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第18話

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 フェンリルを思い出すと、攻撃をしようとはしてこなかった。それが戦いを好まない性格の表れなのだろう。
 フェンリルは攻撃的だ。それなのに、攻撃しないということは群れで行動するときに邪魔になってしまう。全員で攻撃したくても、一匹だけ別行動では困るのだ。
 だから仲間は、邪魔になったフェンリルを攻撃したのだろう。そして、フェンリルはフェリクスと契約することを了承した。

「契約内容は?」
「ルルカの森に魔物を近づけさせないこと。その契約は、俺が死んだとしてもフェンリルが生きている限りは守るようにと話した」

 お互い納得したから契約ができたのだ。
 最近ルルカの森に魔物が寄り付かなくなった理由は、あのフェンリルだったのだ。知能の低い魔物が森に入ってくることもあるが、多くの冒険者が討伐しないといけないというほどではない。
 森に魔物が来なくなって、ルクシアン王国も平和になった。魔物の多くはルルカの森を経由して街に行く。フェンリルの気配を感じ取って、森に入らなくなった魔物がルクシアン王国へ行くことも減ったのだ。
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