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4話
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しおりを挟む(この世界に来て初めて料理をしたけど、あまり美味しくなかったな)
それが一人での夕食だからなのかは分からない。
食べ終わるとすぐに食器を洗いはじめる。この世界には洗剤が存在しないため、水洗いだけだ。汚れが残っていないかを確認して水を止めると、すぐに食器の水もシンクの水も消えていく。汚れも残っておらず、食器を棚にしまう。
蛇口の魔法石を取り外し、次に向かうのはお風呂場。お風呂には湯船はなく、シャワーだけを浴びれるようになっている。台所と同じように、蛇口には魔法石をはめる設定になっている。違うのは、二つをはめなくてはいけないということだった。
そこには火と水の魔法石をはめる。そうすることによって、ほどよいお湯が出るようになる。
お風呂場には他にたらいと洗濯板が置いてある。洗濯機もないのだから、服は手洗いをしなくてはいけない。
シャワーを浴びるため、お風呂場から出ると持っていた火の魔法石を宝石箱にしまう。着替えを出して、お風呂場の前に畳んで置くと靴を脱いで服を着たまま中に入る。
すぐに洗うのだから着たまま入って濡れても気にはならない。服を脱いでたらいの中に入れると蛇口を捻る。手で温度を確認して、一日の疲れを癒すようにシャワーを浴びる。
(本当は湯船に入りたかったけれど、ないものは仕方ない)
シャワーを浴びてから着替えて、服も洗い終わると外は真っ暗になっていた。
服は干す場所がなかったため、洗って乾くまで手で持っている必要があった。火の魔法石の効果もあり、服が乾くのは早い。持ったまま待つのは大変だったが、乾いたら畳んで、お風呂場の前に置いく。そして他の物を洗ってと何度も繰り返さなくてはいけなかった。
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