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第21話

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 前回の『勇者の儀』から半年で次の『勇者の儀』を行うことは今までなかった。今までは早くても一年後だった。それだけ、今回の勇者は離脱するのが早かったのだ。
 光魔法を使える候補者が選ばれた者しかいなかったのかもしれない。他の候補者には今後使える可能性がなかったのか、選ばれた者よりも光魔法の適性が低かったのかもしれない。だから勇者の剣はその人を選んだのだろう。
 手紙が届いた日、俺とスキルラは喜んでいた。光魔法を使える人は少ないし、適性があったとしても使えるようになる人は少ない。だから選ばれるだけでもすごいのだとリクトに言ったのは、『勇者の儀』が行われる前日だった。早くに言ったら浮かれる可能性があったからだ。
 けれど、翌日もいつもと変わらなかった。
 ただ、「勇者になる可能性があるのなら、残り少ないが厳しくいくぞ」と修業を厳しくすることにした。ただでさえ厳しい修行なのに、勇者候補に選ばれただけで修業が厳しくなるとは思ってもいなかっただろう。『勇者の儀』当日は修業もできないため、短い間にできる限りのことを教えようと思ったのだ。選ばれてしまえば、すぐに旅に出なくてはいけないのだ。
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