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第19話

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「黒いフェンリルの代わりになってくれそうな魔物はいるんですか?」

 今契約している魔物がいたとしても、契約内容が変わってしまえば納得はしないだろう。
 新しく契約するにも、ルルカの森の近くにいる魔物では役不足だ。だからと言って、新しい魔物を探しに行っている時間もないだろう。
 それなら、魔王であるエルザに魔物を連れてきてもらうしかないだろう。しかし、魔王を含めた会議なんか一度しか開かれたことがないのではないだろうか。
 魔王に頼もうという考えはないのではないだろうか。だれも、エルザとは繋がりがないのだから。

「どうにかはなると思いますよ?」
「そうなんですか?」
「まあ、このままだったら最終手段として……というのはあるな」

 ライアンまでそんなことを言うので、俺は首を傾げるしかなかった。
 誰かの契約獣に頼むのだろうか。確か、シルフィスとライアンは契約獣がいたはずだ。
 けれど、シルフィスの契約獣はシルフィスのそばを離れることはない。ライアンの契約獣だと、了承する可能性はあるだろうが、強い魔物が来た場合対応することができない。
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