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第三章

第03話 お風呂

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 暫く立ったままテレビを見ていると、脱衣所の扉が開かれてロベリアさんが出てきた。髪をバスタオルで拭きながら出てきた。
 その姿を見て、思わず顔を逸らしてしまった。髪から滴る水が、肌やスウェットに落ちていく様子を見て、見てはいけないと思ったのだ。
 ロベリアさんは神を拭くことに集中していたため、俺が顔を逸らしたことには気がついていないようだった。
「ロベリアさん、ご飯食べますか? と言っても、昨日の残りの肉じゃがですけど」
「いいえ、まだいいです。ギルバーツさんも風邪を引いてはいけないですから、お風呂に入ってきてください」
 その言葉を聞いて、先にお風呂に入ることにした。着替えを部屋に取りに行く前に、お風呂から上がって温まっているといってもこのままでは冷えてしまうかもしれない。
 そう考えて、もう一度ロベリアさんのためにココアをつくり、カップに入れてソファーに座ったロベリアさんの前のテーブルに置くと、2階の自室に向かった。一番奥の部屋の隣の部屋。
 扉を開けて室内に入るとクローゼットに向かい、着替えを取り出して左手で持つとすぐに部屋を出ると扉を閉めて1階に下りた。
 ソファーに座りココアを飲みながらテレビを見ているロベリアさんを見て、テーブルの少し離れた場所に置いてあるリモコンを右手で取って手の届く場所に置いた。
「好きな番組を見て構いません。それではお風呂に入ってきますので、何かありましたら呼んでください」
「ありがとう」
 自宅に来たときよりも顔色のよくなったロベリアさんが、両手でカップを持ちながら笑顔で答えた。それでも、少しぼーっとしているように見える。
 もしかすると疲れていて、眠くなっているのかもしれない。安心できる場所と思ってもらえているのかもしれない。
 寝てもらっても構わないのだけれど、できれば夕食は食べてほしい。そしてソファーではなく、ベッドで眠ってほしい。
 奥の部屋は使っていないが、定期的に掃除もしておりベッドも問題なく使える。できればそこで眠ってほしい。そう思いながらお風呂場へと向かった。
 脱衣所の扉を閉めて新しいタオルとバスタオルを取り出して、服を脱ぎはじめた。脱いだ服を籠に入れ、お風呂場の扉を開いた。
 いつもならお湯を体にかけてから湯船につかるのだが、明らかにロベリアさんがつかっていたことがわかるので今日は湯船につかることを諦めようと思った。
 新しくお湯をためればいいし、気にしないでつかればいいのかもしれないが、今回は諦める。ロベリアさんが彼女であれば気にすることはなかっただろう。
 お風呂場の扉を閉じて、いつも通り先に体を洗うことにした。









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