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18話

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「誰にでもそういうことを言うの?」
「言うはずないだろう」
「でも、初対面の人間にそう思うなんて」
「初対面じゃない」

 初対面であろうと、可愛いと思う人はいるかもしれない。ただそれを言葉にしないだけで。
 ルージュの言葉に少し低い声で「初対面じゃない」と言ったノワールに首を傾げた。彼女にはノワールに会った記憶がないのだ。

「いつ会ったの?」
「十歳の誕生パーティー。間違いなく、ルージュだった」

 人違いなのではないのかと思い尋ねてみると、間違いなくルージュだという。
 そのときの誕生日パーティーと言えば、瘴気を纏った魔物に襲われたときだ。聖魔法が覚醒した瞬間を、ノワールは目撃していたということになる。
 けれど、その中にノワールがいた記憶はない。ルージュの誕生日パーティーには王族を呼んではいなかった。勿論そのときは知り合いでもなかったため、ニールも呼んではいない。あの出来事が広まっていき、国王の耳にも届いてニールの婚約者になったのだ。
 誕生日パーティーには多くの子供も参加していたが、全員ルージュの知っている人だった。名前も顔も知らない人はいなかった。

(やっぱり、別の人と勘違いしているんじゃないかしら)

 ルージュがそう思っていると、ノワールの口から衝撃の事実が告げられた。
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