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20話
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しおりを挟む「こちらで国王陛下がお待ちになっております」
メイドが扉の前にいた衛兵に頭を下げると立ち去って行った。衛兵が扉をノックすると、内側から扉が開かれた。
予想していて通り、室内には国王とニールとルーカスがいた。二人は玉座に座る国王の左右に立っている。
そして、謁見の間に入って正面左にはリラが立っていた。両腕が後ろに回っていることから、縛られているのかもしれない。左右には衛兵が立っていて、勝手な行動ができないようにと監視されているらしい。
リラは捕まっているというのに、ルージュを睨みつけてくる。その様子にルージュは思わず感心してしまう。よほどルージュのことが嫌いのようだ。
「お待たせしてしまって申し訳ありません」
「いや、構わないさ」
どのくらい待たせていたのかは分からないが、国王は気にしている様子はなかった。
本来はルージュたちが先に謁見の間に入って待っているべきなのだろうが、メイドは国王の準備が終わってから呼びに来た。もしかすると、ソレイユ王国の国王であるノワールを謁見の間で待たせないようにしたかったのかもしれない。
「もうすでに分かっていると思うが、ニールと彼女の罰について話をしたいと思ってね」
そう言うと、国王は右手を上げた。すると、リラが衛兵に連れられて国王の前に座らされた。
ルージュたちからは彼女の背中と手が見える。左手の中指にはラピスラズリのついた指輪がなくなっていた。どうやら言っていたように、回収したようだ。そのかわり、右手の甲には昨日までなかったはずのものが見えた。
ルージュはそれに覚えがあった。魔法王立学園の授業で教科書に記載されていたのを見たことがあったのだ。
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