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第15話

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 旅をしてきて今までこんなことはなかった。ライアンも同じだろう。二人きりになって話すこともあまりなかったのだから仕方がないのだろうが、ライアンが笑うところなんて初めて見た。
 一緒に旅をした時間が短いのだから仕方がないのかもしれない。

「おい、あれを見ろ」

 突然立ち止まったライアンの視線の先を見ると、そこには多くの動物がいた。
 キツネやタヌキ、リス、シカだけではなく、熊までもいる。この森に熊がいるなんて知らなかった。
 すべての動物が洞窟の前に集まり、中には覗き込んでいる動物もいる。木の上には鳥がとまっている まだ日は傾いてきてはいなかったが、帰りはきっと暗くなるだろう。奥へと進めば進むだけ暗くなってくる。午前中に来ていれば、明るいうちに帰ることができたかもしれない。
 ただそれも、何事もなければの話だ。

「木の実は見当たらないが、キノコはあるだろ」
「土から出てきたら次の日には食べれるまで成長してることもあるからな」
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