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7.エピローグ
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2人でなんとか宿にたどり着いたのは、完全に日が昇った後だった。
皆には心配を掛けていた。怒ったり泣かれたりしたけど、それでも無事を喜んでくれた。本当に、戻ってこれて良かったと思う。
ひどく疲れていたので、少し休ませて欲しいと願い出て、客室のベッドに潜り込む。
幸い、これ以降、俺はおかしな熱に悩まされる事がなくなった。
悔しいけど、アイツの言う通り、変態薬師や、嫌な出来事の数々を、少しは忘れられたのも事実だ。
さりげなく部屋まで付き添ってきた魔術師は、優しく髪を撫で、軽くキスをする。部屋には他に誰もいない。
「ゆっくり休めよ」
「ん……」
同時に、パーティの魔術師の存在が、その後の俺にとって、どんどん欠かせない存在に変わっていくのだった。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おまけの魔術師リスト
・黒髪の男
訳あって世界を旅している青年。実は人間ではなく人工的に人の姿で生成された魔法生物である。
魔法都市で魔法の特訓を受けたがまだ修行中。
せいぜいロウソク程度の火を数秒灯すしかできない。一番使えそうな術は幻影の炎。ただ、あくまで幻(精神攻撃系)なので、精神力や魔力が高い相手には効かない。その程度の効果なのに、気力の消耗が激しく、その場で気絶しかねない諸刃の剣。使えない。
3日目の昼は、おつかいで単独行動中、町で襲われてるお姉さんを見かけて助けようとした。結果、思ったよりゴロツキの人数が多くて自分が捕まった。お姉さんは無事に逃げて助けを呼んでくれていたが、目立たない路地に連れ込まれてしまった。
・銀髪の男
魔術師。強い。
黒髪の男がすぐどこかに行ってしまい、その度にわざわざ探知魔法で探していた。しかもほぼ毎回、窮地に陥っているため、GPS的な魔法の品をつけてやろうかと本気で検討していた。案の定である。
後日、速攻でつけた。
・薬師
辺境の村で薬屋を営むサラサラ長髪眼鏡の男。
禁呪に手を出した魔術師であり、先日の事件で改心したばかり。
でも結局懲りてなかったことが判明。見た目は爽やかイケメンで中身は変態。本気になると眼鏡を外す。
この世界にやたら媚薬の話が多いので、たぶん彼の作った媚薬がいろんなルートで流通していると思われる。
・フードの男
ゴロツキとつるむ魔術師。実力はそこそこ。1ヵ所に属さず、あちこちのグループや組織を渡り歩いている。
気分屋で残忍で他人をいたぶるのが好きなヤツ。
結局たっぷり魔力をいただいて、満足してアジトに帰っている。彼は黒髪の男を餌として気に入ったけれど、銀髪の男の方は彼を完全に敵と認識している。
・組合の人間
大陸では、魔法組合の支部が運営されている。組合の人間は大抵、魔法都市から派遣されているのだが、稀に大陸でスカウトされる。
組織の規律は細かく決められ、秩序が優先される。
・冒頭で解決した事件
辺境の村から逃げてきた男の娘に泣きつかれた
↓
彼の代わりに生け贄を引き受けたら女体化する薬を飲まされた
↓
どうにか仲間の力を借りて数日で黒幕を退治した
男の娘はのちに『シオステイアの街を助けて!』と黒髪の男に手紙を送るのだった(「寄り道の道中」へ続く)。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※ この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・名称等とは一切関係ありません。
皆には心配を掛けていた。怒ったり泣かれたりしたけど、それでも無事を喜んでくれた。本当に、戻ってこれて良かったと思う。
ひどく疲れていたので、少し休ませて欲しいと願い出て、客室のベッドに潜り込む。
幸い、これ以降、俺はおかしな熱に悩まされる事がなくなった。
悔しいけど、アイツの言う通り、変態薬師や、嫌な出来事の数々を、少しは忘れられたのも事実だ。
さりげなく部屋まで付き添ってきた魔術師は、優しく髪を撫で、軽くキスをする。部屋には他に誰もいない。
「ゆっくり休めよ」
「ん……」
同時に、パーティの魔術師の存在が、その後の俺にとって、どんどん欠かせない存在に変わっていくのだった。
おわり
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おまけの魔術師リスト
・黒髪の男
訳あって世界を旅している青年。実は人間ではなく人工的に人の姿で生成された魔法生物である。
魔法都市で魔法の特訓を受けたがまだ修行中。
せいぜいロウソク程度の火を数秒灯すしかできない。一番使えそうな術は幻影の炎。ただ、あくまで幻(精神攻撃系)なので、精神力や魔力が高い相手には効かない。その程度の効果なのに、気力の消耗が激しく、その場で気絶しかねない諸刃の剣。使えない。
3日目の昼は、おつかいで単独行動中、町で襲われてるお姉さんを見かけて助けようとした。結果、思ったよりゴロツキの人数が多くて自分が捕まった。お姉さんは無事に逃げて助けを呼んでくれていたが、目立たない路地に連れ込まれてしまった。
・銀髪の男
魔術師。強い。
黒髪の男がすぐどこかに行ってしまい、その度にわざわざ探知魔法で探していた。しかもほぼ毎回、窮地に陥っているため、GPS的な魔法の品をつけてやろうかと本気で検討していた。案の定である。
後日、速攻でつけた。
・薬師
辺境の村で薬屋を営むサラサラ長髪眼鏡の男。
禁呪に手を出した魔術師であり、先日の事件で改心したばかり。
でも結局懲りてなかったことが判明。見た目は爽やかイケメンで中身は変態。本気になると眼鏡を外す。
この世界にやたら媚薬の話が多いので、たぶん彼の作った媚薬がいろんなルートで流通していると思われる。
・フードの男
ゴロツキとつるむ魔術師。実力はそこそこ。1ヵ所に属さず、あちこちのグループや組織を渡り歩いている。
気分屋で残忍で他人をいたぶるのが好きなヤツ。
結局たっぷり魔力をいただいて、満足してアジトに帰っている。彼は黒髪の男を餌として気に入ったけれど、銀髪の男の方は彼を完全に敵と認識している。
・組合の人間
大陸では、魔法組合の支部が運営されている。組合の人間は大抵、魔法都市から派遣されているのだが、稀に大陸でスカウトされる。
組織の規律は細かく決められ、秩序が優先される。
・冒頭で解決した事件
辺境の村から逃げてきた男の娘に泣きつかれた
↓
彼の代わりに生け贄を引き受けたら女体化する薬を飲まされた
↓
どうにか仲間の力を借りて数日で黒幕を退治した
男の娘はのちに『シオステイアの街を助けて!』と黒髪の男に手紙を送るのだった(「寄り道の道中」へ続く)。
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※ この物語はフィクションであり、実在の人物・団体・名称等とは一切関係ありません。
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