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14話
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しおりを挟むそう言うと、ノワールは躊躇うことなく騒がしい広間へと足を踏み入れた。うさぎの姿では、遠くから聞こえていた音が近くなれば耳が痛いほど大きく聞こえる。
近くの人が何を話しているのかは分かるが、大きく聞こえるため他の離れた人の会話は聞こえない。
誰にも話かけられることもなく広間を進むノワールは、食事が並べられているテーブルの近くで立ち止まった。テーブルの近くで会話をしている人は少ない。食器をひっくり返さないようにとの配慮なのだろう。
近くにいる人の会話に耳を傾けると、招待状が来たから参加したが、今日は何のパーティーなのか分かっていない人が多かった。ルージュとノワールは、裏路地でリラが言っていた言葉を聞いていたから知っている。
本来であれば、招待状に書いているはずなのだが、記載されていなかった。もしも記載があった場合、参加しない人が多くなると考えたのだろうか。
結婚発表。発表をしようと言い出したのは誰なのかは分からない。二人が婚約してすぐに結婚発表なんてしたら驚くだろう。
ルージュは服の合わせ目から顔を出して周りを見渡す。広間にいる人の中には、魔法王立学園の卒業生もいる。結婚発表を聞いたら驚くだろう。
もしかすると、ここにいる招待客の中にはリラの話を聞いている人もいるかもしれない。そんな人たちが結婚の話を聞いたらどうなるのだろうか。
この場では口にすることはないだろうが、批判する人はいるだろう。今だってルージュを追放したことについてリラとニールに文句を言っている声が聞こえる。もしもニールが国王になったら、この国にはいられないと言っている人もいるのだ。
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