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蛸ルート(蛸×黒)

9.迷霧・再 ★

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 ぴたりと魔物の動きが止まった。

「俺は、ずっと……」

 少し俯いた男を、魔物はゆっくりと振り返った。男に掴まれた触手を持ち上げ、男の頬に触れる。その触手に、男の手が重なる。

「お前のことが頭から離れなくて……狂いそうだったんだ」

 つぶらな黒い瞳が、じっと男を見つめた。

「だから、できるならずっと、お前と一緒にいたい」

 2本の触手が、抱き寄せるように男の腰に絡んだ。

「お前も、そうだったらいいのにな……」

 男はタコの魔物に手を伸ばした。両腕が回りきらないほどの巨体に、身体を預ける。ぴったりと身体をくっつけて目を閉じると、どこからか甘い香りがした。
 タコの頭の傍の穴のような器官から、ピンク色の霧のようなものが漂ってきた。色は違うものの、谷の森で見た花の香りがする、と男は頭の片隅で思った。

「どうした……?」

 男が身体を離して様子を窺うと、その顎先を触手が撫で、蠢いて唇に触れ、口の中に入り込む。

「んむ……っ」

 クニュクニュと口内を掻き回されて、男の眼差しが蕩け、頬が紅く染まっていく。

「どうひ……んぅ……っ」

 まともに喋ることもできず、舌に触手が絡む。男も応じて、精一杯、舌を絡ませる。

「は……んむ……っ」

 すぐに、溢れた粘液が顎を伝って滴り落ちる。
 触手はチュプチュプと口内を犯すと、おもむろに引き抜き、唇を撫でる。濡れた唇から、熱い溜め息が洩れた。

「はぁっ……、なんか……あたま……ぼーっと、して……きた」

 粘液を纏った触手たちが、再びうねうねと肌を撫で回す。男はまともに立っていられなくなり、腰に絡んだ触手に掴まる。

「あぁ……ぁ、ヌチャヌチャして、きもち、いい……」

 首筋から脚の先まで粘液まみれにされて、男は悦びに震える。
 触手の1本が、後孔にその先端を突っ込んでグチュグチュと中を掻き回した。先ほど中を存分に撫で回されたそれは、容易く触手を咥えこみ、触手の動きに合わせて揺れ始める。グジュリと溢れる粘液が接合部から零れ落ちる。

「はぁ、あッ、ん、きもち、よすぎて、あたま、とろけ、そ……」

 耳まで紅く染めて、男は快楽に溺れる。時折ビクリと震え、切なげな声をあげた。
 不意に触手を抜かれ、後孔がひくついて粘液を垂らす。

「ん……ぅ……」

 やり場を失った疼きに男が身動ぐと、タコの魔物は1本の触手を男の前に差し出した。他よりも一回り大きくグロテスクな触手は、強くて甘い、あの花の香りがした。

「あ……」

 男は吸い寄せられるようにそれに触れる。全身をすり寄せ、太い触手に擦り付ける。なぜだかわからないけれど、男はそうしたくて堪らなくなった。
 
「あっ、あっ、きもち、い……ッ」

 粘液で滑りのよくなった身体は、太い触手にすり寄せると水音を立てた。胸の突起や股のモノも構わず擦り付けて、触手を撫で、キスをする。甘い香りがよりいっそう濃くなっていく。

「あぁ……ん……」

 恍惚とした表情で擦り寄る男の腰を、別の触手が抱えて持ち上げる。男は抵抗するでもなく抱えられ、吊り下げられて、そのまま、タコの魔物の足の付け根に乗せられた。

 一際太い触手がゆっくりと持ち上がり青年の背後から迫った。四つん這いになった尻を、低い水音を立てて撫でる。

「ひぁ、ん……っ」

 男が乗ったタコ足の付け根が持ち上がって、尻を突き出す格好になる。窄まりに、太い触手の先が触れる。これから何をされるかを男は理解し、期待に身を震わせた。
 少し赤さを増したように見えるタコの頭に手を伸ばす。男の濡れた瞳が、つぶらな黒い瞳と見つめ合った。

「っん!!」

 太い触手の先が、窄まりから中へと入り込む。押し出された粘液の名残が滴る。

「んっ、あ、おっきぃ……っ……」

 中を限界まで押し拡げられる感覚に、男は震え、股を開き、尻をひくつかせる。全身に粘液を擦りこまれた身体は、巨大な触手すらも快楽を伴って受け入れていく。

「ん、んん……んうぅ……」

 男は身を震わせながら、頭をタコ足の付け根に擦り付けた。

「ん、あぁ、すご……ぃ……あふぅ……」

 細い触手が頬を撫でると、わずかに顔をあげ、熱を帯びた呼吸を繰り返し、惚けた顔で魔物の黒い瞳を見た。

「いっぱい……してぇ……」

 竿から粘液を零しながら、尻をひくつかせ、男は甘えた声をあげる。男の望みを叶えるかのように、太い触手がゆっくりと男の内側を侵食していく。

「んぁ、はぁぁ……、あぁ……」

 気を失いそうな快楽に男は声をあげ、張り詰めた茎からまた雫を滴らせる。触手に侵食される度、熱を帯びた身体を何度も小刻みに震わせた。
 やがて、太い触手はその先端を男の弱い部分に擦り付ける。男はヒクヒクと下腹を痙攣させ、触手を強く何度も締め付けた。

「ひぁぁ……ッ、き゛もち゛いぃ……ッ」

 太い触手の先を、男の気持ちいい場所に当てて、わずかに出し入れすると、男は背を仰け反らせて、夢中で腰を振った。

「あッ、はぁんッ、じゅご、いぃ……ッ」

 だらしなく開いて涎か粘液かわからないものを垂らす口に、細い触手が入り込む。

「んぷ、んんッにゅッ」

 口一杯に触手を咥えて貪りながら、後ろから太い触手に何度も突かれてビクビクと身体を痙攣させる。この上なく卑猥な水音が辺りに響く。

 さらに触手たちが胸の突起に絡み付きクニュクニュと先を揉みしだく。左右の尻に巻き付いて開き、別の触手は背骨を下から上へと撫であげた。
 触手たちにされるがまま、男はうっとりと目を細め、唇を震わせる。そして切なげに眉根を寄せた。

「ん゛ん゛――――ッ!!」

 男は一際大きく身体を震わせ、咥えこんだ太い触手をぎゅうと締め付けた。太い触手はビクンビクンと痙攣し、男の中に大量の液を注ぎ込む。

「……っ……ふ……」

 男の身体から、力が抜ける。やがて、口と後孔から勢いよく触手を抜き取られ、両方からコポリと液を溢した。まだヒクヒクと震えながら、夢見心地で男はタコの頭に腕を伸ばす。

「……あぁ……だいすき……」

 触手たちは、そっと男の身体を包み込んだ。
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