない。困った様子のシスターは溜息を吐くと顔を上へと向けた。そこには小部屋があり、中からは誰かがこちらを見ていた。
 その人物はこの国の国王――オーウェン・ル・ディギュエールだった。薄紫の髪に、緑の瞳で子供たちを見ている。その隣には、補佐のアッシュ・ル・ディギュエールがいた。オレンジの髪に、緑の瞳で大人たちを見ていた。
 どうやら、次の勇者が誰になるのかを見届けるために教会に来ているようだ。

「皆様、ご静粛に」

 教会内に静かな声が響いた。その声の主は神父だった。階段から降りてきた神父は、ゆっくりとした足取りで剣が刺さった台座まで歩いて行く。
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